「えんとつ町のプペル展 in 新城」と「魔法のコンパス」から考える常識の先【感想・レビュー】

どーも。つまらない人生を過ごしたくない会代表の自由侍タカ(@viatortaka)です。

キングコングの西野亮廣さんが面白い。芸能人だから、ということではなく、その生き様・考え方が斬新なのだ。僕が住んでいる愛知県新城市でトークショーがあるとのことで、そこに触れた。

キングコング西野のトークショーが愛知県新城市であるだと!?【2017/8/5】

絵本を無料公開したときの革新的な手法、裏打ちされた考え方、そこに集まる賛否両論。物の売り方やお金の集め方を含めた時代の変化を感じられずにはいられないのであり、だからこそ大ファンとアンチの両方がわめきたてる。

踏み切る覚悟と嫌われる勇気を持った取り組みが、暗澹とした時代に新たな希望の光を照らすのだと思う。

4年半かけて製作した絵本を無料公開し、全国で個展(プペル展)を開催を呼びかけた。手をあげた場所の1つに新城市があり、僕も気軽に行くことが可能となった。企画して下さった方に多大なる感謝。

プペル展は素晴らしかった。まずは写真を載せて紹介するとして、思ったことは後述したい。ちなみに今週末の2017年8月27日まで新城市で開催しているので、行ける方は是非。

えんとつ町のプペル展 in 新城 写真紹介

新城市大野の鳳来館2階にて展示された。

1枚1枚がライトアップされ、それがまた絵本のえんとつ町の提灯が光り輝く形となっている。絵本と違うということが見に来る価値になっており、ウェブで無料公開していてもわざわざ足を運ぶ理由になる。仕掛けがうまい。

艶やかな色の絵が続く中に差し込まれる1枚の白地の絵。このインパクトたるや。。。

写真では伝わりきらない感じ。

そして星空の美しさ。

気がつくと1時間近く滞在していたのだからびっくりする。その後に運転したのだが、余韻もたっぷりであった。

えんとつ町のプペル

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絵本製作の発想力と実行力

「絵本」というものを僕はそもそもあまり手に取らないし、手に取らないので読まない。つまり自分の興味関心の外側にあるモノ。

とある人の興味関心の外側になるものに対し、具体的なアクション(個展を観に行くなど)を起こさせるのは非常に難しい。だが、逆に多くの人の関心の枠を刺激したからこそ、絵本にして35万部の販売を成し得た。

小説や漫画やアニメなどは暇があれば触れているので、それが自分にとって面白いモノ、良い作品かどうかが分かる。だが、絵本に感じては基準を持つほどの読書量がないので、えんとつ町のプペルがどの程度のモノなのかが分からない。

よってこれが際立ってすごい作品なのか、やはり魅せ方がうまかったのか、そのあたりの評価軸はない。しかしこの作品の価値はそこではなく、普段絵本を見ないような人の好奇心を刺激し、絵本の世界に引きいれたことだろう。

発売直後の絵本を無料公開したことで情報が拡散し、普段は絵本を見ないような人の目に触れた。そこには明確な目的と戦略があり、仕掛け方は西野さんの著書「魔法のコンパス」に書かれている。

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

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まずは目次を紹介しよう。それが伝わりやすいはず。

・だから、箱根駅伝は面白くない
・僕は問いを持つ
・はねるのトびらで見た限界
・芸人はひな壇に出ないと飯が食えないのか?
・ヨットのように生きる
・ハロウィンのゴミ問題を ” 遊び ” で解決しちゃった
・「夢を追いかけようぜ」教育の罪
・幸せなホームレスに教わった「お金の正体」
・仕事サボって1000万円
・仕事の広げ方
・勝てるところで勝つ
・真剣に作品を売る
・僕が田舎に豪邸が建つほどお金を払っているモノ
・SNSの正しい使い方
・流通に載せないDVDを作って、独演会のNY公演
・ネタバレと確認作業
・隠れテーマのある「天才万博」
・世界一面白い学校「サーカス!」
・イジメの終わらせ方
・戦争が無くならない理由
・完全分業制で作る絵本の挑戦①〜③
・チームの力を最大化する方法
・お笑いライブで赤ん坊が泣く問題について
・「子供向けですか?」と訊く親について
・授業中のスマホ禁止は時代錯誤
・パクリの線引き
・五輪エンブレムとマズ味調味料
・「負けエンブレム展」の意外な結末
・「空気を読む」の価値・セカンドクリエイター時代
・マイナスをデザインする
・ファンクラブの必要性
・スナックは最先端のエンタメ
・テレビCMについて
・お笑い芸人がライブで食っていけない理由
・集客のこと
・ライバルはAEON
・おとぎ町ビエンナーレ
・埼玉に「おとぎ町」
・時代が次に求めるもの
・仕事になるまで遊べ

面白く生きる合宿というものの講師を先日やらせてもらったのだが、目次の最後の「仕事になるまで遊べ」に近いことを話した。ちなみにその段階では西野さんの本は読んでいない。

岐阜白川郷で面白く生きる合宿の講師をしてきたよ。これからの時代の生き方とは?

