当記事では、自転車旅の魅力と向いている人、自転車旅の体力に合わせたスケジュールの組み方、準備する装備と予算、おすすめのツーリングコースをお伝えします。
僕は2004年から自転車旅を本格的にはじめ、2005年に自転車日本一周をしました。2009年から2012年に自転車世界一周に旅立ち、北アメリカ、南アメリカ、アジア、ヨーロッパ、アフリカを走りました。総走行距離は40,000kmを超えます。
サークルで数多くのツーリング企画を立てたので、述べ100人を超える自転車初心者をツーリングに連れていった経験があります。
その経験を踏まえ、以下のように順を追って、自転車旅をまとめます。
2.自転車旅の費用(準備編・旅行時)
3.自転車旅のルート設定の方法(近場・遠方)
4.自転車旅のスタイル(人数・宿泊方法、稼ぐ)
5.自転車旅に必要なおすすめの装備
6.日本国内のおすすめツーリングルート
自転車旅を面白そうと感じた方が、一歩を踏み出すきっかけとなれば嬉しいです。
1.自転車旅の魅力
自転車旅の魅力は「達成感」にあります。
自分の足でペダルを回して移動するので、走った!!!という達成感こそが一言で表せる言葉です。
ただ達成感だけが自転車旅の魅力ではありません。
電車や車での旅との比較をしたときに、自転車旅の魅力が浮かび上がります。4つのメリットと4つのデメリットをまとめました。
自転車旅の4つのメリット
自転車旅のメリットを4つ挙げます。
・良い景色で立ち止まれる。写真が撮れる
・判断が常に問われる刺激
・旅の費用が安い(準備費用は別)
自転車旅は出会いが多いです。特に話しかけられることが多く、自分から声をかけなくても出会いが増えていく特徴があります。
差し入れをしてもらったり、ごちそうしてもらう、泊めてもらうということが頻繁に発生します。
電車や車だと良い景色が一瞬で過ぎてしまいますが、自転車だと立ち止まって堪能できますし、写真も撮れます。
良さそうな店だから入ってみようとか、やっばり海に向かおうと、自由に自分の動きを決められるのは最高です。
「雨がパラパラ降ってきた!立ち止まって雨具を着る?着ない??」
「今日はこの森の中でテントを張る?それともホテルに泊まる?」
自転車旅では常に選択を求められます。ある程度ルーティーン化した日常とは違い、自分で決断して自分で責任を取ることが刺激的です。
自転車旅は移動費がかかりません。さらに野宿をすると、宿泊費もかかりません。外食ではなく、自炊すると食費も抑えられます。
他の旅行と比べると、1日あたりの旅の費用は安いです。
自転車旅のデメリット
自転車旅の4つのデメリットを挙げます。
・装備にお金がかかる
・トラブル対処能力が必要
・旅の日数が長くなりがち
自転車旅は行ける観光地の数が減ります。
車や電車と比べて移動速度が遅いので、当然です。移動そのものを楽しむ旅になります。
メリットの方に、旅のお金が安いと書きました。デメリットとして、自転車の装備にお金がかかります。
どの程度の装備を揃えるかで予算が変わるので、後述します。
トラブルの対処能力が必要です。例えば自転車のチェーンが外れた!パンクした!などといったことが起きます。
さまざまなことが起こり得るので、対処していかねばなりません。
旅の日数が長くなりがちなのもデメリットでしょう。
移動速度が早くないので、ある程度の日数が欲しくなります。
もちろん1泊2日などで行くこともできますが、せっかく行くなら2泊、できれば3泊とより長い時間を確保したくなります。
自転車旅に体力は必要ない
自転車旅の魅力を聞いて、やってみたいという人が良く言う言葉が「体力がない」
自転車旅に体力は必要ありません。
自転車旅は自由で、自分が好きなだけ漕げばいいのです。
海外で頻繁に欧米人の自転車乗りに会いました。40歳以上の人も多く、60歳を超える人もたくさんいました。
彼らは自分が好きなペースで進み、無理なく旅をしています。体力に自信がなければ、短い距離でスケジュールを組むだけです。
2.自転車旅にかかる予算と費用
自転車旅をやるとなったら、お金がいくら必要なのか気になるところですよね。
どのレベルの装備を、どこまでしっかり揃えるかによって変わります。
どのようなものが必要なのかを知ってもらうために、自転車世界一周のときの持ち物リストの一部を画像で紹介します。すべてを見たい方は下の記事を見てください。
上のリストは海外自転車旅+オールシーズンの装備になります。これらの大半は初めて自転車旅をする人に必要ありません。
