地域おこし協力隊員に応募した理由

田舎暮らしを始めるにあたって、どこに移住するのがよいか考えていた。愛知県新城市を田舎暮らしの移住先として選んだ理由に書いたように、

・東京と愛知からアクセスがよい場所
・狩猟ができる場所

という2つに注目して場所を絞った。だが、それだけでは決まらない。

場所を調べるうちに、もう1つの条件が見つかった。

よそ者を受け入れる土壌がある田舎

田舎暮らしを調べるうちに、決して少なくない数の移住者が田舎から再び都会に戻っている事実を知った。

その理由の1つとして、「住んだ地域の人と合わなかった」ということがある。立地は気にいったけれども、周囲の方と仲良くできなかったのだ。

田舎というのは少なからず閉ざされている面があるのは否めない。しかし、その中でも積極的に外部の人を呼び込もうとしている地域と、そうではない地域がある。

たとえば和歌山県の那智勝浦町色川地域は積極的に移住者を受け入れている地域の1つ。2012年の記事だが、紹介したい。

・よみがえった「限界集落」――和歌山・那智勝浦町色川地域

急速に高齢化が進む農山村。住民の半数以上が65歳以上の「限界集落」が増え、集落そのものの消滅も見られる。そんな中、和歌山県那智勝浦町の色川地域は、人口の4割を占めるほどの積極的な移住受け入れで若返りが進み、地域に活気がよみがえった。
色川地域は紀伊半島南部の急峻な山が連なる、海抜200~400メートルに点在する9つの集落から成る。林野率は99%。かつては林業と鉱業で栄え、3千人が暮らしていたが、現在は402人(6月末)まで減少した。
 人口の4割を占めるのが、関西や関東などからの移住者で、66世帯166人いる。平均年齢は、もとからの住民が68歳なのに対し、移住者は38歳と若い。

可能性の話だが、こういった田舎のほうが人間関係を構築しやすい気はする。もちろん当人が何を求めているかによるが、僕は移住者を積極的に受け入れている田舎を選ぼうと考えた。

どこが積極的に移住者を受け入れている場所なのか

移住者の割合や平均年齢が一覧になっているデータがあればわかりやすいが、そのようなデータは見つけられなかった。

そうであれば、移住者のために補助制度をもうけている自治体がよいかと思った。補助してもらえることは素直に助かるし、そういった制度を設けている以上、移住者の受け入れをする意志がある。よそ者を嫌がる人はいるだろうが、少なくとも自治体は味方だ。


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総務省が主導する「地域おこし協力隊」という制度

調べているうちに地域おこし協力隊という制度を知った。

生田斗真と真木よう子が主演の「遅咲きのヒマワリ」という地域おこし協力隊のドラマで知っている人も多いはず。僕は自転車で世界一周している最中だったので知らなかったが…

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地域おこし協力隊に応募することにしたのだが、先に簡単な説明をしておこう。

地域おこし協力隊とは

地域おこし協力隊HP
地域おこし協力隊 総務省のページ

地方自治体が、都市住民を受け入れる制度である。

都市住民は地域おこし協力隊員となり、地域おこし活動の支援や農林漁業の応援、住民の生活支援などを行う。最長3年の期間のなかで、定住・定着を図りながら地域の活性化に貢献するというもの。

総務省による支援と地域おこし協力隊員の給料

特別交付金として財政が支援される。隊員1人につき400万円上限(=報酬等(上限200万円)+活動費(上限200万円))。350万円の上限金額が引き上げられた。

隊員の給料は16万6千円のところが多く、自治体によって上下する。ちなみに僕が活動する愛知県新城市も16万6千円。そこから社会保険等々が引かれるが、住宅補助があるので(自治体によって様々)生きていけるかなという額。

地域おこし協力隊の人数や性別や年齢など

調査時点はばらばらではあるが、幾つかのデータがある。

地域おこし協力隊員に応募した理由 (1)

人数は現在1000人弱。自転車で世界一周した日本人の総人数よりすでに多い。

地域おこし協力隊員に応募した理由 (2)

男性が多めで、年齢は20代と30代で8割を超える。60代以上の方もいる。

地域おこし協力隊員に応募した理由 (3)

平成24年1月調査で地域おこし協力隊任期後に67%が定住している。この数字だけ見れば、定住促進の効果ありと言える。

もっと詳しい最新のデータがある。

地域おこし協力隊員に応募した理由 (4)

平成25年8月までに任期終了した人のデータ。こちらでも56%が定住している。

地域おこし協力隊員に応募した理由 (5)

定住者の53%が就業、26%が就農、9%が起業である。

地域おこし協力隊員に応募した理由 (6)

感想ベースでは高評価。

地域おこし協力隊、いいんでないの?

地域おこし協力隊を募集している自治体は人を呼び込もうとしているのは間違いない。話を聞きに行ってみると、役所の人が地域の方々と協力して地域活性を志していた。

地域おこしはやりたかったこと。地元の人との関係がスムーズに築けそうだし、地域おこし協力隊という制度は他の支援制度と比べても魅力的に思えた。

東京と愛知からアクセスが良い場所で、狩猟が可能で、地域おこし協力隊を募集している場所。だいぶ絞られた。そうして実際に話を聞きに行き、新城市の地域おこし協力隊に応募した。

そんな経緯で2014年4月から新城市で田舎ぐらしを始めることになったのである。

三十路になる僕が田舎暮らしを始めることにした理由

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。