情報源が同じなのか、西野さんが発信したことに触発されて発信された情報を僕が見ているからなのか、たまたまなのかは分からないけれど、似たような考えは多かった。その中で気付きがあった項目を2点ほど紹介。

14番目に書かれているSNSの正しい使い方

「今、SNSは拡散装置ではなく、個人と個人を繋げるツールであり、1万人を網にかけるよりも、1対1を1万回回した方が効率が良い」

これは目から鱗だった。イベントを開催するときに不特定多数が見えるところ(ライングループなど)に情報を流すより、来て欲しい人に1人ずつメッセージを送った方が圧倒的に効率が良い。これは知っていた。

しかし西野さんはそれをSNSで知らない人に対してやった。つまり自分に興味がありそうな人を探して1人1人にメッセージを送ったのだ。その効果について書かれていたのだが、言われてみればそりゃそうだよねと。しかしその発想を持っていなかった。

30番目に書かれている負けエンブレム展の意外な結末

「負けエンブレム展を発表したらブログのPV数は90万に。新聞やテレビでも話題となり、民方全局を巻き込んで記者会見まで開いた」

ブログ上でオリンピックの負けエンブレム展を開催し、大賞には賞金10万円を用意したというもの。こんなことやっていたのか。めちゃくちゃ面白いし、10万円でこういった面白い仕掛けができるなら自分も挑戦してみたい。発想力と実行力に感銘を受けた。

まとめ

このほかにも随所に気付きと学びがあった。それを逐一書いていたらキリがないほどに。

目次でピンと来た方は買い。

新しい時代の考え方が盛り込まれている。

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

さらに気になっている本がある。

2017年10月4日に発売される革命のファンファーレ。これも非常に楽しみ。なんといっても「はじめに」ですでに心掴まれた。

革命のファンファーレの序文は、本のamazonへのリンクを張る場合に掲載可とのこと。

『はじめに』

「やりたいことが見つからない」と言う若者が多い。
これを読んでいるあなたも、もしかしたら、その一人かもしれない。

そして、大人はあなたを指して、「ゆとり世代」だとか、「さとり世代」だとか、「草食」だとか云々かんぬん。
自分達に比べて、まるで最近の若者は”人としての能力が低い”といった扱い方をする。

ただ、
 
「最近の若いヤツは…」という苦言は、それこそエジプトの壁画に象形文字で書かれていたぐらいで、人類誕生時から今までずーっと言われ続けている。
もし、その言い分が正しければ、理論上、人類なんて、とっくに絶滅している。
スケールダウンを繰り返している生物が生き残るわけがない。

だけど、僕らは今日も生きている。
 
時代や環境に合わせて、アップデートを繰り返してきたからだ。
動物であろうと、植物であろうと、いつの世も種として優秀なのは”年下”で、これは抗いようのない自然界のルールだ。
若者世代への批判は、そのほとんどが”進化の乗り遅れ”に他ならない。

だから僕は年下を肯定するところから考えるようにしている。

そのことを踏まえた上で、正直に言うと、「やりたいことが見つからない」というのは当初まるで理解できなかった。 
僕は小学2年の頃に芸人に憧れて、そのまま今まで来ちゃったので、余計に。
「なんで、やりたいことが無いの?」と思っていた。

ただ、「やりたいことが見つからない」というコトを肯定するところから考えてみると、なるほど、理解ができるようになった。
ようやく年下の背中が見えてきた。

こんなことを言うと先輩方から怒られるかもしれないけれど、僕より上の世代は、僕より下の世代ほど「職業に寿命がある」という体験をしてこなかった。
多くの大人は「職業は延々に続く」という前提で話を進めてくる。
だから、すぐに、「お前は何屋さんなんだ!?」と肩書きを付けたがる。

それに比べて、今は違う。
スマホの登場以降、職業が無くなる場面をたくさんたくさん見てきただろう?
Amazonに潰された本屋さんを見てきただろう?
「ロボットタクシー」という言葉が飛び交っている今の時代に、「タクシードライバーになりたい!」という発想にはならないだろう?

15年前は「タクシードライバーという職業が無くなるかもしれない」なんて想像もしなかった。
20年前は、日本の本屋さんが1日に1件潰れていくことなんて想像もしなかった。

明日には、どの職業が無くなっているかも分からない(これからの)時代は、副業、兼業、転職が当たり前になってくる。

上の世代の人達は、職業をたくさん掛け持つことを「結局、何がやりたいんだ!一つに決めろ!」と咎めてくるけれど、どっこい、
やりたいことを掛け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だよ。生き物が生き残ろうとして何が悪い?

