5年前に田舎暮らしのために移住し、家庭菜園を始めた。
きゅうり、トマト、ピーマン、ナス、おくら、にんじん、レタスなど、スーパーでよく見る野菜を一通り育てた。
自分が口にしているものが、どのような過程で出来上がっていくのかを知ることは楽しかった。
しかし、サピエンス全史というサピエンスの歴史を辿った本を読み、家庭菜園をやめることにした。
その理由を書く。
サピエンスの狩猟から農耕への移行
サピエンスが狩猟を辞めて農耕をはじめたことこそが、今のサピエンスの繁栄を生み出したと言われている。しかし、サピエンス全史の著者のユヴァル・ノア・ハラリさんは、農耕への移行は実は失敗だったのではないか?と説いている。
先に伝えておきたいのは、「サピエンスという種の繁栄」と「サピエンスそれぞれの個体の幸せ」は別だという解釈。
農耕へ移行し、サピエンスの数は増えた。だが、労働時間は伸び、栄養は偏り、疫病に悩まされ、上下関係が生まれた。サピエンスの一個体を見たときには、狩猟時代の方が幸せだったはず、というのがハラリ氏の主張である。
狩猟から農耕へ移行してサピエンスが豊かさを享受し始めたのは、産業革命以後。18世紀の産業革命から生産性が飛躍的に高くなり、農業従事者の割合が大幅に小さくなった。
つまり、サピエンスの狩猟から農耕への移行が成功したといえるのは、産業革命以後の話なのだ。
僕が家庭菜園をやりたかった理由
僕が家庭菜園を始めたのは、2つの理由がある。
理由2:僕らの世代で農に関わったことがある人は少なく、それで良いのかという問題意識があった
家庭菜園を4年間やってみて、自分が普段食べているものが育つプロセスは理解した。また、自分が野菜を育てられることも分かった。
理由2の問題意識は、サピエンス全史を読んで学びがあった部分。
僕らの世代で農に関わっている人が少ないという問題意識は、例えば日本が被災したり、世界で食料におけるトラブルが起きたとき、その対応ができないということである。
僕1人が農に関わったところでこの問題が解決するわけではないが、まずは農とはどんなものかを確かめたかった。そして4年家庭菜園をやってみた結果、自分でも農作物を作ることは可能だと分かった。
野菜を育てることは楽しい。ビニールハウスまで建てたし、家庭菜園を続けるつもりだった。しかし、サピエンス全史を読んで家庭菜園を続ける理由が消えたのだ。
家庭菜園は産業革命以前の生産性が低い農業
僕たちの食料が豊かになったのは、産業革命以後の機械化された大規模農業のおかげである。
それに対して家庭菜園というのは産業革命以前の、生産性が低い農業。
現代農業ではない、かつての農業を僕が続ける理由はなんだろう?という疑問が生じた。僕が持っていた問題意識の根底から考えると、学ぶべきは現代農業であり、生産性の低い農ではない。
事実、家庭菜園における手間暇を考えると、スーパーで野菜を買った方がトータルコストは安い。安心安全という別の要素などもあるけれど、それらは僕が家庭菜園をはじめた理由ではない。
つまり、「家庭菜園が自分の中での意義あるもの」から「趣味の1つ」となった。
それならば、家庭菜園という趣味を続けるのか?という問いが生まれた。その他さまざまな趣味と比較検討した結果、家庭菜園をやめることにしたのである。
現代技術と組み合わせた農に挑戦したい
2019年は8の目標を立てた。
そのうちの1つが「3Dプリンタひょうたんプロジェクト」である。
以下の記事を見て欲しい。
3Dプリンタを使って型をつくり、ひょうたんを型の形に育てるというもの。下の写真はひょうたんをコップにしたものである。
3Dプリンタを使って型をつくり、販売まで行って利益を出すプロジェクトをやりたい。
つまり、単純な家庭菜園ではなく、現代技術を組み合わせた農に挑戦してみようと考えている。
サピエンス全史は2018年で読んだベスト本
僕が家庭菜園をやめる理由となったサピエンス全史。
2018年のベスト本である。おすすめ。
ちゃお!
・Amazon Audible使った感想「音楽の時間を聴く読書にして学ぶの最強」
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