愛知県新城市の地域おこし協力隊になって半年が経った。地域おこしとは一体何なのかを考え続けている。
地域おこしのおこしとは「興す」ことだろう。goo辞書によると「興す」とは
・ひっそりしていたものを目立つ状態にする。衰えていたものを再び勢いづかせる。
とある。
上記を踏まえても、地域おこしの意味が広義すぎて漠然としている。では地域おこしとは何を指すのか。
現状の結論として、「人口」というファクターが最重要項目だと考えている。
愛知県の市の中で唯一の消滅可能性都市である新城市
日本創成会議・人口減少問題検討分科会で消滅可能性都市が指定された。
消滅可能性都市とは、20~39歳の女性の数が、2010年から40年にかけて5割以下に減る自治体である。なぜなら子どもの大半をこの年代の女性が産んでおり、次の世代の人口を左右するからとのこと。
愛知県では7つの市町村が選ばれている。数字は2010年から30年間での20〜39歳の女性人口の減少率。
新城市 56.5
飛島村 54.0
南知多町 59.4
美浜町 51.8
設楽町 71.5
東栄町 74.8
豊根村 60.6
新城市は愛知県の市の中で唯一の消滅可能性都市である。現状の人口は5万人弱で、人口減少が始まっている。(図はwikipedia新城市より)
人口の大幅減少を食い止めなければ、地域を興すもくそもない。だからこそ地域おこしとは人口減少を食い止めること、あわよくば増加に転じさせることが最重要だと考えるのだ。
鯖江市の地域活性化プランコンテストのエントリーでも書いたけれど、地域の内に目を向けるか、地域の外に目を向けるかで地域おこし活動を2つに分類できる。
人口という観点から見ても、人口の流出を防ぐことと人口の流入を増やすことはどちらも重要なのだが、後者の方がなくなったらいずれにせよ人口の減少は免れない。人を呼びこまなければならないのだ。
人口を増やすには雇用創出が最強
人口を増やすにはどうすればいいか?最強の方法は「雇用を生み出すこと」である。
例えばトヨタ自動車の本社が新城市に移転したらどうだろう。多くの従業員は新城市に引越してくるはず。
つまり、仕事があれば人は来るのだ。
では新城市の地域おこし協力隊として起業して10000人の従業員を雇えば、それは最強の地域おこしと言える。しかしその難易度は高く、スーパーハードモード。
次点として、「移住する可能性のある人に新城市を知ってもらう」というのが挙げられる。
IT系などのどこでも働ける人や田舎暮らしをしてみたい人というのは新城市に移住する可能性のある人。そういった人が移住先を選ぶとき、その人が知らない土地に移住することはない。知っている場所が候補地となり、その中から選ぶ。
雇用と比較すると効果は非常に薄くなってしまうけれど、その地域を知ってもらうというのは人口を増やす可能性を持つ。
新城市を知ってもらい、楽しんでもらい、また来てもらいたい。あわよくばいつか新城市に住んで欲しい。そう思って廃校リアル脱出ゲームを企画した。
・廃校でリアル脱出ゲームを企画したよい!ストーリーは学校の七不思議
単発の効果というのは知れているので、うねりを作りだしたい。
日本の人口という資源(パイ)の奪い合い
新城市の地域おこし協力隊として、新城市が元気になって欲しいと活動を続けている。しかし人口という観点から考えると、結局は日本の人口の奪い合いをしているとも思う。
日本の人口は減っていく。さらに東京などの都市に人が動く流れは変わらない。
その大きな動きの中で、一部の人が田舎に住むという選択をしていく。そういった人が選ぶ魅力的な田舎というのは絞られてゆくだろう。
田舎を好む一部の人の奪い合いという競争に勝たなければ、残る地方には成りえない。競争に勝つ地域があれば、負けて閉じていく地域もあるのだ。
人という限られた資源(パイ)を奪い合う仁義なき戦い。しかし奪い合う他にもパイそのものを増やすという方法に目を向けることを忘れてはならない。
つまり、少子化対策である。
子供が生みやすい地域づくり。国づくり。それをやることで人という資源そのものが増える。増えるというよりは減少を和らげると言う方が現状に即しているかもしれないけど、人の奪い合いという競争が緩和される。そういった視点を持つ必要もあるのではないか。
地域おこしと人口というテーマでつらつらと書き連ねてきたけれど、まとめる。
地域おこしとは他の地域から人を奪うことであり、その根本である人という資源の減少を食い止める少子化対策は同時にやった方がいいよね。
地域おこし協力隊として半年田舎暮らしして、そんなことを思う。
それと寒くなってきたのでこたつとクッションセット欲しいなぁ、とも思う。
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