スペインまで電車やバスを使ってすっ飛ばすという選択肢があった。フランスは物価が高いのでさっさと抜けでしまうのも手段。道中にこれといって観たいところはなかったし、ヨーロッパに時間をかけ過ぎている感じもあった。でも、やっぱり自転車を漕ぐことにしたのには理由がある。
世界の六大陸の中で未だ足を踏み入れていないのはアフリカ大陸だけとなった。そこはこの旅で最も冒険的要素が強い場所。物語が終わりに向かってテンションをあげてきている中で、電車やバスを使うということが不具合を生じるように感じたのだ。局所的には気分がのらなくても、全体的には必要な走行だと判断。その中で出来うる限りの楽しみを見出しつつ進んでゆく。そんな想いだった。
海が見たい、とボルドーから南西に針路をとった。潮風にさらされながら海沿いの自転車道を南下した。
身体が心地よく疲れるくらいまで走り、日本の調味料をふんだんに使って自炊し、ワインを五臓六腑に滲みわたらせる。翌日にアルコールが残らないように水を大量に飲んで寝ると、夜半にトイレに行きたくなって目が覚める。寒いので寝袋から出るのが億劫だけれど、テントからもぞもぞと這い出て小便。ふと頭を上げると、輝いている星たちが微笑んでいる。彼らと束の間の交流を楽しみ、身体が冷え切らないうちに再びいそいそと寝袋にくるまるのだ。
そんな日々を繰り返し、フランスとお別れをした。
はじめに80万分の1の右下の地図を買ったけど、フランスの道は細かいので不便だった。仕方なく冊子になっている20万分の1の地図を買い直し、破って使っていた。
濁流。都市部の川は汚い。
パリ~ボルドーの曇りがちの天気はうってかわって晴れに!
道中で会ったフランス人サイクリスト。マドリッドからキューバに飛んで、中南米をサイクリングするとのこと。そこらへんはもう走ったよ、と言うと驚いていた。
3~5日に一度はキャンプ場でシャワーを浴びる。
キャンプ場のオーナー。世界を自転車で回っているって言ったら、お金はいらないよ、頑張れ!と。金銭的な面以上に精神的に嬉しいもので、その日はほくほくの笑顔で眠った。広げているのは彼がモロッコから西サハラを越え、モーリタニア、セネガルと車で行ったときの写真集。
オーナー「景色良し、人良しでおすすめだ。是非行くといい。」
お洒落な街。
可愛いね。
かぼちゃが多種多様。
海までやって来た!!ビスケー湾の海。
海沿いに走るサイクリングロード。ユーロヴェロの1番。ユーロヴェロはハンガリーあたりでも走ってみたけど、そちらより随分状態が良い。
自転車道の脇はたいがいキャンプしやすい。
舗装されたばっかりだった。タイヤがスムーズに回ること回ること。
ワインケーブがあったので立ち寄る。
おすすめのを一本下さい。
野営生活なので、日没まで走る。
自転車屋もちょいちょい見かける。
さあ、スペインが近付いてきた。
フランス滞在は24日だった。ずっと楽しみにしていたスペインへ、レッツゴー。
コメントを残す