自転車旅を始める方にまずおすすめするのが、1泊~2泊のホテル宿泊ツーリングです。
そのための装備を揃えて自転車旅を体験してみてから、テント泊のキャンプ旅にステップアップすると良いでしょう。
自転車旅をはじめるための装備予算と費用
1泊~2泊のホテル宿泊ツーリングをするにあたっての必須装備を考えてみましょう。
まったく何も装備を持っておらず、すべてを1から揃えるとします。
結論から言うと、自転車旅をはじめるために最低60,000円程度は必要です。
以下のリストが最低限必要な装備です。
逆に言えば、はじめに揃えるのは必要最小限に抑え、自転車旅デビューしてみることをおすすめします。
装備 | 価格 | 補足 |
---|---|---|
自転車 | 40,000円~150,000円 | ママチャリはおすすめしません |
キャリア(荷台) | 3,000円~20,000円 | よく壊れるので重要 |
サイドバッグ | 5,000円~20,000円 | 完全防水がおすすめ |
ヘルメット | 2,000円~8,000円 | 自分の頭に合うものがベスト |
雨具 | 1,000円~30,000円 | 上と下のセパレートタイプがおすすめ |
僕が1泊以上の企画に自転車旅初心者を連れて行くとき、上記の装備は用意してもらいます。
それぞれの詳細な選び方については後述します。
装備を揃えたあとの旅費
自転車の装備を揃えました。
自転車旅の費用はいくら程度かかるのでしょうか?
自宅出発自宅ゴールの2泊のホテル宿泊ツーリングを考えてみます。
項目 | 価格 | 補足 |
---|---|---|
宿泊(1泊) | 2,000円~15,000円 | 漫画喫茶・ゲストハウス・スーパー銭湯だと安いです |
食事(1食) | 300円~2,000円 | ご飯がガソリンなので、しっかり食べましょう |
水分・軽食(1日) | 0円~1,000円 | 水道水を飲めば無料。ポカリなどを買えば有料。 |
観光(1日) | 0円~2,000円 | 自転車の移動を楽しむスタイルだと安価です |
安宿に泊まる3,000円、食事は1,000円/回、観光は寺があったら入るくらいで500円/日だとします。
すると2泊3日の自転車旅は15,500円(3,000円×2泊、1,000円×8回、500円×3日)です。
3.自転車旅のルートの考え方
僕が数多くの自転車ツーリング企画を立ててきた経験上、運動をしたことがない女子がメンバーにいても、一日走行距離40kmは可能です。
信号で止まることを考慮に入れると、自転車移動の平均速度は12km~20km/hです。なので遅くても3時間くらい自転車を漕ぐと40km進みます。
1日の中で、休憩や観光をしながら、3時間ほど自転車に乗ると40km程度進むと考えてください。
自転車に乗る時間を増やすほど、移動距離は伸びます。
しかし、はじめはよく分からないはずなので、一日走行距離40kmでルートを設定すると良いでしょう。
走行距離感覚が掴めたら、距離を短くしたり伸ばしたり調整できるようになります。
僕がルート検討の際には、国内でも海外でも地図を見ます。国内だとツーリングマップルというバイク用の地図が、観光地・食事処・温泉などの掲載があり、おすすめです。
北海等・東北・関東甲信越・中部北陸・関西・中国四国・九州沖縄とエリアごとに分かれているので、自分が住んでいるエリアのものを購入してみると良いでしょう。
僕は走ったルートに線を引いたり、自分が訪れた場所情報のメモを残しています。また、観光地に置いてあるハンコを押したオリジナルマップルは、思い出の宝物です。
自宅出発、自宅ゴールの場合
自宅出発の自宅ゴールのルートを考えてみましょう。
まずは旅の一日走行距離を決めます。たくさん漕ぎたい気分なのか、のんびり旅なのかで変わります。
4連休で一日走行距離を60kmにするならば、4日間で240kmになります。そして、地図を見て自宅から240km走るルートを探してみます。
メインで行きたいところを1つ決めると、自然にルートが見えてきます。
例えばアナタが関東在住だとして、今回は江ノ島を目指す!と決めると、ルートがなんとなく決まってきます。
まず自宅から江ノ島までの往復の距離を調べ、寄り道がどの程度できるのか把握します。
次に自宅と江ノ島の間で面白そうなところを探し、4日間のスケジュールの目安を作ります。
最後に泊まる場所を調べ、候補地を見繕います。
自転車を輪行して遠出する場合
自転車の「輪行」をご存知でしょうか?
