自然が長い年月をかけて造成した色には毎度驚かされるばかりである。湖全体の印象は透き通り反射する光沢のある青。しかしそれは単一の青ではなく、幾重にも重なっている。光の反射と湖の深さによってなのか、同じポイントでも見る場所を移動すると色が違う。そこに苔の緑や木々の茶が加わり、視線が惹き込まれていく。
なんて美しいのだろう。
中国の九寨溝は以前から知っており、今回の世界一周で外したくない場所の1つだった。成都から北に450km程のところに位置する標高2500m程度の湖で、成都からバスで8時間程。飛行機も出ている。写真集で九寨溝を見たときに、人生でいつか行くことになるだろうという確信に近い予感がした。写真が目に飛び込んできた瞬間に、こんなに美しい湖が世にあるのか、と感じたことを覚えている。兎に角自分の目で見なければならないと切実に思ったのだ。
愛用のカメラのGR3が盗られ、新しいGR3の配送待ちの間に来たので、写真は泊まった宿で働いている方に借りたコンパクトカメラとipod touchによるものである。カメラを貸してくれた宿の方には本当に感謝している。ただ、僕に良い写真を撮る腕がないので、以前に僕に感動を与えてくれた写真集の写真とは別物と言って良い。それでも言葉では伝えられないので、写真を載せる。
お腹いっぱいになるくらいに眺めていたくて2日間通ってしまった。オンシーズンの夏にもう一度来たいなあ。
九寨溝へのバスについて
要注意である。正直、死ぬかと思った。
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