若者が行政に参加する仕組み:ヨーロッパのユース議会と山形県遊佐町の少年議会

人口というファクターは確度の高い情報である。2013年3月には日本の生産人口は8000万人を下回った。

少子化と高齢化が進む流れは加速していく。高齢化社会において一人一票の民主主義を押し進めていった先には、高齢者の票が多くなり、高齢者のための政策を立案する議員が当選し、高齢者優遇の政策のオンパレードになるのではないか。いや、もうそうなっているようにすら感じる。

そんな中で愛知県新城市では、若者が行政に参加する仕組みづくりのために「若者政策ワーキング」というかたちで若者が集まって会議を行っている。2015年からは若者による議会を発足させようという試みだ。

若者が行政に参加する仕組み:ヨーロッパのユース議会と山形県遊佐町の少年議会

ヨーロッパのユース議会

若者が行政に参加する仕組みには先例がある。ヨーロッパの新城市(訳すと新城になる)であるイギリスのニューカッスル・アポン・タイン、スイスのヌシャテル、ドイツのノイブルクなど。

それらの都市ではユース会議という制度があるのだ。

イギリスのニューカッスル・アポン・タインの青年議会

市の人口:約30万人
青年議会の年齢:11歳~18歳
議員定数:40名
選出方法:選挙
予算:5,500ポンド(約935,000円)
青年議会の実績:
・若者の公共交通機関の低料金化
・若者が自由に使える屋内施設の設置
・休眠施設の利用提案(スケボーパーク等)
・若者と老人が触れ合うイベント企画

スイスのヌシャテルの青年議会

市の人口:約5万人
青年議会の年齢:16歳~25歳
議員定数:40名
選出方法:選挙
予算:35,000ユーロ(約4,900,000円)
青年議会の実績:
・年20回のイベント企画
・ユースカード作成(買い物等優遇)
・老人訪問
・子どもの権利会議開催

ドイツのノイブルクの青年議会

市の人口:約5万人
青年議会の年齢:11歳~21歳
議員定数:16名
(11歳~16歳が8名)
(17歳~21歳が8名 リーダー含む)
選出方法:選挙

山形県の遊佐町の少年町長と少年議会

ヨーロッパは先進的である。世界の新城市の例を挙げたが、イギリスでは全英青年議会があることから、各都市に青年議会があると予想される。

それに対して日本では山形県遊佐町に少年議会がある。遊佐町在住・在学の中学生と高校生の中から「少年町長」と「少年議員」を直接選挙で選び少年議会を開催している。

・遊佐町少年議会のHP
遊佐町少年議会10年の歩み(pdfファイル)

若者が行政に参加する仕組み:ヨーロッパのユース議会と山形県遊佐町の少年議会2

遊佐町では、若者の力によるまちづくりを目指し、遊佐町在住・在学の中学生と高校生の中から「少年町長」と「少年議員」を直接選挙で選び少年議会を開催します。

 少年町長と少年議員は、遊佐町の若者の代表として「中学生・高校生の政策」を議論し決めていきます。町では、その政策を尊重し実現を図り、また少年町長と少年議員は、自分達の決めた政策を実現します。

遊佐町の少年議会

市の人口:約1万5000人
少年議会の年齢:12歳~18歳(中学~高校生)
議員定数:11名
選出方法:選挙
予算:450,000円
少年議会の実績:
・音楽イベント「遊佐ROCK」開催
・駅前商店街の空き店舗を活用した喫茶店開店
・遊佐町のB級グルメづくり催
・遊佐町デザインポスター作成

若者を行政に参加させる意義

議会ではないけれど、福井県鯖江市ではJK課を設立して女子高生が行政に参加している。

女子高生を行政に参加させるためにJK課をつくった福井県鯖江市の試みが先進的!

女子高生を行政に参加させるためにJK課をつくった福井県鯖江市の試みが先進的!

日本の人口分布において若者の割合が減少していく中で、こういった試みの意義は大きい。

若者の中で選挙を経験することで投票率があがるかもしれないし、そこで立候補した若者が政治家を志すかもしれない。

1863年にリンカーンが演説で「人民の人民による人民のための政治」という言葉を放った。それは民主主義の本質をついたものとされた。しかし少子化と高齢化が進む日本では、「老人の老人による老人のための国」となりそうである。

35歳以下は一人二票の投票権を持つ、とか考えたこともあるけれど、そんなウルトラCみたいな技ではなく、若者がもっと行政に参加する仕組みが普及したらいいと思う。







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管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。