輪行袋に自転車を入れて、電車や飛行機に乗せます。船は輪行せずに載せられることが多いです。
輪行を使うと自転車旅のルート選びのバリエーションが豊富になります。
下の写真の女性が右肩に担いでいるものが、輪行袋に入れた自転車です。
「自宅出発 → ゴール → 電車で帰宅」という動きや、「電車で移動 → ツーリング → ゴール → 電車で帰宅」なども可能です。
ゴール地点で自転車を自宅に郵送し、荷物を減らして帰るということも許されます。
郵送+郵送という技もあり、沖縄を自転車旅したときに使いました。あらかじめ沖縄のクロネコヤマトの営業所に自転車を送っておき、ゴール地点付近の営業所から自宅に自転車を送りました。
4.自転車旅のスタイル・やり方
自転車旅の概要が掴めてきたでしょうか?
自転車旅の魅力、費用、ルート設定について書きました。
自転車旅のスタイル・やり方についてまとめていきます。
1人旅なのか友達や仲間と行くのか?
自転車旅を1人でするのか、友人や仲間とするのか?
僕はどちらも好きです。
1人旅の魅力は「自由度の高さ」と「出会いの多さ」でしょう。
友人や仲間と行く魅力は「楽しさ・喜び・辛さ・達成感の共有」でしょう。
どちらにも魅力があり、一長一短があります。
ここでは複数人で行く場合の注意事項を書いておきます。
休憩時間が伸びる、予定外の場所で楽しくなって時間が過ぎてしまう、トラブルが発生する、といったことが起きます。
一日走行距離を短く設定し、ルートを柔軟に用意しておくといった配慮が必要があると、旅が円滑です。
移動距離が短くなりがちですが、みんなでの自転車旅はかけがえのない時間になります。
ホテルや旅館に泊まるのか?テントを張って野宿をするか?
