マンガ編集者の感想付2013年秋の傑作漫画ランキングbest100(コミックナタリー)

コミックナタリー大賞と題して、2013年秋の漫画ランキングが行われている。

コミックナタリー大賞

2013-09-19_1441

概要

コミックナタリー主催による「この秋読んでおきたい100作品」を選出するマンガ賞(2012年度は「マンガ秋100」と題し開催)。現役のマンガ編集者が、この1年間で「刺激を受けた」と思う作品を10タイトル投票し、上位となった100作品を発表する。

対象作品

2012年7月1日から2013年6月30日の間に発売されたマンガ単行本。単巻の作品、短編集も対象とする。ジャンルは問わない。ただし投票者が所属する編集部の刊行物は除く。

選者

国内の商業媒体に従事するマンガ編集者500余人に呼びかけ、うち有志142人の協力を得た。

集計方法

タイトルごとに1票=1ptとして集計し、上位から100タイトルを発表する。タイ順位の場合、順位の変り目が100にもっとも近い順位をもって100冊とする(例:91位の次が105位の場合、104冊を発表する)。またタイ順位内の表記順は、unicodeの昇順を採用する。

1位 坂本ですが? 佐野菜見

「坂本ですが?」と「となりの関くん」という組み合わせの妙

窓に座り、左手で指ならしをして、

「ティーチャー!授業を始めて下さい」

というシーンが大好き。

今や日本漫画界の上質なギャグはすべて「ハルタ」に載っていると言っても過言ではない。「ふうらい姉妹」「秋津」「ヒナまつり」と並ぶ最強ギャグ連載陣の最終兵器が佐野菜見だと思う。作者自身もだいぶいっちゃってるが、描くキャラは本物。現在そしてこれから10年の「かっこいい男キャラ」とは何なのかすごく考えさせられる。

2位 進撃の巨人 諫山創

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進撃の巨人のアニメ版立体起動装置のクオリティが半端ない!

誰もがおすすめするようになった漫画。ここまで来るとは・・・。

9月12日のめざましテレビの外国人が選ぶ日本アニメランキングでも1位は進撃の巨人だったんよね。

ユミルの葛藤と告白、クリスタの発露と抱擁。まさかこの作品で百合萌えする日が来ようとは…!…と、もちろんそれだけではなく、10巻分積み重ねてきた物語が一気に躍動するこの巻。クオリティの高いアニメ化放送と合わせてテンションが上がりっぱなしのこの作品からまだまだ目が離せません。というか、あまりに先が気になりすぎて別冊マガジン本誌を購読するようになりました…!

3位 亜人 桜井画門

亜人は面白い。まだ2巻なので、これからに期待の部分も大きいけどね。買うなら今。

「人間でありたい」「人間ではないものになりたい」。相反するその二つの想いを、人は常に抱えながら生きているんだなあ、ということをあらためて教わりました。

4位 かくかくしかじか 東村アキコ

ママはテンパリストも好きだけど、かくかくしかじかも相当に面白い。まだ2巻なので、買うなら今でしょ。

美大受験を扱って、こんなに納得ができて、かつ面白かったマンガは今まで読んだ事がない。東村アキコという作家の凄さを改めて思い知らされた一作。「日高先生」のキャラは最高傑作。巻を重ねても、願わくは冗長になることなく駆け抜けて行ってほしいマンガ。

5位(2作品) 暗殺教室 松井優征

売れている程には面白いと思っていないけど、やっぱり十分面白いよね。ジャンプパワーを感じる。

すべてが新しいのに、すべてが少年漫画のド王道。いやあ、本当にスゴイです。毎回、楽しみでたまらないです・・・。

5位(2作品) 銀の匙 Silver Spoon 荒川弘

鋼の錬金術師の著者が農業というジャンルに挑戦したことに驚いた。「命」で繋がっているんだよね。

去年も挙げましたが、今年も更に面白い…というか、北海道出身者には身につまされる展開が非常に興味深いです。農家の借金問題や離農などは身近にありましたので。この物語を読むたびに、親戚の家で振る舞われた「とうきび」や「すいか」「ジンギスカン」の味を思い出します。そうそうアニメは内地の子供に観て貰いたいですね〜。北海道のひいては日本の色んな食料事情が自然とわかるようになるんじゃないかなと。

7位(2作品) 七つの大罪 鈴木央

鈴木央さんのマンガって途中から失速するイメージがあるけれど、今回はそうならないことを願って!!

長いキャリアを持ち、数多の雑誌で連載してきた鈴木先生がはじめて真正面から挑んだファンタジー作品で、確実に新たな読者を獲得しているであろうことが素敵です。作家さんの力を引き出している編集さんとマガジンにも拍手を贈りたい。毎週楽しみです。

7位(2作品) 昭和元禄落語心中 雲田はるこ

落語の漫画。まだ1巻までしか読んでいない。4巻まで刊行中なのだ。

雲田氏は、いま一番原稿から色気を醸し出せる描き手かもしれないと思わせる、深い人間描写。

9位(5作品) きょうは会社休みます。 藤村真理

主人公と恋愛する男の子が女性がもとめる男性像の1つだと思われる。ここにノウハウあり!

