世界はモノであふれている。
何かが欲しいと思ったとき、とてもじゃないがすべてを詳細に調べられない。一日24時間しかないのに、選ぶという行為に時間をかけていたら人生が終わってしまう。
買ったあとに使うことが目的である以上、選ぶ時間を減らして使う時間を増やした方が満足度はあがるだろう。しかし、後悔するような買い物はしたくない。このバランスが難しい。
僕はモノを選ぶのに時間をかけている方だと思う。基本的には類似商品を比較検討し、納得のいくものを選ぶ。お買い得感がなければ買わない。
そもそもモノを買うことが少ないから、1つを選ぶのに時間がかけられる。好きなものに囲まれて生きていけたら素敵だと思うし、それらは必要最低限でいい。そういった考えなので、モノを選ぶときにはじっくりと調べるのだ。
そんな僕ではあるが、数年前から実行している「モノを選ぶ時間を大幅に短縮する方法」がある。それは・・・
信頼できる人がおすすめしてくれたものは何も調べずに買う、という方法だ。
この方法のポイントは「全く」調べないということにある。信じて、買う。その2つでコトが終わる。調べる時間が0になることが画期的なのだ。
以前の僕は、何も調べずに何かを買うということは少なかった。「世界一周に出るならばipod touchは絶対にあった方がいい」と友人に薦められても、ipod touchについて調べ、それに類する商品を調べ、本当に必要かどうか考え、といった時間を費やしていた。
結局ipod touchを買うことなく世界一周に旅立った。そして旅の最中に必要性を感じ、一時帰国の際に購入した。それも1つのプロセスであり、否定すべきものではない。ただ、調べた時間を考えると随分ともったいなかったように思った。
それ以後、自分が後悔することのない範囲に限って、信頼できる人がおすすめしてくれたものを買ってみる、ということを試し始めたのだ。これがすこぶる気持ちよいことに気付いた。
選ぶ・買う、という行為は喜びをもたらしてくれる。ショッピングが楽しいというのはそれの表れだろう。しかしそこには多少のストレスも混ざっているようだ。どれにしようか、本当に必要なのか、という迷いは疲れをもたらす。迷うことなく信じて買う、という方法には意外な快感がある。
経済的な側面から考えても割に合っている場合が多い。
例えばあなたはイランからマレーシアの格安航空券が欲しいとする。それを友人に相談したら、以前に同じような状況があって詳しく調べたことがあり、エアアジアが最も安いという。そのときにエアアジアのチケットを買ってしまうのだ。
もしもあなたがエアアジアより安いチケットを探すとして、ネットで調べたり、人に聞いたりしたとしよう。3時間くらい調べても、エアアジアより安いチケットが見つからない可能性はある。友人がネットを中心に調べ、あなたもネットを中心にして調べるならば、その可能性はより高いだろう。取得している情報がかぶるからだ。
また、仮にエアアジアより2000円安いチケットが見つかったとしても、経済学でいう機会費用というものがかかっている。あなたが調べるのに使った3時間で3000円稼げるとしたら、1000円損をしているのだ。
だったら何も調べずに(比較検討なしに)エアアジアのチケットを買ってしまうというのは、十分に経済的なのである。時間という人生においてもっとも貴重な資源も節約できる。なにより、気持ちいい。
以上が僕にとってのモノを選ぶ時間を大幅に短縮する方法なり。
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