自転車旅を旅行に寄せるか、アウトドア(キャンプ方面)に寄せるか、というスタイルの違いがあります。
デビューは旅行に寄せた方が、自転車を漕いで移動する喜びが味わいやすいし、無理が少ないと思います。(※アウトドアに慣れていない人)
しかし、テントを張ってキャンプをしたり、調理器具を持ってご飯を作るといった、アウドドアに寄せていくのはおすすめです。
生きる力がレベルアップした心地になります。
テント泊にもレベルがあり、
2.交渉して私有地にテントを張る
3.森でテントを張る
4.土管の中でテントを張る
5.砂漠でテントを張る
6.塩湖でテントを張る
7.常人には想像がつかない場所でテントを張る
海外ではよく森でテントを張っていました。どんな場所で野宿をしていたかをまとめた記事を紹介します。
ボリビアのウユニ塩湖でテントを張ったときの写真も自慢しておきます。
調理器具を持って自炊するのもおすすめです。キャンプで美味しいご飯を食べることができます。
旅で稼ぐ方法やスポンサーをつける旅
自転車旅をしている人の中には、稼ぎながら旅をしたり、スポンサーをつける人がいます。
・雑誌やウェブメディアで連載を持つ
・スポンサーに物資等を支援してもらう
・講演会を開催する
「旅で稼ぐ」や「スポンサーをつける」ことは自転車旅初心者や経験者というよりも、アイディアや企画力に依ります。
ここに挑戦したい場合は、策を練りましょう。
5.自転車旅に必要なおすすめの装備
今までのトピックを読んで、自転車旅をはじめてみる!という方に、具体的な装備と選び方を紹介していきます。
2.自転車旅の費用(準備編・旅行時)
3.自転車旅のルート設定の方法(近場・遠方)
4.自転車旅のスタイル(人数・宿泊方法、稼ぐ)
自転車旅での荷物の積み方と総重量
まずは自転車にどのように荷物を積むのかを見てもらいたいと思います。
下の写真が自転車日本一周時の荷物の積み方です。総重量は20kg程度でした(内訳:自転車12kg+荷物8kg)。
自転車の後ろにキャリア(荷台)をつけ、リアキャリアの左右にサイドバッグ(パニアバッグ)を引っ掛け、リアキャリアの上に荷物を載せます。
また、ハンドルの前にフロントバッグをつけています。
国内ツーリングの場合、日本一周くらいの積載量があれば十分です。
自転車世界一周時の荷物の積み方も、参考に紹介します。総重量は50kg程度でした(内訳:自転車20kg+荷物30kg)。
日本一周時と比較すると、自転車の前にもキャリアをつけ、フロントキャリアの左右にサイドバッグ、前キャリアの上にも荷物を載せています。
より多くの荷物を載せたい海外ツーリングや長期ツーリングの場合には、上記のような装備になります。
自転車選びの方法
結論としては、どんな自転車でも良いので、自分が気に入った自転車に乗ることがおすすめです。
持っている自転車を使うのがもっとも経済的ですよね。まずは持っている自転車で旅ができるかを考えてみましょう。
自転車旅はママチャリでもできますし、ママチャリで日本縦断した友人もいます。
ただしママチャリは圧倒的にしんどいです。自転車旅用に新しく自転車を買うならば、マウンテンバイク、ロードバイク、クロスバイク、ランドナーなどの方が良いでしょう。
その中でも荷物の積載をする自転車ツーリングでは、ランドナーやマウンテンバイクが用途に合っています。
自転車旅におすすめのモデル
デザイン等々あり、選ぶのが大変な自転車ですが、おすすめのものが2つあります。
おすすめの旅用自転車の1つはJIANT(ジャイアント)が出しているGREAT JOURNEY(グレートジャーニー)。
旅する自転車として開発されており、キャリアやバッグがセットになって100,000円はコスパ良しです。
日本一周や世界一周で使っている人も多いです。
おすすめの旅用自転車のもう1つはSurly(サーリー)が出しているLONG HAUL TRUCKER(ロングホールトラッカー)。
世界一周しているチャリダー(自転車乗り)の半分はサーリーのロングホールトラッカーに乗っています。
僕もロングホールトラッカーに乗っていましたし、オランダで自転車盗難のあとにもロングホールトラッカーを再び購入してアフリカ大陸へ向かいました。
自転車本体のみで18万円程度しますが、今後たくさん乗るならおすすめです。
折れにくいキャリア(荷台)
キャリアは荷物を運ぶために必須で、荷物の重みと振動の負荷がかかり続ける超重要装備です。
キャリア自体が折れたり、キャリアと自転車を繋ぐダボ穴が折れるトラブルは頻繁に起きます。
値段が安いもので丈夫なのがミノウラのキャリア。3,000円程度にも関わらず、自転車日本一周で活躍しました。
値段は高いですが、tubesのキャリアは信用できます。自転車世界一周のときに使っていました。悪路でも折れていません。(自転車盗難後はサーリーの純正キャリアを使用)
