2012年2月23日。キリマンジャロ登山6日目の朝。
山頂から下りてきた後は完全にへたばっていたのに、朝の目覚めは素晴らしく良かった。標高4600mに身体は順応したようだ。トイレに行きたくなり、意を決してもぞもぞとテントから顔を出す。すると、まさに日が登らんとするところと遭遇。
ちょ、、
ちょちょっ、、、
ぐーすかぴーすか寝ているタケとリリーを慌ただしく起こし、テントの外に出て立ちあがった。嗚呼、なんと美しい。
スケジュールを変えたために山頂で御来光を望むことはなかったけれど、ここだって標高4600m。雲海から昇ってくる朝日は十分に素晴らしい。雲海を見下ろしていると次第に明るくなっていく中、昨日キリマンジャロの天辺に立った事実に想いを馳せた。
思い返せば、3人がやってきたのは6日前。なんと濃密な時間だろうか。モシでタケと再会したのが遥か昔のように感じる。時の流れとは、一体なんなのだろう。
大人になると1年があっと言う間に過ぎる、なんて聞く。確かに子供のときは1日が、1ヵ月が、1年が、もっと長かったような気がする。ただ、ここ数日は本当に長く感じた。これは時間の濃密さと関わっているではないか?
時間の濃密さが意味するところは、ルーティンではないことが絶えず起こるということ。仲間と一緒にいて、アフリカにいて、キリマンジャロに登っていて、特殊な状況だから普段の生活ではあり得ない未知の出来事に遭遇する。それによって時間が経つのが長く感じるのだ。
子供の頃ってそうだよね。人生経験が少ないから、見るもの知るもの全てが新鮮。自分の体の変化も著しいし。それが年を重ねるにつれて経験を積んでいき、未知が減る。顔を洗う、歯磨きする、なんていった日常の行動に始まり、様々なことを身体が覚えていき、それをこなすのに労力がかからないようになる。半自動化されているから、それらを行なっている間に思考する必要などなく、あっという間に時間が過ぎていく感覚を持つ。日常の行動から仕事まで様々なことが半自動化され、あっという間に1年が過ぎるんじゃないのかな。
さらに年をとるにつれて未知に対する反応速度が上がるような気がする。未知の出来事に対する経験も積んでいくので、それに対しての対応の仕方がある程度パターン化される。ようするに、未知に慣れる速度が上がるのだ。もしかしたら子供の頃と同程度の頻度で未知と遭遇したとしても、大人になった後の方が時の流れを早く感じるのかも。
そーんなことを考えた。
何が言いたいかっていうと、充実した最高の日々だったってこと。ミッちゃんが待つモシの街へ向かって、駆けるように下った。
ここでチップを渡した。お世話になりました。
キリマンジャロの歌。
わざわざ追いかけてきたんだから、びっくり。恋がうまれるのかな。
大きな木の下の窪み。人一人なら眠れる広さがあるけど、雷が落ちる可能性があるので止めた方がいい。
日本人の団体に遭遇。50歳以上とのことだが全員登頂だって!すごい!!!海外で会う日本人はパワフルな方が多い。
○今回使ったツアー会社の情報
・マチャメルート6日間4人申し込み、1人850ドル(チップは別)
・装備代込み
オーナーのジャスパーは信頼出来る。ガイドのジェームズは可もなく不可もなくといったところ。2012年2月で価格は安い方であり、総合的に満足。
kILI CLINBERS
Email: kiliclimber_2000@yahoo.com
Web: www.uhurutreks.com
キリマンジャロ登頂への道
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良く頑張りましたよね、素晴らしい体験をされて、全く登山に興味がない私でもキリマンジャロに登ってみたいと思いましたよ。