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2014年のスゴ本ランキング1位になりそうな予感「謎の独立国家ソマリランド」高野秀行の感想

投稿日:2014年3月19日 更新日:

ソマリランド共和国という国をご存じだろうか??

アフリカ大陸東端のソマリア半島に位置する。アフリカの角と呼ばれている場所で、国際的にはソマリアの一部であると見なされている謎の独立国家である。

ソマリアは「リアル北斗の拳の世界」だという。1991年に勃発した内戦により、事実上の無政府状態が未だに続いている。いわば無法地帯。

ソマリア海峡では海賊がブイブイ言わせており、恐ろしいイメージが先行している場所。

世界一周に行く場所を検討しているときも、鼻から調べることもせずにソマリアは外していた。

しかし、道中に出会った旅人がソマリアの一部であるソマリランドを訪れたという。なんと無謀なことをしているのだろうと思った。かくして印象に残ったソマリランドについて本と出会ってしまった。

謎の独立国家ソマリランド
高野 秀行
本の雑誌社
売り上げランキング: 1,991

自分の目で見たものしか信じない、という高野秀行さんが書いたノンフィクション「謎の独立国家ソマリランド」

この本がすこぶる面白く、一度読み始めたら止まらなかった。

2014年おすすめ本ランキング1位になる予感

2011年から2012年に読んだ250冊で面白いおすすめ本22冊2013年に読んだ160冊の中から選ぶおすすめ本ランキング、と毎年気に行った本を選んでいる。

「謎の独立国家ソマリランド」は2014年のおすすめ本にランクインするのは間違いない。

どう考えてもうきうきする内容。

崩壊国家といわれるソマリアの中で平和な独立国家ソマリランドがあるという。独自に内戦を終結し、複数政党制による民主化に移行したというのが国家が生まれた経緯。普通選挙により大統領を選ぶ民主主義国家である。

そんな場所がラピュタのような幻の国があるのか、という疑問を抱いた著者高野さんが、単身ソマリランドに乗り込む。実際にラピュタを目の当たりにした高野さんは驚く。ただ、ソマリランドのすごさは、ソマリアという内戦続きで危険な国の中で生まれたことにある。

つまりソマリアの実情を知らずして、ソマリランドのすごさは伝えられない。自分の目で見たものしか信じない、という高野さんはソマリアにも向かう。そしてその危険度を確かめた結果、やはりソマリランドのすごさを確認していく。

ではなぜソマリランドは独自に内戦を終結できたのか?なぜ民主化できたのか?なぜソマリアにはできないのか?

その疑問を解くべく、高野さんは動き回る。そしてニュースからは伺いしれないソマリアの様々な事実を知る。それが面白すぎてヒャッハーなのだ。

個人的にツボだった話を2つピックアップする。

1.ソマリランド経済の収入源

ソマリランド最大の収入源は、ベルべラ港の使用料や関税である。しかし、一国の経済を支える規模ではない。

そこで高野さんは地元民に聞く。即かえってきた返事は・・・

「海外からの送金だ」

「え?! あなたのことじゃなくて、ソマリランド経済の話だけど」

「だから、誰もが海外に家族や親族がいて、毎月送金してくる。それでみんな暮らしている。政府には金がない。企業も産業もない。しょうがないじゃないか。」

謎の独立国家にして、奇跡の民主主義国家ソマリランドの財政基盤は個人の仕送り!!!

とんでもない話。衝撃的である。

2.結婚と離婚の回数がとても多いソマリ人

ソマリ人は結婚と離婚の回数がとても多い。上記のお金を送金してもらう話と合わせて、まじかというエピソードが記載されている。

とある23歳のソマリ人男性は二度目の結婚をした。その女性とケンカばかりして離婚したくなっている。そんなシチュエーションでその男が言った言葉。

「あー、ナイロビで他の女を見つけた方がマシだ。四千ドルくらいあれば、誰とでも結婚できるからな。明日アメリカの母さんに電話して、仕送りを頼もう。月に千ドルずつ、四ヶ月で四千ドルくらい仕送ってもらえるだろう。」

脱帽。

ソマリ人にどうして離婚するのか聞いたときの答え。

「だって、憎み合う二人が一緒に暮らすなんて地獄だろ?」

率直。

ソマリアを援助している日本

高野さんはソマリアの難民を人道支援しているNGOと出会う。そこの資金は日本がユニセフに拠出したカネであり、

「日本の援助でどれだけ助かっているかわからない。だから僕も君を歓迎したいんだ。」

と言われる。

僕らの税金が戦国ソマリアからの避難民支援に使われているという事実。こういったことを知ることができるのも嬉しい。

僕が書いたエピソードは「謎の独立国家ソマリランド」のほんの一部で、なぜソマリランドは独自に内戦を終結できたのか?なぜ民主化できたのか?なぜソマリアにはできないのか?といった問いの解を見つけるための高野さんの取材を追う本書は真に刺激的。

改めて書くが、2014年のスゴ本ランキング1位になりそうな予感をぷんぷん匂わせる本である。おすすめ。

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