ザンビアのリビングストンにいるとき、ルートを悩んでいた。争点は1つで、
「ボツワナを自転車で走るかどうか?」
ボツワナを抜けてナミビアへ向かおうとしていたのだが、ボツワナにはライオンが普通にいるらしいのだ。嘘でしょ?と思い、調べていたのだ。ネット上には僕が走ろうとしていたカサネ→ナタ→マウン→ナミビア国境のルートを走った多くのチャリダーが見つかった。彼らは運が良かっただけなのか、はたまた。
ライオンが出るだけの道だったら避けるのだけれど、象を含めた様々な動物と道中で出会えるというから心躍る。リビングストンから南アフリカのケープタウンまでの間の一部の区間のみ自転車で走る時間がある、という状況において、ボツワナの道は魅力的だった。
リビングストンでは、ライオンに出会って殺られるリスクってあるの?というのを調べていた。つまるところ、実際に事例があるのか探していた。そんな折に、南アフリカから北上してきたライアンに出会ったのだ。彼は僕が走ろうとしているルートをまさに自転車で走ってきたばかり。最新の情報を持った彼は言った。
「ノープロブレム!」
ほんとか?それこそ、運が良かっただけじゃないのか??そんなことを問うても、本人だって分からないだろう。もう1人、ライアンと一緒に北上してきたケンタさんにも話を聞くと、
「まず大丈夫だと思うよ。」
2人から言われると、安心感が違ってくる。行くか、行くまいか、と悩んでいた心が行ってみよう、に変わってきた。カサネで情報を集め、無理そうならバスで、行けそうなら自転車で、という方針で動くことにした。そしてカサネ。
自転車で走っても大丈夫かどうかをサファリのガイドとホテルの従業員の2人に聞いた。彼らは言った。僕が走ろうとしているルート上で人間がライオンに喰い殺された話は聞いたことがない、と。ただ、数年前にカサネの街で人間が喰い殺されたことはあったけどねって。
ギョ!
街の人に「夜に街を出歩くのは動物が出るから危ないよ」と言われたのはマジだったのか。一般ピープルが住む街にライオンが来るってすごい。リアルアフリカ。リアルサファリ。
総合的に考えた結果、ライオンの狩りの時間である朝方と夕暮れどきを避ければ大丈夫だろうと判断し、カサネからナタに向けて走り出した。カサネからナタまでの300kmの間でキャンプする場所は流石に調査済み。街や集落、工事現場を繋げるので、それらに泊まっていく予定だった。
ドキドキしながら自転車を漕ぐ。いつにない緊張感で周りをきょろきょろ見渡しつつの走行。歩いている人も自転車に乗っている人も、いなかった。休憩をしていると、やってきた車中の人が
「お前は動物が怖くないのか?」
と聞いてくる。ライオン、象、バッファロー、ひょうが危ないとのこと。いや、怖いけどさ、、、
何度か同様の質問をされると不安になる。まず大丈夫なはずなんだけど、、、
もしかして、とんでもないことをしているのか…?初日に泊まる予定の街の警察で話を聞き、それ以降のことを判断することにした。
80kmほど走ったところで15時だった。残り30kmで街に着くというところ。そんな折に自転車の前にトラックが泊まった。今までと同じ質問をされる。
「お前は動物が怖くないのか?」
だが、その後に彼は続けた。
「夕暮れどきは特に危ないし、ナタまでトラックに乗っていけ!」
なんつーか、潮時な気がした。ナタまで4日かけて走ろうと考えていたところの初日ではあったけど、考えていたより危ない可能性があるし、渡りに船ってやつだろう。お言葉に甘えてトラックに乗せてもらうことに。
運ちゃんは月に2度ザンビアと南アフリカをボツワナ経由で往復する仕事をしている。6年やっている中で一度だけ道沿いでライオンが牛を喰っているのを見たらしい。車が近づいたら飛ぶようにして逃げていったと言う。
6年で一度、というのが高確率と捉えるか低確率と捉えるかは別にして、僕はもう十分に堪能した。象やダチョウやクドゥなんかを見たし、なにより動物の気配をびんびんに感じたから。いつライオンと出会ってもおかしくない状況は緊張感がたっぷりで、恐ろしかった。まさにリアルサファリ(非捕食者側)。ケニアでのサイクリングサファリなんて目じゃなくて(だって命かかってるし)、痺れる体験だった。
途中でトラックが故障するというハプニングがあったものの、無事にナタまで送り届けてもらい、警察署にテントを張らせてもらった。警察のおばちゃんに話を聞くと、ナタからマウンはライオンが出ることはあるけど大丈夫だと言うので、明日はマウンに向かって走ることにした。
いや~、生きてて良かった。
象に近づくと、相当危険。そこらへんにいるからね。
一般道でも120km制限。信号はないけど、象で渋滞がおきたりする。
近づけた動物は猿くらい。動物らも車には慣れているけど、自転車には慣れていないのですぐ逃げる。
動物に気をつけましょう!
「お前は動物が怖くないのか?」と
休憩中も神経張り巡らしている。
バスに乗せてもらう。
変わり映えのない道。
ジュースを御馳走になった。
路上の物売りが持っていたのは、、、象の肉。ビーフジャーキーのような味で美味しいが、ちょい筋ばっている。エレファントジャーキーである。キリンやバッファローなどの肉を売っているときもあるらしい。
この量で60プラ(約600円)。
トラックが故障。
修理を試みるが、直らず。
止まってくれたトラックに乗り換え。
もちろん自転車も乗り換え。
警察署に泊めてもらう。
調理用のガソリン補充。
今日はグエタ(gweta)へ。
親指の太さ。
バオバブの実で案内表示。
バスストップ案内が手作り感満載。
ボツワナの民家。
バオバブー!!
アリ塚から木が生えてるし!
グエタまで5kmくらいのプラネットバオバブに泊まった。そこが素敵すぎたので、次の記事で紹介します。
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