[チベット旅行]6.標高4000mの高所サイクリングと野営

週末が過ぎて月曜日が訪れた。ここ数日に引き続き天気は上々。相変わらず風は強く、自転車で漕ぐときにどちらの方向から風が吹くのかは気がかりであった。

朝一番に3人でビザの延長を申し込み行く。9時を数分過ぎた頃にオフィスの雨戸ががらがらと上がった。幾つかの書類に記入をし、160元(約2100円)を銀行にて支払う。手続きを終えると16時にまた来てくれと言われた。出来る限りの力を尽くして今日ビザを発行するが明日になるかもしれない、とのこと。交通機関のチケットは買わないようにと言われた。

今日ビザを受け取れる場合も、明日の場合も、タイムリミットは今日から30日間の3月27日まで。さあ、どこまで行けるのか。ビザ受け取りまでの時間に食糧の買い込みやパッキングをして、もしも本日ビザを受け取れた場合はそのまま少しでも進もうと思った。康定からはひたすら上りが続き、標高4000mを超えるのだ。高度順応の意味も込めて標高3000mを過ぎたあたりで一泊しようと思った。

16時にオフィスへ行くとビザが出来ていた。今からチベットへの本格的な旅が始まるのだ、と3人でハイタッチをして喜びを露わにした。自転車のパッキングはしてあったものの、お世話になった宿のチベット人たちと連絡先の交換や別れを告げ出発したのは17時頃。康定からはやはりひたすらに上りが続き、19時を回って薄暗くなり始めたころにキャンプする場所を決めた。

テントを張るのがいまいちな傾斜面だったため、始めはマットを敷いて横になった。ご飯はカップラーメンで、魔法瓶に入っていたお湯を注ぐだけ。そのため20時半には眠りについたと思う。が、22時くらいだろうか。かなりの寒さで目が覚めた。これは嫌な予感がする、とテントを急いで設営。一旦寝袋から出るのが億劫で仕方なかった。そして再び床についた。

夜に寒さで何度も目が覚める。成都のユニクロで購入したヒートテックを含めた長袖下着を着ていなかったので、まだ防寒グッズはあったのだが、いかんせん寝袋から出て裸になると考えるだけで我慢しようという気になる。そのままうとうとを繰り返しながら夜明けを迎えた。

朝目覚めてテントを開けようとしてみるとバリバリという音がする。ん?おお!テントが凍っている。正確にはフライシートに霜が降りている。こりゃ確実に氷点下だったな。そして落ちているペットボトルを見ると、中に入っていた水が氷になっていた。ヘルメットの内側も凍っているし。雪を見てはしゃいでいた子供のときのような感覚で、なんとも愉快であった。

僕がチベットに期待していたのは、まず景色。次に3000mを超える高所サイクリング。最後にチベット文化なのである。チベット自治区には入っていないものの、もうここはチベット文化圏。2番目にあたる高所サイクリングについて、我が意を得たとばかりに実感したのだ。

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チベットの道

[チベット]1.全ては始まった
[チベット]2.まさか再び会えるとは
[チベット]3.何が足りないのかが分かった
[チベット]4.そうは問屋が卸さない
[チベット]5.必要な時間
[チベット]6.チベットとはこんなところだよ
[チベット]7.風邪+高山病+峠+夢
[チベット]8.警察に連れて行かれた
[チベット]9.思い込み
[チベット]10.標高4000mにて絶景の道
[チベット]11.チベット人の家に泊めてもらう
[チベット]12.出発して5分後にチベット人の家に招かれる
[チベット]13.鳥葬を見て死を想う
[チベット]14.勇気ある撤退と旅のパートナー
[チベット]15.チベット人の結婚式に参加
[チベット]16.浴室に泊まる
[チベット]17.チベットの家づくりに参加
[チベット]18.チベットの学校潜入







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管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。