2014年9月15日に行われた福井県鯖江市の地域活性化プランコンテストの公開プレゼンテーションを見に行ってきた。
地域おこし活性化プランコンテストとは、ビジネスプランコンテスト(ビジコン)の地域おこしバージョンである。書類と電話選考を通過した優秀な大学生が鯖江市を訪れ、2泊3日の合宿で鯖江市を盛り上げるプランを練り上げる。
キャッチコピーは
「市長をやりませんか?」
(写真は実行委員長の小川史織さん)
選考を通過した24名の学生は3人1組のチームを組む。2014年は個人参加者同士が組んだチームが5チームとチーム参加が3チーム。彼らが3日目(最終日)に公開プレゼンテーションを行い、鯖江市市長を含む5名の審査員にジャッジされる。
評価項目は「発想力」「論理性」「実現性」「プレゼンテーション」の4つ。それによって最優秀賞が選ばれる。
鯖江市の地域活性化プランコンテストの最大の特徴は、提案された案が実現することにある。第7回となる2014年の前には、当然のことながら6回のコンテストが行われた。
例えば「さばえめがねギネス2011」。メガネの産地鯖江をPRすることを目的に、20000本以上のメガネを集めて2011m繋ぎ、ギネス記録を達成した。
2012年の「さばえブランド大使!」では、SABAE LOVEな宣伝隊 サバ男・サバ子のPR大作戦により、鯖江の伝統や文化を全国に発信して鯖江のブランド化を試みている。
提案を実現させる鯖江市の姿勢が学生たちを惹きつけ、総務省からの後援を得た。
第7回プランコンテストの鯖江市地域活性化策の感想
まず、総じてレベルが高いことに驚いた。8チーム24名の参加者には素晴らしいという言葉を伝えたい。
プレゼンを聞いているときにツイッターでつぶやいた2つの考えたことをピックアップする。
地域おこしという言葉の意味が広く曖昧である。既存の地域住民に目を向けるか、外の人を呼び込むことに目を向けるかで全く違うプランが出る。 #sabaepc
— takahirosuzuki (@viatortaka) 2014, 9月 15
地域おこしをどう捉えたかによって出てくる案が違う。大きく分けると鯖江市民に目を向けるか、鯖江の外にいる人らに目を向けるかで異なっていた。
鯖江の牧野百男市長が言っていた鯖江の大きな課題の1つは「人口減少」
これを食い止めるにしても、既存の鯖江住民が出て行かないようにするのか、鯖江外の人を鯖江に呼び込むのか、によって施策の発想点が分岐する。
どちらも同時におこなうべき事項なんだけど、「人口増加」を狙うなら、外から人を呼び込むことはより重要だと考えている。
地域活性化プランコンテストの評価項目は、発想力、論理性、実現性、プレゼンテーションの4つということだけど、「実現したときの影響力(リターン)」があっても良いかと思ったり #sabaepc
— takahirosuzuki (@viatortaka) 2014, 9月 15
僕が特にレベルが高い、と感じたのは以下の2つのプレゼン。簡潔に書くと、
A:「新撰組」という鯖江の中学生を青年がサポートする案。
B:「犬メガネ」という鯖江で犬(ペット)用のメガネブランドを立ち上げる案。
そこで上のつぶやきなんだけど、AもBも発想力、論理性、実現性、プレゼンテーションの4つの項目で点をつけると、点数はあまり変わらなかった。
でも、Bの案は圧倒的にすごい理由は「実現したときの影響力(リターン)」にあるのよね。
鯖江のメガネ技術を生かして、犬用のメガネブランドを立ち上げる。大きな競合企業は世界で二社。
それを分析した結果、犬用のメガネにはおしゃれさよりもフィット感や異物感のなさが重要であり、それは鯖江の技術が生きる。ペットメガネで鯖江が世界一を目指すというのだ。
市場規模と戦略等を詰める必要はあるものの、実現したときの影響力が莫大な予感がした。
人口という観点から見ても、雇用は最強と言えるくらい強いファクターである。実際、住み心地うんぬんの前に仕事が必要で、仕事があれば人は来る。
僕はB案に投票した。観客賞も最優秀賞もB案だった。
地域活性化プランコンテストを愛知県新城市でもやりたい
最後にムービーが流れた。
そこにはプランコンテストに関わった人間の想いが詰まっていて、胸が熱くなった。1つのものにみんなが向かっていくときに生まれる一体感と高揚感、そして感動が伝わってくる。
素直に「いいな」、と感じた。
そして羨ましくもあった。
愛知県新城市でもやりたい。実際、地域活性化プランコンテストは地域おこしという観点から見ても効果は高い。
まず、多くの学生や関係者に新城市が周知される。口コミ効果も高い。参加者として訪れた学生の心に残り、間違いなく再訪するだろう。もしかしたら将来住む可能性すらある。
プランコンテストで練られた有益な案は採用されて市のためになる。地域住民も巻き込まれて刺激を受けることで盛り上がる。関わった地元の学生然り。
想像するだけでも影響力が大きそうなのに、想像しえない何かを生み出しそうである。鯖江に行ってみて、目に見えない何かを感じたのは事実。大きなうねりのようなものがあった。
心躍るよね。楽しそうだよね。すべての原動力はそこにある。
鯖江市の関連リンク
最後に鯖江市地域活性化プランコンテストのHPへのリンク
と鯖江市の行政の試みに関するエントリーのリンク
・女子高生を行政に参加させるためにJK課をつくった福井県鯖江市の試みが先進的!
を紹介しておしまいにする。
貴重な機会をいただき、ありがとうございました!
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