貴志祐介との出会いは川だった。
大学1年生のときの夏、僕はカヌー旅に出ていた。奈良県の吉野川、山口県の錦川、熊本県の川辺川・球磨川を、カヌーをかついで青春18切符で移動した。そのときにお世話になった3人の先輩は本好きであった。故に、カヌーで川を下る以外の自由時間は、川辺ではもっぱら読書にいそしむこととなる。
そのときに先輩らが持っていた本の中に貴志祐介の「天使の囀り」があり、夢中になった。すぐに彼の本を読み漁ることとなり、当時刊行されていた本は貪るようにすべて読んでしまった。
中でも特に好きなのは、RPGをプレイしているような感じがたまらない「クリムゾンの迷宮」。本にも関わらず、自分で行動を選択していくというところが面白かった。しかし、それ故にストーリーが分散され、物語の密度が薄まった印象はある。
今回読んだ「新世界より」はクリムゾンの迷宮のような行動を選択する趣向はなく、一本のストーリーがしっかりと書きこんである作品。のめり込んだ。
気付かぬうちに「悪の教典」や「狐火の家」などといった、まだ読んでいない幾つかの貴志祐介の本がある。貪るように彼の著書をすべて読み終えたとき、もうないのか・・・と感じたことを思い出すと、楽しみが残されているのは幸せなことだ。
再び貴志祐介ワールドに戻りそうな予感がぷんぷんする。
「新世界より」で出てくるツチボタル
「新世界より」では洞窟の中で光るツチボタルが出てくる。
「星みたいに見えるけど、全然、瞬いてない。いったい何なんだ、あれ?」
という言葉の正体。そのツチボタルとは、グローワームといい、ニュージーランドなどに生息している。ニュージーランドに行ったときに見てきたので、写真を載せておく。
後ろにある緑色の光がツチボタル。洞窟内に流れる川を下りながら見るのだけれど、写真に写っている数よりもずっと多く、満点の星の空を見ながら川を流れに身を任せている感じ。ニュージーランドの北島のワイトモの洞窟ツアーに参加すれば見られる。おすすめ!!
貴志祐介のおすすめ著書
クリムゾンの迷宮
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 2,267
新世界より
講談社 (2011-01-14)
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売り上げランキング: 4,479
黒い家
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天使の囀り
角川書店(角川グループパブリッシング)
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青の炎
売り上げランキング: 3,368
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