完全防水ワンタッチ脱着サイドバッグ(パニアバッグ)
サイドバッグは完全防水のオルトリーブのものがおすすめすぎて、他のものを紹介する気になりません。キャリアへの脱着がワンタッチで可能なのも便利すぎます。
昔は防水でないバッグに防水カバーをつけたり、バッグをゴミ袋で包むなどといったこともやりましたが、よくやっていたなと思います。
雨が降ってきたときに、自転車を泊めて防水対策をするのは面倒すぎるのは、自転車に乗ると分かります。雨具を出すことすら億劫なのに・・・
ちょっと値段が高いなと感じた人も、投資のしどころです。完全防水のありがたみは圧倒的です。
いろいろなカラーやデザインがあります。
貴重品やカメラ入れに便利なフロントバッグ(ハンドルバッグ)
ハンドルの前につけるバッグです。
僕は貴重品やカメラを入れ、自転車を置いて店に行くときなどに持ち歩いていました。
あると便利です。フロントバッグもオルトリーブの完全防水がおすすめです。
パンクしにくくコスパ良いタイヤ
タイヤは自分の自転車についているものでも良いですが、交換するならシュワルベのマラソンがパンクしにくいです。
特にマラソンプラスはタイヤの内側にパンク防止カバーがついており、海外でも滅多にパンクしません(その分重いので注意)。
長持ちする点も優れていて、10,000km走ったという報告もざらです。
SCHWALBE(シュワルベ) 【正規品】マラソンプラス 26x1.50 クリンチャータイヤ 【ツアー・ツーリング・街乗り】
安全のためのフロントライト+リアライト
トンネルを通るとき、夕暮れになってしまったとき、ライトは必須です。
車から自転車は思った以上に見えておらず、特に夕暮れ時は事故が多いのでライトを点滅させましょう。
フロントとリア、どちらもつけて安全確保に万全を機した方がいいです。知らない間に消えていることもあるので、僕はリアライトを3つつけています。
40,000kmを走って事故がない理由の1つだと思っています。
どれでも良いと思いますが、僕はキャットアイのものを使い続けています。
ヘッドライトを自転車ライトと併用して使うと、さらに安全性が増します。キャンプするなら必須なので、合わせて用意しておきましょう。
おすすめはペツル(PETZL)のティカシリーズです。
おすすめチューブ・パンク修理セット・六角レンチ
自転車はパンクするときがあります。
パンク修理が不慣れときは、替えチューブを持っていき、穴が空いたチューブは家でパンク修理するのが良いと思います。
タイヤを外す道具のタイヤレバーとパンク修理セットはパナレーサーがおすすめです。
替えチューブはシュワルベのもの、バルブは仏式が空気が漏れにくくて良いです。
自転車用の基本工具として、六角レンチも持っておきたいところです。携帯用のマルチツールがおすすめです。
力を入れやすい携帯空気入れ
パンクした際に必須の空気入れ。
タイヤの空気圧は走行感に直結するので、まめに空気を入れた方が快適に乗れます。
携帯空気入れにも関わらず、地面に置いて空気を入れられる以下の商品がめちゃくちゃおすすめです。力が入りやすいので楽なんです。
サイクルウェア・レインウェア(雨具)・サポートタイツ
サイクルウェアに関して、僕はこだわりがありません。持っているサッカーウェアやカヌーツーリングのときに使うドライTシャツなどを使っていました。
身体にぴっちりとしたサイクルウェアのほうが空気抵抗が少なく、速乾性もあり良いと思いますが、持っている服を使って安く済ませるのもアリです。
レインウェア(雨具)は上下がセパレートしたものが、漕いでいるときに濡れなくてベター。はじめは持っているものを使えば良いと思います。
僕はモンベルのサイクルレインジャケットとサイクルレインパンツを使っており、ゴアテックスなので蒸れにくくて良いです。ただし高価です。
お尻がいたくなるので、サイクルパンツもあるに越したことはありません。僕はパールイズミのものを使っています。
はじめから用意する必要はありませんが、サポートタイツのワコールのCW-Xは筋肉疲労や膝痛軽減として超優秀でおすすめです。
その他おすすめ自転車用品・旅行カメラ
ヘルメットは頭へのフィット感が大事なので、かぶって決めることがおすすめです。
輪行するとき必要な輪行袋はオーストリッチのものを使っています。昔は10,000円近い値段だったのに、今は5,000円程度になりました。
サイクルコンピュータはつけると楽しいので、買っておきましょう。1,500円もあれば手に入ります。
自転車旅では一眼レフはかさばるし重いです。おすすめのコンデジはリコーのGRシリーズになります。星空やオーロラも撮れますよ。
テント・キャンプ用品の選び方
