[キリマンジャロ登山]2.ルート難易度とツアー会社と費用

タケとリリーとミッちゃんがやってくるのは2月17日~26日の9泊10日。わざわざ日本からやってくる彼らに最高の10日間を過ごして欲しいと考えるのは当然だろう。僕が早めに現地に入り、スムーズな行程で進むように手配するつもりだった。最低でも2,3日前には待ち合わせのモシに行く感じで動いていた。

タンザニア走行にくたびれて 2月10日にバスを捕まえることとなった。待ち合わせは1週間後なので、モシへ行くにはちと早すぎる。そんなわけでモシから80km程先の街アルーシャへ向かった。アルーシャで3日、自転車移動に1日、モシで3日と過ごせばちょうど良さそうだ。

アルーシャを選んだ理由はサファリ調査のため。タケは今回の旅でキリマンジャロとサファリを楽しみたいと言っていた。そのサファリの起点となる街がアルーシャなのだ。もう1つ個人的な理由もあって、アルーシャには日本食屋サザンがあるから。夢のキリマンジャロには最高のコンディションで挑戦したい。ならば日本食を楽しめるアルーシャで休息してリフレッシュしようじゃないか。

1日に1度は日本食を楽しみ、日中はツアー会社を周りサファリについて聞く。合間にネットでキリマンジャロやサファリについて調べたり、ブログを書き溜めておいたり。サザンでの飲み会に参加できたラッキーな日もあった。サザンの店長のイマイさんや、タンザニアに来て30年以上経つカトウさんの話は強烈に面白く、刺戟を受けるばかり。アフリカで腰をすえて生きている人の話はやはり一味も二味も違う。

アルーシャでサファリ調査を終え、自転車でモシへ。80kmなので1日で駆けた。モシでは早速キリマンジャロ調査。要はツアー会社巡り。これまで出会った旅人や情報ノートで評判が良かった会社を6つ程回った。まずはキリマンジャロの概要を把握する。

キリマンジャロを登るルートは7つほどあるみたいだったけれど、日数が限られている今回の候補はマラングルートとマチャメルートの2つ。別名コカコーラルートとウイスキールート。マラングルートがコカコーラルートと呼ばれるのは、歩く距離が短く小屋泊が可能だから。歩く距離が長くテント泊となるマチャメルートはウイスキーと例えられるわけだ。マラングは最短で5日コースとなり、マチャメは最短で6日コースとなる。

さらに話を聞くに、キリマンジャロの最大の壁は高山病にある。幾つかのツアー会社の話を勘案すると、5895mの頂上を目指すのに5日コース(登頂は4日目の朝)での登頂率は50%。6日コース(登頂は5日目の朝)だと80%。マラングルートを選ぶにしても、出来ることなら高所順応日を設けて6日にした方がいいという。エベレストベースキャンプの5300mまで行くのに8日かけた僕としては、いずれにせよ6日コースにするべきだと思った。4人全員登頂の可能性を出来うる限り上げたい。

どちらのルートでも6日で行くならば、どちらが魅力的か。比較ポイントは3つ。
・価格(マラング>マチャメ)
・景色(マチャメ>マラング)
・宿泊地(マチャメ>マラング)

1つ目のポイントは価格。これはマラングに軍配が上がる。テントを持つことになるマチャメルートではポーターの数が増えるので、必然的に値段が高くなる。

2つ目のポイントは景色。これはマチャメらしい。どのツアー会社も景色が良いのはマチャメだという。マチャメの場合、3日目に標高4000~4500mのところで頂を中心にしてぐるっと回るのだが、その日の景色が素晴らしいとのこと。また道中で標高が高いところへ行き、宿泊地で標高を下げるのは高所順応にも良い。

3つ目のポイントは小屋の混み具合。僕がモシにいるときにちょうどキリマンジャロから下ってきた人と出会った。マラングルートを登ってきた彼らの話によると、小屋が満員で大変だったとのこと(2012年2月15日の情報)。彼らは結局ガイドが寝るところに隙間を作ってもらって寝たらしい。ルート上のどの小屋も混みこみという情報を得た。そんな具合だとプライベート感のあるテントの方が寝心地がいいのではないか。そもそも僕はテントが好きなので、テント泊のマチャメの方に惹かれた。

