メキシコ人の気質とおもてなし

バハカリフォルニア半島の西側に位置し、世界のクジラの多くが生まれる保護区として世界遺産に指定されている海が南西にある Guerrero Negro という町に滞在していた。その海はクジラの中でもコククジラという船を見ると寄ってくる性質を持ったクジラが多くいる保護区なので、クジラをさわることが出来るツアーが出ており、それに是非参加したかったのだが、12月15日がツアーの解禁日でありピークが2、3月ということで、クジラをなでる夢は崩れ落ちた。

その町で泊まっていたホテルの前で朝食にスパゲッティを作っていたとき、1人の男ががに股で歩いてきた。その男はずんぐりとしたやや幅広の体格で、ジーパンにトレーナーの出で立ちに帽子をかぶっていた。40歳台後半くらいのその男は言った。

俺の兄弟の家に来ないか?

昨日会ったときに聞いていたこの男の名はマニュエルといい、数日前に旅の途中で出会ったホセという男の紹介で酒を交わした。わざわざ僕らが泊まっているホテルに出向いてくれ、誘ってくれたのだ。僕ら3人は好意に甘えて彼の兄弟の家にお邪魔することにした。車で30分程行った先は彼の兄弟や友人がそこらじゅうにいる集落で、顔が効くようだった。着くとマニュエルは日曜大工を始めてしまい、僕らは手持ち無沙汰になったので、そこの子供たちとサッカーをして時を過ごした。

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なぜかカメラと目線がずれる少女。その目の先には何があるのか。

しかし15時頃からおもてなしの宴が始まり、あれやこれやと15人くらいの人が集まって焼き魚タコスとビールを御馳走になる。鮮度の問題からか、店では魚をフライにしたものを入れたタコスはあっても、焼き魚のタコスは一度も見ていない。炭火で焼かれたこのタコスの贅沢さは半端なく、味もピカ一だった。胃と肝臓が悲鳴をあげるほど飲み食いし、最後はメキシコのお酒であるテキーラを一気。ホテルまで送ってもらった後の眠りが夢見心地だったのは言うまでもない。

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トルティーヤの原料をとうもろこしから作っていた!1時間程煮込み粉状にする。

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それをつぶして平たくして熱を入れる。

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マニュエルが持っているこの大きな魚を焼いたものをトルティーヤに巻く。その他の具材も全て自家製だった。一般家庭でもタコスが日常的に食べられていることを知った。

見ず知らずの人間を招き、もてなす。もてなされる側の旅人はこれが旅の醍醐味だというけれど、もてなす側の心意気には頭が下がる。このおもてなしに感謝し、僕もなにかしらの形で次につなげたいと思った。マニュエル、素敵な時間をありがとう。

 

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