自転車旅をアウトドア寄りにステップアップさせたくなったら、テントやキャンプ用品が必要になります。
僕は自転車世界一周でアウトドア旅をしてきた他に、登山やカヌーなどでも国内・海外でキャンプ生活をしてきました。
その経験の中でおすすめのキャンプ用品を紹介していきます。
基本的にアウトドアグッズは「軽さ」と「丈夫さ」が重要視されており、この2つを両立させるために値段が高くなります。
ガチ登山(ガチアウトドア)ではより軽く軽く軽くとなりますが、自転車旅のキャンプだと、そこそこ軽い、そこそこ丈夫で、高価ではないコスパの良いものを選びます。
値段重視の安いアウトドアグッズと、長く使う前提で他のアウトドアでも使えるおすすめのアウトドアグッズ、の2種類を紹介していきます。
安いテントとおすすめテント
自転車旅のテントは、自転車に積載する荷物を入れる分、やや大きめが便利です。まずは安いものでデビューしてみたい方は、キャプテンスタッグの5,000円程度のテントで良いでしょう。
3人用と書いてありますが、2人がちょうど良いサイズで、1人だとゆったりです。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) テント クレセント ドームテント M-3105 ドーム型 3人用 防水 軽量・コ...
長く使っていきたいなら、モンベルのムーンライトテント2型がおすすめです。軽くて丈夫なので、登山などのガチアウトドアでも使えます。
安いキャンプマットとおすすめのエアーマット
テント泊ではマットが必須です。
僕は銀マットと呼ばれるマットをテント内に敷き、寝る場所にはキャンプマットもしくはエアーマットを敷いています。
キャンプマットの安いものはキャプテンスタッグの折り畳めるものが好きです。
かさばるので自転車旅の場合はリアキャリアの上に載せていました。今は次に紹介するエアーマットを持って行きます。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) キャンプマット 1人用 レジャーシート EVA フォーム マット シングル 5...
かさばるのが嫌だという方はエアーマットが良いでしょう。サーマレストのプロライトプラスを使っており、空気が抜けにくくておすすめです。
キャンプ中に雨は降って停滞するときなど、椅子が欲しくなります。
サーマレストのエアーマットを座椅子にできるトレッカーチェアのものも持っており、重宝しています。
化繊の寝袋とダウンの寝袋
寝袋は安いものだと3,000円程度。軽さを求めてダウンにすると10,000円程度になります。
化繊は重くてかさばりますが、洗いやすい利点があります。ダウンは軽くてコンパクトですが、水に弱いです。
どちらも春~秋くらいのシーズンで使うものと考えたほうが良いでしょう。冬のキャンプはもうワンランク上の寝袋を使いたいところです。
アウトドア調理器具
キャンプで調理もやってみたい!となると、調理器具が必要です。
ガス缶とコンロ的な役割を果たすバーナー。それに加えてコッヘルと呼ばれる食器が必要になります。
僕はプリムスで揃えています。
火をウインドスクリーンで囲うと、熱効率が結構あがるのでおすすめです。
まな板や100円均一のプラスチックのペラペラのものを持っていき、包丁はビクトリノックスのアーミーナイフを使っています。
VICTORINOX(ビクトリノックス) スーパーティンカー 保証書付 1.4703 (旧名称:トラベラーPD)【日本正規品】
6.日本国内のおすすめツーリングルート
自転車旅をはじめる方は、まずは自宅近辺から始めることをおすすめしました。
ステップアップし、遠征したり、長期で出かけるようになっていくはずです。
そんなときに参考にして欲しい、自転車で日本国内を巡った僕のおすすめツーリングルートを紹介します。
北海道:網走~屈斜路湖と旭川~宗谷岬【初心者向き】
北海道は自転車旅にふさわしい大地です。
広がる景色に、旅人に優しい道民、おいしい野菜と魚が待っています。
2つのおすすめルートがあり、1つは旭川から日本最北端の宗谷岬を目指すルート。自転車乗りは岬が好きといいますが、最北端に到達する達成感は最高です。
もう1つのおすすめルートは網走~屈斜路湖です。道中の景色や、屈斜路湖の周りを走る気持ちよさ、湧いている温泉に入る喜びは忘れられません。
関東:日光~中禅寺湖~草津温泉~渋峠~長野【上級者向き】
日光からいろは坂を登り、中禅寺湖へ。草津を経由し、日本の国道で標高が一番高い渋峠を抜けて長野市へ降りるルート。
ちょっとハードですが、日光での観光、いろは坂を登る達成感、中禅寺湖の景色、草津の温泉、渋峠の制覇感と盛りだくさんです。どこかを切り取っても良いと思います。
秋だと紅葉が美しく、さらにおすすめ!!
