付帯保険で考える3枚のおすすめ海外旅行用クレジットカード

海外旅行にクレジットカードが必須となった。アメリカやヨーロッパはもちろんどこでも使えるし、南米やアジアでも多くの場所で使うことができる。2年半の世界一周で驚いたのは、アフリカでさえ小さな街でATMを見かけたことだ。アフリカでは銃をもった警備員がATMを守っている。

クレジットカードの普及と共に、かつての旅では有用だったトラベラーズチェックを使える場所が減った。念のためにトラベラーズチェックを持つことを考慮に入れてもよいけれど、いずれにせよクレジットカードは必須となった。

クレジットカードを使ってATMで必要最低限の現地通貨を引き出してゆくのが現代の海外旅行の基本。そんなクレジットカードについて、知っておきたいことをまとめた。

手数料の比較と国際キャッシュカード

クレジットカードでATMからお金を引き出すと、キャッシング扱いとなる。僕の2年半の世界一周のデータを見ると、年18%利息のカードで1.5%~2%の手数料となる。

国際キャッシュカードという選択肢もあるが、多くの旅人が使っている新生銀行の手数料が4%。楽天銀行のカード年会費1000円で3%。シティバンクとスルガ銀行のカードが一回の出金手数料210円と3%。

手数料を考えるとクレジットカードが優る。また、信頼できるショップやホテルではクレジット一括払いで支払うことで、手数料をより下げることも可能だ。

たかだか1~2%と思われるかもしれないが、100万円を超える利用額になってくると馬鹿にはできない。

クレジットカードの付帯保険と海外旅行保険

クレジットカードには海外旅行保険が付帯されるものがある。一般的な海外旅行保険に入らなくても、それでまかなうという考えはアリだ。

もちろん保障内容の観点から、一般的な海外旅行保険に入るべき、という考えもあるので、それは各々の判断にまかせる。むしろ、海外保険に入らずに海外旅行をしている旅人の数多く出会ったので、彼らに保険が付帯しているカードがあることを伝えたい。せめてそれは持っておいと方がいいよ、と。

クレジットカードの海外旅行保険でまず知っておきたいのが、自動付帯と利用付帯。自動付帯のカードを持っていると、カードを持っているだけで保険に入ったことになる。利用付帯のカードの場合は、旅の最中にそのカードを使うことで保険に入ったことになる。

当たり前だけど、自動付帯の方がいい。そして、自動付帯のカードを複数持つことをおすすめする。

ちょっと細かい話なんだけど、カードの海外旅行保険は基本的に5つの補償がある。

1.傷害死亡・後遺障害
2.傷害・疾病治療費用
3.賠償責任
4.携行品損害
5.救援者費用

補償金額はカードによって異なる。だが重要なのは、1はその額がもっとも大きいカードのが限度額になるんだけど、2~5は額が加算されていくんだよね。つまり、自動付帯のカードを持っていれば持っているほど、保障内容は充実していくということ。

ただし付帯保険の有効日数は90日が多いので、それ以上の旅になる場合は海外旅行保険に入ることをおすすめする。また疾病死亡や航空機預託手荷物遅延や航空機遅延がカバーされるカードはないようなので、それらを含めたい場合にも海外旅行保険に別途入る必要がある。

VISAカードとMASTERカード/限度額について

VISAカードとMASTERカードが世界で普及しており、使い勝手がよい。ただ、どちらかしか使えない場合があるので、2種類持っていくことをおすすめする。

その際には発行会社が違うようにした方がよい。カードによって限度額があるが、2枚のカードを別々の発行会社にすることで、実質的なキャッシングの限度額が上がる。月額10万円が限度額のカードと月額5万円が限度額のカードを持っていれば、月額15万円までATMで引き出すことが可能だ。

海外では何が起こるか分からないので、ある程度の額を使えるようにしておいた方が無難。(※あまりに必要以上の額にすると強盗・盗難のリスクがあがる)

後、旅で高額のツアーに参加することが決まっている場合はショッピングの限度額を引きあげておいた方がよい。例えば僕が参加した南極のツアーは約40万円だった。そのような予定がある場合に、カードで支払えないと難儀する。

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スキミングと偽造カードの危険

海外でクレジットカードを使うと、スキミングや偽造カードを作られる危険は増す。実際、僕は旅を終えたあとにクレジットカード会社から電話があった。

「お客様のクレジットカードが8月にフランスで使われようとした形跡があるんですが、最近海外にお出かけになられましたか??」

そのときは日本におり、結論としては偽造カードを作られていた。この件に関しては「[ニュース]旅人に告ぐ!クレジットカードは帰国後にとめた方がいい!!」に書いたけれど、その危険は常にあると言える。

対策としては
・クレジットカードを使う回数を減らす。現金を持つリスクと照らし合わせつつ、一度の引き出し額を多くする。
・銀行併設のATMを使う。
・信頼できない店では使わない。
・カードを極力手渡さない。手渡した場合は不審なところがないか要注意。
といったところだろう。