究極の恋愛ファンタジー漫画だが、恐らく今後実家が絡んできても何があっても、アラサー女子読者向けに最後までこの世界観を成立させ続けるであろうことに、心から畏敬の念を表して。

9位(5作品) ハイスコアガール 押切蓮介

懐かしきゲーセン。とはいえ僕の世代より少し上かな。世界観がイイ!

扱われてる「ゲーセンあるあるネタ」は物凄くコアな人向けなつくりだけど、ラブコメ部分は物凄くメジャーなつくり。そのバランス感覚の取り方が凄い。

9位(5作品) ボールルームへようこそ 竹内友

月マガ連載の社交ダンス漫画「ボールルームへようこそ」が面白い!

社交ダンスは迫力満点だと知る。熱気に包まれた漫画だよ。

ダンスがスポ根になるとこうなるんですね!全開の笑顔だけど汗だくのキャラクターたち。その熱気と臨場感がすごい。バチバチと光る緊張感と華々しさに、息をするのも忘れるような作品。一人ひとりのモチベーションの持ち方が全然違うところもリアルです。

9位(5作品) 喰う寝るふたり 住むふたり 日暮キノコ

まだ読んでいない漫画登場!!

のっけから心掴まれた作品。結婚してない恋人同士に起こりうるあるある話だがあまりにリアルすぎて痛々しくもあり、だからこそのあたたかみのある話に癒される。恋愛は付きあうことがゴールじゃないと実感させてくれる作品です。

9位(5作品) 惡の華 押見修造

はっきり言ってイチオシの漫画。2013年春にアニメ化した3つの好きな漫画にも入れたし、世界一周帰国後の2ヶ月で出会った面白い漫画ベスト10でも1位に認定。

作家の描きたいものを描く、というのが大事だなーと思わされました。このまんがの話をすると同僚の女性編集とまったく話があわないのも面白い

9位より下位の漫画

これ、キリがない。ここからは各順位から1作品ずつピックアップすることとする。

9位までは「喰う寝るふたり 住むふたり」以外は全部読んでいたけれど、これ以降で読んだのは半分ないくらいかな。まだまだ知らない漫画がいっぱいだー!

14位 ぼくらの17-ON! アキヤマ香

14位の7作品中、既読は4作品。

俳句の漫画。さまざまなジャンルが漫画で登場してきたけれど、俳句は新しい。これからが楽しみな作品。

流行りのマイナー系部活ものですが、俳句というジャンルの魅力がストレートに伝わってきて、大変参考になりました。これぞ青春!友情!部活もの!という王道の描き方が爽やか気持ち良いです。

21位 海街diary 吉田秋生

21位の8作品中、既読は6作品。ここは選ぶの難しいけれど、海街diaryが推す。

家族について考えさせられる。登場人物の心の動きを追っていくと温かくなる。

鎌倉、海、姉妹の絆、少年と少女、初恋と終わっていく愛。贅沢に用意されたいくつもの素材をこんなふうに深みを持って描けるのは吉田先生だからですよね。

29位 モンシロチョウ 日暮キノコ

29位の17作品中、既読は9作品。ここも悩ましいけれど、モンシロチョウを推そう。

ヤングマガジン連載中で、もうすぐ完結しそうなモンシロチョウ。痛い青春ものとしては悪の花に通じるものがある。

生乾きのかさぶたをいじるような痛々しい青春劇ですが、そうした青春モノは多いですが、幼馴染のキャラとのセックスシーン、そのときの会話にしびれました。

46位 ヒナまつり 大武政夫

46位の21作品中、既読は10作品。いや~、難しい。ヒナまつりかなあ。

至高のギャグ漫画「ヒナまつり5巻」は笑いより涙であった・・・

とにかく面白い。笑いが止まらない。今連載中のギャグ漫画では頭一つ抜けている。

ぶっ飛んだ設定やギャグ、突飛なセリフを多用しているわけではないのに面白い。コマ割やコマに入るキャラの表情など、ネーム作りの丁寧さで成立している作品。ネームの重要さを再認識させられる。

67位 1/11 じゅういちぶんのいち 中村尚儁

67位の40作品中、既読は9作品。この辺りまでくると知らないの多いぞ。よつばとを推したくなるのをぐっと我慢して、1/11。

サッカーを通じて見せる人生。新しい表現方法である。

自分の担当している新人作家さんにも見習ってもらいたい。内容はベタだけど、キチンと「人」「感情」「人生」が描かれてて、サッカー知らなくても十分に楽しめるところはすごいなぁと。いい作品です! 装丁もすっごく好きです。

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