これは僕が決めることではなくて皆で相談する事項なので、回ったツアー会社では値切り交渉のみを進めて値段とサービス内容を持ち帰り、皆が日本から来るのを待った。その時点で僕の中で有力だった2社は

・キリクライマーズ(kili climbers)
・マタタ(matata)

最も安かったのはマタタ。だた、オフィスに書いてある情報ノートを見る限り「安かろう、悪かろう」ってな感じ。ちなみに交渉後でマラング5日コースが1人733ドル、マチャメ6日コースが1人800ドル(2012年2月15日交渉)。

個人的に印象が良かったのがキリクライマーズ。ザンジバル島で出会った韓国人のソンが、僕がモシに向かって自転車をこぎこぎしている間にこの会社を使って登頂している。つい数日前に下山してきた友人による最新情報が「とても良かった」だったのは大きい。オーナーのジャスパーも信用出来る様子だった。交渉後でマラング5日コースが1人850ドル、マチャメ6日コースが1人850ドル。マチャメを中心に話していたからか、マラングの値段を下げてくれなかった(2012年2月15日交渉)。

そんな感じで一通りの交渉を終えて一息ついた。最終的には皆が来た後で相談して決めることになる。ゆっくり休みつつ友が来るのを待とうというときに、上記のキリクライマーズのジャスパーから提案があった。「マラングにあるうちの家で1泊したらどうだ?無料でいい。」と。

それは僕らがキリマンジャロツアーをキリクライマーズに選ぶというなら話は分かる。ただ、まだ決めていない状況でのその提案は訝しむのが普通。するとジャスパーが畳みかけるように言ってくる。「最終的にキリマンジャロツアーをキリクライマーズに決めなくてもいい。ただ、うちのサービスを味わってもらって判断材料にするのは悪くないだろう。」と。

無料で泊まることで僕に精神的な引け目が出来るので、キリクライマーズを選ぶことになるという魂胆かな。それでも悪い話ではないと思ったし、その時点で有力候補だったキリクライマーズを調査するという意味では価値がある。なんせ850ドル×4人分を支払うかもしれないのだ。話に乗ってみることにした。

こんな経緯で友が来る前日の16日はマラングへ行き、ジャスパーの家に泊まった。ってか家と言っていたけどロッジであり、個室だった。散歩して周りの人にジャスパーのことを聞いていみると、悪く言う人はいない。少なくとも詐欺師ではないことは分かったし、相当なお金を持っていることも分かった。預けている荷物を盗むなどという、はした金を求める悪行をやることもなさそうだ。信頼を積み重ねて客を呼ぶ真っ当なビジネスをやっている様子だった。

早めに現地入りして情報収集という任務を全うした1週間は、僕にとってちょうど良い休息となった。後はただ、友が来るのを待つだけだった。

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アルーシャにて。男の人が路上で裁縫しているのをよく見かける。

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泊まっていた宿はキツンドゥ(Kitundu)。15000シリング(約750円)。後に泊まるアルーシャバックパッカーの方が朝食が豪華なので、そちらを薦める。部屋はこちらの方が広い。

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道路脇で売られている炭。

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Krestは炭酸のレモンジュースである。

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放牧しているマサイ。

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キリマンジャロ国立公園は世界遺産に認定されている。

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サンブサとケバブとスープ。4000シリング(約200円)。

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ワリ(ご飯)のセット。2500シリング(125円)。タンザニアのご飯はなかなか美味しい。

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アルーシャで出会ったカヨコさんと、モシでも一緒の宿に泊まった。

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ジャスパーの家があるマラングへやって来た。麓のトレッキングに参加。

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ポーランド人の親子と一緒。

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部族ごとに家が違う。

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博物館ではいろいろと実演してくれる。

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こちらは楽器。

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バナナ酒。

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一杯2000シリング(約100円)。

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おばちゃんらと和む。

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バナナらしさはあまりない。可もなく不可もなく。

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豪華な夕食をつけてくれた。

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こちらが泊めてもらった部屋。

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ポーランド人の親子は今日からキリマンジャロに登るようだ。僕は今日友人らと合流する。

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モシへ戻って友を待つ。

キリマンジャロ登頂への道

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管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。