今の時代に「◯◯になる!」と肩書きを1つに決め込む方が、よっぽど危険だ。
「やりたいことが見つからない」は、悪いことでも何でもない。
肩書きが猛スピードで無くなっていく時代にキチンと対応できている証拠だ。。
「アッチがダメなら、コッチだ!」と、肩書きを移動できる準備ができているわけだ。
周りはとやかく言ってくるかもしれないけれど、肩書きを一つに絞れずに肩身の狭い思いをしているあなたは大丈夫、何も間違っちゃいない。

具体例を挙げる。

僕は去年、『えんとつ町のプペル』という絵本を発表したんだけれど、この作品の制作に費やした時間は4年半だ。
これは、芸人としての収入があったから可能だったわけで、絵本作家一本で活動していたら、4年半も収入が途絶えてしまうような作品には手を出すことはできない
これまでの常識に従っていたら、生まれてこなかった作品だ。
 
 
革命のファンファーレは鳴った。
 
 
農業革命よりも、産業革命よりも、大きな革命が、よりによって僕らの時代に直撃した。
情報革命だ。
インターネットにより距離や時間が無くなった。当然、距離や時間に結びついていたいくつかの仕事も無くなる。
物の売り方が変わり、働き方が変わり、お金の意味が変わり、常識が変わり、道徳が変わっていく。超高速回転で。

そして、残念なことに、経験したことを僕らに教えてくれる存在であったハズの親や先生は、この革命を経験していない。

たとえば、あなたの親は、あなたにこんなことを言うだろう。
「好きなことをして生きていけるほど、世の中は甘くない」と。
親世代のお金は”ストレスの対価”だ。

ところがとうだ?
ストレスがかかる仕事から順にロボット化されていき、ストレスがかかる仕事がみるみる世の中からなくなっていくではないか。
自動改札機が生まれ、改札口から駅員が姿を消したような変化が、今アチコチで起こっているではないか。

好きでもない仕事は消え、好きなことしか残らなくなってきている。
ここからは、好きなことを仕事化するしか生きていけない時代だ。
彼等は、この変化を捉えていない。
彼等は、この大波の乗り越え方を知らないのだ。

したがって僕らは自分自身の手や足を使い、僕らの身の回りに起こっている変化を、学び、実践し、思い知り、対応していかなければならない。
この変化から目を背けた人間から脱落していく。
既得権益を守り始めた人間から終わりが始まる。

頑張れば報われる時代は終わり、変化をしなければ生き残れない時代に僕らは立ち会っている。

面白いじゃないか。

変化しなくても良かった世代の常識との衝突もあるだろう。
あなたが革新的な動きを見せれば、そこには確実に議論が巻き起こる。
その時、これまでの常識に根をはっている連中は、あなたの提案の本質を知ろうともせず「炎上商法」という言葉で片付けようとする。

必死になって「炎上=悪」という印象操作をし、そして、批判の声はあなたに集中する。

単純に彼等の理解が追いついていない場合もあるが、そこに発生する批判のほとんどは「変化することに対する恐れ」だ。
それならば、そんな批判は甘んじて受けようじゃないか。
変化しなければ生きていけない時代なのだから。

何が必要になり、
何が不必要になったのか?
どの職業がなくなり、
とんなことが、これから 職業となるのか?
1つずつ整理し、対応していこう。
常識のアップデートを止めてはならない。

僕は学者じゃないので体験談を話す。
 
この1年間の自分の活動の成功と失敗を、数字を交えて皆様にお話する。

ちょうど一年前に出版したビジネス書『魔法のコンパス ~道なき道の歩き方~』の発行部数は10万5000部。
絵本『えんとつ町のプペル』の発行部数は30万部。
オリコン2017年上半期”本”ランキングでは、児童書部門とタレント本部門の2冠を達成。
『えんとつ町のプペル』を作る際のクラウドファンディングは2度実施して、支援者数が9550人。支援額が5650万4552円。
これまでのクラウドファンディングの支援総額は国内歴代最高記録となる1億円を突破。
個展『えんとつ町のプペル展』の動員数は60万人を突破。
これだけ見れば順風満帆だが、どっこい、失敗が可視化されていないだけで、キチンと失敗もしている。

その成功や失敗には、マグレも不運も存在しない。
成功と失敗の裏にあるのは、理由と原因だけだ。
それらを見ていきながら、今後僕らは、どのように身をふっていれば時代を捉えることができるのか?

これから、僕の実験と結果と対策を全てお話しようと思う。
しばし、お付き合いください。

『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告戦略~』より

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西野さんを要チェックやで。

ちゃお!







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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。