飛騨古川の里山オフィス「末広の家」にメディアキャンペーンで泊まった。
・飛騨古川の古民家:数寄屋づくりの里山オフィス「末広の家」に泊まってみた!
それを宿泊したメンバーがそれぞれレポートしていくという企画を立てた。最後となる第八弾はの忙しすぎるテレビディレクターによる記事である。
テレビ番組製作者は飛騨古川の古民家で何を思うのか
その日、飛騨古川には季節外れの雪が降っていた。
東京から電車にゆられることおよそ4時間。春分の日を迎え、東京はずいぶん暖かくなっていたこともあって、ずいぶん遠くに来たんだなあと思ったことをよく覚えている。
駅の改札を抜けると、さっそく古い街並みが広がっていた。
雪を溶かすためだろう、道路のあちこちから吹き出す温水をうまくよけながら、のんびりと歩く。しばらくすると、突然に末広の家が現れた。
正直、存在感はあまりない。
ぼんやりと歩いていたら、はじめ気づかずに通りすぎてしまったほどだ。しかし、改めて眺めてみると、そうした存在感のなさこそが、末広の家の良さだと気づく。
古い日本家屋の外観は凛としていて、どこか懐かしさも感じる。
観光地で時々見かけるリゾートホテルのように景観を乱すようなことはもちろんなく、完全に街に溶け込んでいるからこその、存在感のなさ、なのである。
考えてみれば元々ここにあった民家を改装してるのだから、当たり前かもしれない。
格子の引き戸を開けて玄関をくぐると、そこにはこの企画の主催者を含め先客が3人。みんなネコのようにコタツで丸くなっていた。かくいう僕も、寒い寒いとコタツに入った…のも束の間、なぜか急に雪だるまを作ろうということになる。
雪だるまを作るなんて、みんな何十年ぶりか、という感じだったけど、童心に帰ってはしゃいでしまうような雰囲気というか、そうした気持ちにさせてくれる何かが、末広の家にはあった。
庭に積もった雪を転がす。
コロコロ、コロコロ。
手が冷たい。凍るように冷たい。
はっきり言って寒すぎるのに、みんなやたらと熱中してやめようとしない。「無駄にテンションが上がる」とはこういうことを言うに違いない。
コロコロ、コロコロ。
なかなか雪だるまらしくならなかったけど、形を整え、石や木の枝で目や口を作って、何とか完成。ブサイクだけど、愛嬌があってカワイかった。
その後、2人の客が加わった。すると、次にやることはまたすぐに決まった。
宴会。
末広の家には大きめのキッチンがついており、ひと通りの調理器具や調味料などがそろっているので、材料だけ買って料理をすれば、好きなものが食べられる。都合のいいことに、歩いて数分のところに、リーズナブルなスーパーや酒屋、肉屋もある。
せっかく飛騨に来たからには、飛騨牛を食べたいよね、むしろ食べない選択肢はないよね、ってことで、この日のメニューは焼き肉とモツ鍋に決まった。
みんなでわいわいと料理をする。6人もいると、料理は早いし、何より楽しい。
30分後、あっという間に夕食が完成した。
ただ、この日のメンバーはどうやらみんな飲んべえだったようで、料理ができるわずかな時間も待ちきれずに、先に乾杯しちゃっていたけれど。
改めて乾杯しなおして、宴会スタート。早速、焼き肉をパクリ。美味い。モツ鍋も一口。こちらも文句なく美味い。
そしてお酒。蓬莱という銘柄の地酒を3種類くらい買って、どれも美味しかったのだが、中でも新酒のにごり生酒が、超美味だった。
まだ発酵が続いているために微発泡しているお酒は、甘さと旨味に加え、爽快感とフレッシュさを兼ね備えていて、飲みやすい。
正直、これを飲むためだけに飛騨古川に行くべきと言っても過言ではない。日本酒好きはもちろん、日本酒が苦手な人にこそ、ぜひ飲んでもらいたい逸品である。(多分季節限定品だと思います)
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飲み食いしながら楽しめる、末広の家ならではのことがある。
それは、会話。
なんのこっちゃ、と思うかもしれないが、お店で食事をすれば、会話するにも他の客や店員に気を使わなければならない。でも、末広の家は一軒家をまるまる独占して使っているので、多少騒いでも誰にも迷惑はかからない。しかも、自宅とは違う非日常感も、話を大いに盛り上げてくれる。
社会人ともなると、仕事と家、それからせいぜい近場の飲み屋や遊び場と、生活の場所が固定しがちだからこそ、こうしたちょっとした非日常の時間が、とても楽しいものに感じられた。
今思うと何をそんなに話していたんだろうと思うが、午後8時頃始まった宴は、気づけば午前2時をまわっていた。午前3時過ぎ、宴に若干の名残惜しさがありながらも、ようやく就寝。本当に濃い一日だった。
と、ツラツラと末広の家の魅力書いてみましたが、百聞は一見にしかず。ちょっとでも興味がある方は、軽はずみに行ってみることをオススメします。
一緒に行ったみなさん、お疲れ様でした!また遊びに行こうね!
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