旅を始めてから633日目。
アフリカ大陸のどこを走るか。ルートを決めるのに時間がかかっていた。治安の懸念が情報収集の時間を増やし、調べ始めると治安以外の情報もついつい見てしまう。きりがなかった。
僕はアフリカのどこへ行きたいのだろう??アフリカを知りたい、という漠然とした想いの中で、絶対に外せない場所を考えてみた。それはたった1ヶ所しかなく、キリマンジャロの頂上だった。よし、ここを中心に考えてみよう。
キリマンジャロを登ることを想像した。アフリカ大陸最高峰であり、人生の夢である7大陸最高峰登頂の記念すべき1つ目となる。技術的には初心者でも登れるキリマンジャロは、友と一緒に登れたら最高だろうなと思った。まさか誰か来てくれる人はいるかな?とツイッターで呼びかけてみることに。
すると、、、行けるかも、と言う反応が1人から返ってきた。特に期待せずに発信しただけにびっくりである。しかも帰国後に語り合いたいと思っていた友からだった。気分は最高潮。友が来れるという2月中旬に合わせて僕も動くこととなった。
2月中旬にタンザニアで待ち合わせ。その連絡をもらったときは11月だった。1つ制約が加わり、11月から2月までの間にどこを回るか、ということとなった。僕がいるのはモロッコなので、アフリカの東側のタンザニアへ行くにはどこかで飛行機を使わなくてはならない。どこからどこへ飛ぶのかがポイントとなった。3カ月弱という時間と行きたいところを照らし合わせたところ、3つの案に絞られた。
案1 エジプトへ飛び、ヨルダン、イスラエル。そしてタンザニアへ。
案2 モロッコからサハラ砂漠を縦断してセネガル。そしてタンザニアへ。
案3 チュニジアへ飛び知人と会う。ケニアへ飛んで周辺の国々を回り、タンザニアへ。
案1
エジプト(ピラミッド、地中海でダイビング)、ヨルダン(ペトラ遺跡)、イスラエルはかねてから巡ってみたい場所だった。いずれ行くならば今!?
案2
サハラ砂漠を自転車で縦断。まさに今しか出来なさそう。気力体力が充実しており、自転車と共にモロッコにいる状況を考えるとタイミングはばっちり。
案3
カンボジアを一緒に回った知人がチュニジアに遊びに来るという。またとない機会なので会いに行き、その後ケニアへ飛ぶ。そして友が来るまでそのあたりを回る。
この3つが有力候補。さてどうしようかと情報収集を続けていた。そんな中でエジプトの大規模デモのニュースを見る。エジプトに滞在中の友に連絡を取ると、デモをしている場所に行かなければ問題ないと思う、と言う。それでもやっぱりどのような動きを見せるか分からないし、自転車で走っていると毎日ニュースを見られるわけじゃない。ヨルダン、イスラエルに波及する可能性もある。案1は自粛することにした。
案2と案3に絞られた。知人と連絡を取り合う中で、案3のチュニジアで知人と会える時間が非常に短いということが分かった。そうなると案2が一番わくわくする。そもそもイギリスで新しい自転車を悩んだときの基準が、「サハラ砂漠を問題なく走れるレベルの自転車」だった。そのときからサハラ砂漠は頭の片隅にあり、想い入れがあった。やっぱりここを外すことは出来ない。サハラ砂漠を縦断してセネガルまで向かうことにした。
ルートを決めるまでの思考はこんな感じ。ここからは前回の近況の続き。古都メクネスを発ち、首都ラバトへ向かった。ラバトに到着したのは金曜日。13時くらいに着いたので、宿に荷物を置いてモーリタニア大使館へ行ってみた。理由は勿論モーリタニアビザのため。すると係員に「今日の申請は終わったから月曜に来い」と言われる。
月曜に入ってみるとドアの横に張り紙があった。月曜、火曜は休みです、と。おいおい。まだラバト滞在が続くのか、、、タンザニアへ2月中旬に行くことは決定だから早く進みたいのに。でも仕方のないこと。僕にはどうしようもない。腹がたつ時間が短くなり、すぐに事実を受け入れてどうしようか考えることが出来るようになったのは成長なのかもしれない。さらに2日間待つこととなった。
ブログを書いたり写真を整理したりと、いずれはやることになる作業を進めた。アフリカの情報収集もしていて気付いたのは、セネガルからタンザニアの航空券が65000円強なのに対して、南アフリカから日本の航空券が50000円強だということ。アフリカ大陸内の移動より、アフリカから日本の移動の方が安いとは!びっくりだった。
時間もあるし、はがきを数枚書いた。郵便局に持っていってみると日本への郵便が一枚22DH強(約220円)。南極からでUS1ドル(約80円)、ネパールからは30ルピー(25円強)だったのに。その他の国でも100円を超えたことがなかったので、ちょっと信じられない価格。これにもびっくりだった。
そんなこんなで時は流れ、水曜日の9時にビザを申請しに行った。必要なものは
・記入した申請書(フランス語とアラビア語のみなので要注意)
・パスポートのコピー2枚
・パスポートのモロッコビザのページのコピー1枚
・顔写真2枚
ビザの始まりの日程が指定出来るならば、1月1日から1ヵ月ビザを取ろうと考えていた。けど係員にfrom todayと一蹴され、仕方なく2ヵ月ビザを申請。英語があまり出来なさそうな人だったため、フランス語かアラビア語が話せればちゃんと期間指定出来るのかも。ネット上には期間指定出来たという人もいた。ちなみに2ヵ月で510DH(約5100円)。前に並んでいた人は1ヵ月ビザを申請しており、340DHだった。
翌日の木曜である今日の15時にビザを取りに行った。休みじゃないことを願って自転車を漕いだ。辿り着くとちゃんと営業していて一安心。スタンプが押されているパスポートを無事に受け取った。ビザの期間は1月28日までなので、これまでにセネガルへ着かなければならない。タンザニア2月中旬待ち合わせだからちょうどいいかな。
そんなこんなで結局1週間もラバトにいることになった。今まで訪れたモロッコの街で最もいまいちな場所に最も長く滞在することになるとは。こうなることが分かっているならお気に入りの街シェフシャウエンにもっといたんだけど、ってね。
時間が限定されたことだし明日から張りきって南下開始。カサブランカを経由してマラケシュを目指します。
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