関東:箱根駅伝を自転車で走ってみようルート【初心者~中級者向き】
東京大手町の読売新聞社前から、箱根まで走るルートです。
箱根駅伝を見たことがあるとテンション上がりますし、今後の人生で箱根駅伝が楽しくなるというおまけが付いてきます。
僕が行ったときは静岡側の三島まで降りて、自転車を輪行して電車で東京へ帰りました。
体力に自信がない方は、箱根の麓である箱根湯本までにすると良いと思います。
中部:富士山の5合目へ行ってみようルート【中級者向き】
静岡の御殿場から富士山5合目まで登りました。
バスで富士山の5合目まで行く人たちから声援をひたすら受けられる、という特典がついてきます。
しんどいですが、達成感は半端ないです。
中部:松本から乗鞍岳を目指すルート【上級者向き】
日本の道路で一番標高が高いところを知っていますか?
それは中部山岳国立公園の乗鞍岳畳平です。標高は2,702m。
自転車乗りなら目指してみたいよね、と長野県の松本から登ってきました。
九州:福岡~太宰府~別府~福岡【初心者向き】
九州北部をぐるっと一周するルート。
ごはんが美味しいし、ところどころに観光スポットがあるし、別府温泉にも入れて楽しいです。
沖縄:本島中央部一周ルート【初心者向き】
沖縄の本島を巡るルート。
短い距離に観光スポットが点在しており、海も美しいです。
沖縄本島は自転車で回るのが一番楽しいと思っています。
自転車日本一周のやり方【大学生向き】
僕は大学生の夏休みに自転車日本一周をしました。
そのノウハウは以下の記事にまとめたので、もしもやってみたい方がいたら参考にして欲しいです。
海外自転車旅のおすすめ場所
今はまだ自転車旅初心者だけど、いつかは海外で漕いでみたいという人向けに、海外の自転車旅おすすめ場所をまとめた記事を紹介します。
7.おすすめの自転車漫画
当記事の最後におすすめの自転車漫画を紹介します。
漫画でテンションを上げて、自転車旅にはずみをつけましょう!
のりりん
自転車のことに詳しくなれる漫画として「のりりん」を挙げます。
いい感じに学べるので是非。
弱虫ペダル
自転車漫画といえば弱虫ペダル。
キャラが立っており、素晴らしく面白いです。弱虫ペダルを読んでから自転車を漕ぐと、歌を口ずさみたくなります!
ゆるキャン
ゆるキャンは自転車漫画ではなく、キャンプ漫画です。
ゆるいキャンプ、はゆるキャン。
ほのぼのした女子高校生たちのキャンプを見ていると、自転車旅とキャンプの掛け合わせをやりたくなるはずです。
以上、初心者向けの「世界一周チャリダーが教える自転車旅の始め方」でした。
自転車旅を好きな人が増えると喜びます。
ちゃお!