どーも。今年狩猟免許を取得した自然人タカ(@viatortaka)です。
環境省は2015年度の税制改正で、都道府県がハンターから徴収する狩猟税の廃止を総務省に要望する方針を決めた。
・環境省:狩猟税廃止を要望へ 作物被害でハンター増狙う(毎日新聞)
シカやイノシシなど野生鳥獣による農作物被害が全国で深刻化する一方、ハンターはこの40年間で激減し、高齢化も進んでいる。金銭的負担を軽くすることでハンター増加につなげる狙いだ。
税収は全国で計17億円(12年度)に上り、シカやイノシシの防護柵設置など有害鳥獣対策に充てられている。このため、廃止には都道府県の反発も予想される。
野生鳥獣による全国の農作物被害は09年度以降年間200億円を超し、12年度は230億円に上った。高山帯の花畑が食害で消失した例も報告されている。環境省の推計によると、11年度のイノシシの個体数は約88万頭で20年前の約3倍。ニホンジカ(北海道を除く)は約261万頭と約7倍に増え、このままでは、25年度に約500万頭までさらに倍増する見通しという。
環1975年度に52万人いた国内のハンターは00年代以降、20万人前後で推移。60歳以上の割合は9%から66%に上昇し、高齢化に直面している。
狩猟免許保持者数と有害捕獲等による主な鳥獣の捕獲数
狩猟免許保持者数のデータは環境省のウェブサイトにある。
狩猟免許保持者数は1975年に518,000人。2010年に190,000人。35年で半減以上の大幅減となっている。
それならば有害鳥獣(イノシシとシカ)の捕獲数も大幅減しているのだろうと思うが、そんなことはない。
イノシシの捕獲数は1975年に72,500頭。2010年に477,700頭。35年で6倍を上回る捕獲数となっている。
シカの捕獲数は1975年に13,700頭。2010年に383,100頭。35年で約28倍の捕獲数となっている。
ハンターは半分以下になっているのに、イノシシとシカの捕獲数が増えまくり!!!
ちなみに「過去12年」のイノシシとシカの捕獲数のグラフ。
統計処理によるイノシシとシカの個体数推定
1975年と比べて2010年のイノシシの捕獲数は6倍以上、シカの捕獲数は約28倍となっていれば、イノシシやシカの個体数は減ってるんじゃないの?
そんな疑問が浮かび上がる。しかし・・・
増えている!!!!!
全国のイノシシの個体数
1989~2011年度までの捕獲数を用いて推定を行ったところ、全国のイノシシの個体数は、中央値で88万頭(2011年度)となった。
全国のニホンジカ(北海道除く)の個体数
1989~2011年度までの捕獲数を用いて推定を行ったところ全国のニホンジカ(北海道除く)の個体数は、中央値で261万頭(2011年度)となった。
冒頭のニュース記事に載っていたことを改めて引用。
11年度のイノシシの個体数は約88万頭で20年前の約3倍。ニホンジカ(北海道を除く)は約261万頭と約7倍に増え、このままでは、25年度に約500万頭までさらに倍増する見通しという。
野生鳥獣による農作物被害額
ハンターは半減したものの、イノシシとシカの捕獲数は激増。しかしイノシシとシカの個体数は増加の一途。
当然、有害鳥獣による農作物被害額も増加しつづけている。
・鳥獣被害対策の現状と課題(農林水産省)
全国の農作物被害は09年度以降年間200億円を超し、12年度は230億円に上っている。
猟師の圧倒的不足
ハンターは不足している。
僕が住んでいる地域でもイノシシとシカだらけ。田畑はほぼすべて柵で囲まれている。そして今年狩猟免許を取得した。
命と向き合い、捨てられているジビエ肉をどうにかしたいと思う。
狩猟関係のおすすめの本と漫画
ぼくは猟師になった
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千松さんは狩猟サミット2014の講師。
狩猟サバイバル
感想を書いたよ!
マタギ 矛盾なき労働と食文化
2013年に読んだ160冊の中から選ぶおすすめ本ランキングの15位。
山賊ダイアリー
こちらも感想を書いたよ!
・狩猟漫画の山賊ダイアリーとブログちはるの森が面白くてかなわん!!
ちゃお!
野生動物の最大の敵は天候です。
厳しい冬が来なければ凍え死ぬこともありません。
鳥獣が本当に増えているのならその理由をもっと明確に探ることが先決では…
そうですね。僕は研究者ではなく一狩猟者なので、そのあたりは学者に任せます。