チャリンコ野郎の僕は、クリスマスと言えど休むことなくせっせと距離を稼いでいた。ビザの関係で1月5日までにベトナムから出なければならないので、年末年始にゆっくりするためににも早めに進んでおくに限る。とはいってもクリスマスなんだから、何かイベントがあることを期待して走っていた。
きょろきょろ周りを見ながら走るも、クリスマスのクの字も出てくるようなものは見当たらない。去年はキリスト教国家のメキシコで過ごしたにも関わらず、特にこれといったこともなく男3人で小さな宴をあげたに過ぎなかった。だからベトナムでも何もないだろうとは思っていたが、それにしてもクリスマスの気配すらない。本当に今日はクリスマスなんだろうか。人々の浮かれた様子も、イルミネーションも、ケーキの販売も、なにもない。タイに1ヶ月前にいたときの方がよっぽどクリスマスな雰囲気があった。
走っている途中、人だかりを見た。
田圃の向こうから何かやってくる。これはまさかイベント!?と立ち止まって待ってみた。
歩いている人に一応聞いてみる。
「これはクリスマスを祝っているの?」
「?」という顔をした後、いえ~す、と。
いやいや、理解してないでしょ。笑いながら適当にyesとか言わないように。ってかどうみてもクリスマスとは関係ない、、、
日本では彼氏彼女がいるいない、どうやって過ごす、なんて皆騒ぐクリスマス。 1人で異国にいれば、なんてことはない旅の中の1日なわけで、予想通り何事もなく過ぎ去ったのだった。
旅が終わったあと発覚した事実
実はクリスマスを祝っているわけではなく、葬式だった。
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