サトリ世代と呼ばれる若者のお金の使い方は本当におかしいのか?[NHK 週刊ニュース深読み2013年12月21日放送:景気のカギは若者にあり]

先週の週刊ニュースでは「景気のカギは若者にあり」という題目で、若者のお金の使い方を含めた価値観についてお偉方が話し合っていた。

欲しいものはなに? 景気のカギは若者にあり – 放送内容まるわかり! – NHK 週刊 ニュース深読み

「若者のお金の使い方がまじで変わってるんだって!」という話が友人から出ていたので、番組を見てみることに。

友人からその話が出たとき、僕らはもう若者ではないのか・・・、とがっくりきたわけだけれど、番組でも若者は20代全体までを指しているようであったことは書いておく。僕もぎりぎり若者世代!

ゆとり世代から呼称が変わり、サトリ世代と呼ばれる若者

サトリ世代と呼ばれている若者たちがいる。コトバンクの用語を見てみよう。

さとり世代とは

堅実で高望みをしない、現代の若者気質を表す言葉。インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で生まれ、広まった。1980年代半ば以降に生まれ、主に2002~10年度の学習指導要領に基づく「ゆとり教育」を受けた世代に当たる。

具体的な特徴として、「車やブランド品に興味がない」「欲がなく、ほどほどで満足する」「恋愛に淡泊」「海外旅行に関心が薄く、休日を自宅やその周辺で過ごすことを好む」「節約志向で無駄遣いはしないが、趣味にはお金を惜しまない」「様々な局面に合わせて友達を選び、気の合わない人とは付き合わない」などが挙げられる。

この世代は、高度成長期後のモノが十分に行き渡っていた時代に生まれ、物心ついたときにはバブルが崩壊し、不況しか知らない。一方で、情報通信技術の進歩と共に、当たり前のようにインターネットに触れてきた。このように成熟した時代に多くのネット情報に触れる中で、彼らは現実的な将来を見通して悟ったようになり、無駄な努力や衝突を避け、過度に期待したり夢を持ったりせず、浪費をしないで合理的に行動するようになった、と見られている。

僕はサトリ世代には入らないけれど、具体的な特徴はけっこう当てはまっている気がするのよね。「海外旅行に関心が薄い」以外はだいたい該当しているし、番組を見ていても、若者の感覚に納得していた。

若者のお金の使い方と価値観

番組内で寄せられていた若者の意見の中で、印象的だったものを2つ挙げる。

・物欲がない。欲しいものがない。
・お金を使うことに罪悪感がある。

お金があんまりいらないのよね。楽しいことの源泉がお金になっていないことがよく伝わってくる。もちろん生きていくことにお金が必要なのは百も承知しているのだけれど、働く時間を増やしてまでもお金を稼ぐよりも、生きていける額が稼げるのであれば他は自由な時間を使った方が幸せなことが分かっているのだ。

番組内で、「都心に住む若者が年に何度も熱海に旅行へ行く」という話があった。熱海で何をやるのかと言うと、カラオケへ行ったり麻雀をしたりお酒を飲んだりと都心でもできることをする。

番組内のお偉方は「え~」といっていたが、僕は友人と熱海に行くのが分からなくはない。かくいう僕も学生時代は和歌山で都心在住の先輩らと雀荘に行ったりしていた。東京でも行けるのに・・・

金銭による付加価値をどう捉えるか

収入は限られており、将来的に年金や介護を含めて金銭の不安はまったく解消されない。かといって猛烈に働いても幸せになれない。とすれば、現在の収入内でどうお金を使ったら幸せになれるか。

友達と一緒にいたりSNS等で繋がっているときは最も楽しい時間の1つ。当然、金銭はそこに費やすこととなる。SNS等での繋がりに関しては、スマホやネット環境を整えてしまえば、そこまでお金がかからない。月5000円~2万円あれば十分である。よってお金の使いどころとして友人と一緒にいる時間がある。

基本的には友人と一緒にいられればいいという点がある。いろんな友達と長いこといられた方が楽しい。そんなときにどうやってお金を使うか。

例えば、であるが、友人との交際費が月に2万円あるとする。その人や相手によってもちろん変わってくるが、楽しさと使うお金を数字にしてみよう。

・友人とカフェ 楽しさ100 300円
・友人と飲み会 楽しさ130 3000円
・友人と熱海旅行 楽しさ180 15000円
・友人と海外旅行 楽しさ250 40000円

楽しさの数字と値段は適当につけたけれど、交際費の2万をどう割り振ったらよいかを考える。もしもこんな感じの数字だったら海外旅行とか行かないよね。友人と飲み会に何度も行った方が楽しいじゃん。カフェと飲み会を中心に構成して年に2~3回熱海旅行へ行く、という選択肢が出てくる。

予算や何に楽しみを見出すかは人それぞれだし、上の楽しさの数字と予算は適当だけれど、低予算をやりくりする感覚は当たっていると思う。僕が今はまっているボードゲームは1000円ほどで丸1日を多くの友人と遊べる最強にコスパの良い遊びの1つで、満足感は非常に高い。

・友人とボードゲーム 楽しさ150 1000円

みたいな。

若者の感覚はまっとうで正しい

給料はあがらない、いつ職がなくなるか分からない、という状況下で、お金を使わないように楽しさを追求するという若者の感覚は正しいでしょ。

どちらかといえば、借金がありまくりなのにさらに借金を増やしていく政治を行っている政治家(年配の方々に選ばれている)の方の金銭感覚の方がおかしいのではないかと。

個人的にはサトリ世代の感覚は時代にマッチしていて正しいと感じる。

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管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。