takahirosuzuki.com

地域おこし協力隊、田舎暮らし、漫画、ボードゲーム、謎解き、自転車世界一周について書いています

選択の科学から紐解く「日本人が幸せになれない理由」

投稿日:2013年6月24日 更新日:

2009年~2012年の2年半ほど自転車で世界一周をした。僕のような一般人に世界一周という選択肢がある日本は豊かな国であり、恵まれている。しかし、帰国してから感じていることは、日本で生活している人が日本より貧しい国の人々と比べても幸せそうに見えないということだ。

「経済的に豊か」を別の言葉で表すと「選択肢が多い」となる。

カンボジア人のほとんどはiphoneが買えないが、日本人なら手が届く。セネガル人が冷房が効いている部屋を望むことは難しいが、日本人なら冷房が効いている部屋に住むことは普通だ。ネパール人が海外旅行に行くことはまずないが、日本人なら年に一度くらい行くことは可能だろう。

経済的に豊かで選択肢が多いことは、どう考えたっていいことのように思える。我々は恵まれているのだ。けれども幸せに見えない。なぜだろう?

その1つの解として「選択の科学」が答えを示している。

選択の科学
選択の科学

posted with amazlet at 13.06.14
シーナ・アイエンガー
文藝春秋
売り上げランキング: 853

選択肢が増えすぎることは幸せにつながらない。豊かな国日本は選択肢が多すぎるのだ。

数多くの選択肢の中から最良のものを選びだすのは容易ではない。選ぶ時間は増え、選んだ後にも迷い、ときに後悔するだろう。世の中にあふれるモノを選びだすときにも該当するし、人生の進路を決めるときもそうだ。

例えば日本で現状行われている大学在学中の就職活動。いざ就職するとなったとき、世の中には数多くの仕事があることに気付く。同様の仕事でも、数多くの会社がある。それらのどこでも自分が働けるかもしれないと考えたとき、選択肢は膨大だ。とてもではないが調べきれないし、自分にどこがふさわしいか分からない。数多く仕事のなかから選べることは幸せなことのはずなのに、結果的に幸せな選択ができずに終わる。

では選択肢が少ない貧しい国のほうがいいのか。

選択を行った際の幸せは、自己決定感にあると言う。例え選択肢が少なくても自分の人生を自分でコントロールしている感が大事なのだ。そう考えると、自分にとって十分に吟味できる範囲内の選択肢があり、それに納得している方が幸せな可能性は十分にある。

日本人が幸せに見えないのはそういう理由な気がする。

人には選択したいという欲求がある。選択肢を増やしても何の利益も得られない状況、つまり余分な時間や労力がかかるだけ、という状況でさえ、本能的に選択の幅を拡大しようとする。

お金はあればあるだけいいよね、というのも本能的に選択肢を増やしているのかもしれない。選択を増やす欲求をかなえることで最良の選択をしずらくなっていく。選択が目的を達するための手段ではなく、選択それ自体に価値を見出す。

実験によって、人は比較的少ない数(4~6)の選択肢を与えられた場合、多く(20~30)の選択肢を与えられた場合よりも、実際にどれかを選び取る可能性が高く、自分の判断に確信を持ち、選んだものへの満足度が高いことが一貫して実証されている。

モノを買うときにせよ、就職活動をするときにせよ、30以上の数の中から選ぶことがほとんどである。選択肢が多すぎる世の中を幸せに生きていくためには、意識的に選択肢を減らすことが必要なのかもしれない。

関連リンク

モノを選ぶ時間を大幅に短縮する方法

336×280

336×280

-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

2014年の海外旅行はどうする?思わず旅に出たくなる危険な本ランキングベスト10を決定しました!

旅に出たくなる本ベスト10を元世界一周チャリダーたか(@viatortaka)が選別したところ、以下の10冊となった。有名どころばかりで手に取ったことがあるものが大半かもしれないけれど、逆にまだ読んで …

「空へ ~エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか~」が類稀なる面白さ![登山遭難本の感想]

衝撃の内容だった。エベレストに関する本のなかで群を抜いている…… 空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか (文春文庫) posted with ヨメレバ ジョン クラカワー 文藝春秋 2000-12 …

林業の現状を知るためのおすすめ本

田舎に住みたい、ということは書き続けている。田舎といえば第一次産業。クラークさん曰く、農業、林業、漁業、鉱業が該当する。 林業の現状はどうなのよ?ということで、林業に関する本を読み始めた。その中でおす …

暗号解読~ネット社会は暗号で成り立っている

フェルマーの最終定理が面白かったので、著者サイモンシン訳青木薫のペアの著書をもう一冊手に取る。暗号解読。これも滅法面白かった。 ・数学の面白い本:著者サイモンシン訳青木薫「フェルマーの最終定理 暗号と …

ゲーム作家になりたい「小学4年生の世界平和」のようなボードゲームが作るのが夢

どーも。ボードゲーム普及委員会代表の自然人タカ(@viatortaka)です。ボードゲーム好きのメンバー募集中です。 最近ボードゲーム漫画の放課後さいころ倶楽部関連でエントリーを幾つか紹介している。 …

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。