複数枚のカードを持つ

カードは最低でも2枚。長期の旅ならば3枚以上もっていくことをおすすめする。2年半の世界一周に、僕は4枚のカードを持っていた。VISAカードが2枚とMASTERカードが2枚である。

クレジットカードがなくては旅に大きな制約が加わる。そのクレジットカードを海外で手に入れることは難しい。カードが使えなくなるリスクは幾つもあるので、1枚では心許ない。

カードが使えなくなる例
・紛失
・ATMにカードが飲み込まれる
・スキミングなどにより他人に使われた形跡があり、カードを止める
・原因不明で使えない

上記の4つが出会った旅人の中でよく聞いたトラブル。特に2つ目のATMに飲み込まれるというパターンは頻繁にある。ATMの案内が英語でなかったりすると、引き出し方が分からずにいろいろなボタンを押したり、手間取ったりする。そのようなときに、ATMが不審と判断して飲み込むことがあるのだ。もちろん、ただ単に機械の不具合で飲み込まれることもある。

銀行に併設されたATMを使うことを心がけるのは、そういったときの対応が早いから。また、ATMで引き出す手続きを踏んだのにお金が出てこなかった、といった場合にも、銀行併設のATMの方がよい。

4枚とは言わずとも、最低でも2枚のクレジットカードを持っていくべきである。

海外旅行保険のために作っておくべきおすすめのクレジットカード

海外保険の観点から考えると、自動付帯かつ年会費無料のカードは持てば持つだけ保険が充実する。基本的に作っておいて損はないカードは、「ジャックス横浜カード」と「JCB EIT」と「KCカード(メルマガ登録で年会費無料)」の3つである。

ジャックス横浜カード(自動付帯かつ年会費無料)

1.傷害死亡・後遺障害 2000万円
2.傷害・疾病治療費用 200万円
3.賠償責任 2000万円
4.携行品損害 20万円
5.救援者費用  200万円

KCカード(メルマガ登録で年会費無料)

1.傷害死亡・後遺障害 2000万円
2.傷害・疾病治療費用 200万円
3.賠償責任 2000万円
4.携行品損害 20万円
5.救援者費用  200万円

JCB EITカード(自動付帯かつ年会費無料)

1.傷害死亡・後遺障害 2000万円
2.傷害・疾病治療費用 100万円
3.賠償責任 2000万円
4.携行品損害 20万円
5.救援者費用  100万円

「クレジットカードの付帯保険と海外旅行保険」で書いたように、1はその額がもっとも大きいカードのが限度額になるんだけど、2~5は額が加算されていくので、上記の3つのカードを持っていれば

1.傷害死亡・後遺障害 2000万円
2.傷害・疾病治療費用 500万円 (100+200+200)
3.賠償責任 6000万円 (2000+2000+2000)
4.携行品損害 60万円 (20+20+20)
5.救援者費用  600万円 (200+200+200)

の保険に入っていることになる。自動付帯なので海外旅行に持っていく必要はないし、年会費無料なのだ。持たない手はないでしょ。

海外で使うときのおすすめクレジットカード

上で紹介した3つのカードを海外で使ってもいいのだけれど、海外旅行用におすすめのカードがある。それは「三井住友のクラシックカードA」で、顔写真付カードにできることがポイント高い。世界一周のときに使っている人と出会ったのだけど、彼は盗難時のリスクが減ることに加え身分証明として使える場合があると言っていた。年会費が1575円(初年度無料)かかるけれど、海外保険は自動付帯だし、有力な選択肢となる。

三井住友のクラシックカードA

1.傷害死亡・後遺障害 2000万円
2.傷害・疾病治療費用 100万円
3.賠償責任 2500万円
4.携行品損害 20万円
5.救援者費用  150万円

海外保険用(旅行時のサブカード)に「ジャックス横浜カード」と「JCB EIT」と「KCカード(メルマガ登録で年会費無料)」の3つのカードを作り、海外旅行用に「三井住友のクラシックカードA」を作れば、保険総額は

1.傷害死亡・後遺障害 2000万円
2.傷害・疾病治療費用 600万円 (100+200+200+100)
3.賠償責任 8500万円 (2000+2000+2000+2500)
4.携行品損害 80万円 (20+20+20+20)
5.救援者費用  750万円 (200+200+200+150)

となる。

ここで、もう一度注意点を書いておく。

上記の付帯保険の有効日数は90日である。それ以上の旅になる場合は海外旅行保険に入ることをおすすめする。また疾病死亡や航空機預託手荷物遅延や航空機遅延がカバーされないので、それらを含めたい場合にも海外旅行保険に別途入る必要がある。

クレジットカードを作るときの注意点

4つのカードを一気に申し込むと「多重申込」となり、審査が通りにくくなる。今2枚作っておき半年後に残りの2枚申し込むなど分けた方がいい。カード発行には時間がかかることが多いので、海外に出るのが近いならば早めに申し込んでおくべし。







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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。