2010年11月8日。友人と合流してから10日目のこの日は、間違いなく彼と過ごした2週間の中のハイライトであった。別れるまでの残り数日で幾度となく話題に上がり、何度も首を縦に振って頷き合った。
「あの日はいろいろあった。きっと一生忘れることのない日だよね。」
と。
僕らはリゾートライフを求めてバンコクから南下し、プーケットにやってきた。理想のリゾートライフを満喫したはずだったが、欲を言えば一つだけ足りていないものがあった。それは、
透き通る海!
水の外から見れば透明な水の神秘的な美しさにうっとりするような、水の中に潜ってみれば見渡す限りにいる魚たちが手に触れてもおかしくない距離で泳いでいるような、そんな海を求めていた。
きれいな海と言えば島だろうということで、プーケットから南東にある映画「ザ・ビーチ」のロケ地であるピピ島に、僕らはデカプリオになった気分で向かった。そこで丸一日のシュノーケリングツアーに参加したのだ。
25人程度のツアー客と一緒に乗った船はこんな様子。ピピ島の周りを一周するツアーで、幾つかのシュノーケリングポイントやビーチで30分から60分滞在する。10時から18時の昼食付きで500バーツ(1500円弱)だったので、内容としては十分。
バンコクから少しずつ南下し、王室リゾートと呼ばれるフアヒンの東京湾ばりの海を見て、リゾート地として名を馳せているプーケットの地元愛知くらいの海を見て、遂に「ザ・ビーチ」のロケ地の海に来た。きっと溢れんばかりの魚たちが迎えてくれるはず、と過度の期待を持って海に潜ったのがいけなかったのだろうか。
思っていたより魚いないな。思っていたより透き通ってないな。それが第一印象だった。それでもプーケットの海よりはずっときれいである。沖縄本島の海くらいか。沖縄の座間味島の海よりは格段に劣る透明度であった。
それでも魚たちは、いるところにはそれなりにいて、シュノーケリングを満喫。ビーチに行くときに、船からカヌーに乗れたのもカヌーイストとしては地味に嬉しかった。
ツアーの後半に入り、いよいよ「ザ・ビーチ」のロケが行われたピピレイ島のマヤ湾に船が向かった。
マヤ湾は写真の船が集まっているところから上陸した反対側にある。船からその上陸ポイントまでは泳いで行く。潜ってみると、今までの幾つかのシュノーケリングポイントの中では最もきれいな水だった。上陸した後は島の反対側まで歩いて行く。
マヤ湾まで10分程かかった。おお、ここがロケ地か!うきうきして小走りになり、早速海に入ってみると、、、温水プールみたいな感じ。水はそこまできれいじゃないけど、温かい。浸かっているとなんか癒される。
散歩でもしようかと海から上がると、タイ人達にビーチサッカーに誘われた。小中高とサッカーをやっていた身としては断れない。混ざってみたところ、結構活躍出来そうなレベル。始めて5分くらいで「ナカタ!」と皆に言われる。ちょっと調子に乗ったその5分後にはもうばてばてで、誰もナカタとは言ってくれなくなった。というか、もっと走れよ、と思われていた気がする。結局マヤ湾を離れるまでやり続けたので、ザ・ビーチのロケ地に来たのにサッカーしかやってない。まあ、いっか。
その後夕焼けを見るのがツアーの最後の目玉のようだったが、生憎の空模様で夕焼けはなし。帰港する前に、船で一緒にサッカーをしたタイ人と写真を撮っていたら、可愛いシンガポール人の女の子2人組に一緒に写真を撮ろうと言われた。もしかしてナカタばりの活躍をした奇跡の5分を見ていたのかな。
この日が友人との旅の間のハイライトだったわけだけど、「良い日だったね!」では問屋が卸さなかった。ここからまだイベントがあった。それは次のブログで。
2012年10月20日追記<狂犬病シリーズまとめ>
1.[タイ]映画「ザ・ビーチ」のロケ地
2.[タイ]猿に噛まれた
3.[タイ]狂犬病予備軍の友人からメール
4.[タイ]狂犬病予備軍の友人からメール(続)
5.[タイ]後は願うだけ
2016年追記
友人がこのツアーに行ったところ、モンキービーチに上陸はしなくなったとのこと。
配慮されたのね。良かった~!!!
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