[チベット旅行]18.糸城の学校潜入とトリリンガルの学生の写真
「中国人?」 「んにゃ、日本人だよ。」 どうやら中国人でさえ珍しいようであった。これはチベットの学校を散歩していたときの学生との会話。理塘とシャングリラの真ん中あたりの糸城の学校である。この街は谷間を流れる川の近くの山を…
「中国人?」 「んにゃ、日本人だよ。」 どうやら中国人でさえ珍しいようであった。これはチベットの学校を散歩していたときの学生との会話。理塘とシャングリラの真ん中あたりの糸城の学校である。この街は谷間を流れる川の近くの山を…
道中で稀に桜を見かけた。まだ3月13日と日本の開花時期と比べて早いけど、桜に春を感じてしまうのは日本人の心だろうか。 「おーい、おーい。」 自転車に跨ってチベットの家づくりの様子を見ていると声をかけられた。 家はまさに桜…
結婚をお見送りした日の僕の体調は優れなかった。昨晩相当の疲労にも関わらず、おもてなしに誠心誠意対応したために疲れがモロに出たのだと思われる。ノロタ君と相談し、ここはヒッチハイクで進むことした。道中の車に声をかけ続けること…
理塘から45km走って来た。今朝は鳥葬を見てからの出発であったため、そのときには20時近くで辺りは完全な闇に包まれようとしていた。道を逸れたところに村があり、そちらに宿と食堂があることを願って向かう。村の入り口で、5人程…
理塘から西進すると間もなくチベット自治区に入る。理塘から大きな道が北と南に出ており、自治区に向かうかの分岐の町と言える。思い切って西に向かうのか、はたまた北か南に逸れるのか、すぱっと諦めて東に戻るのか、悩みに悩んだ。いろ…
鳥葬、って聞いたことありますか? 日本で人が亡くなったときに行う葬令の多くは火葬である。世界には様々な形式の葬令があって、例えば土葬は日本でも近代までは一般的であったと言う。僕が見たことがあるものは、2006年にインドの…
昨晩はチベット人の家に泊まらせてもらった。朝ごはんを食べさせてもらい、9時半頃に見送ってもらったのだ。そして走り出して5分後のことだった。まだ町から抜け出しておらず、道の両脇に土色の家が並んでいる。その一角から手招きして…
標高4000mを超える絶景の道を下った後、小さな町があった。その町には宿がなかったので、商店で食糧を買いキャンプ出来る体制を整えた。聞いてみると一山越えた10km先の町に宿があるという。疲労困憊だったので、出来ることなら…
思わず叫んでしまった。僕の声は木霊せず、連なる山々の間に吸い込まれていった。標高4000mを越える尾根伝い続く道は遮るものなど何もない。場所によっては道がどこまで続いているのか皆目見当つかないほどに見渡せた。時折姿を見せ…
「チベット自治区を自転車で走るのを止めることにした。」 雅江で警察から解放されて昼ごはんを食べているときに、フランス人のセルスがこう切り出した。ロシア人のヴィタリーも同様に止めると言う。なぜかと問うと、1点は思った以上に…
雅江に20時頃に辿り着くと、暗い道の中で前を走っていた2人が忽然と姿を消した。警察に捕まっているのが見えたのでさくっとスルーしても良かったのだが、特に悪いことをしているわけじゃないので、僕もそこに寄っていった。一体なんな…
漠然と考えていた計画があった。康定からラサまでは1850km。ビザ取得に1日。毎日80kmで進んで23日。ラサ~ネパールまでがツアー探しと移動で6日。これをベースに動いていけばネパールまで行けそうだ。 標高約4300mの…
週末が過ぎて月曜日が訪れた。ここ数日に引き続き天気は上々。相変わらず風は強く、自転車で漕ぐときにどちらの方向から風が吹くのかは気がかりであった。 朝一番に3人でビザの延長を申し込み行く。9時を数分過ぎた頃にオフィスの雨戸…
事前に全ての情報を得られることなどないのだ。歩きながら情報を集め、その都度最善と思う判断をしていくしかない。振り返ってあのときこうしておけば良かったなどは無意味。ただ、振り返って次に活かすことは必要である。本日の選択は吉…
チベットを自転車で走る大きな問題の1つにビザがある。香港で1ヶ月ビザしか取れなったので、このビザをうまく使ってチベットを抜ける必要がある。中国はビザの1ヶ月間の延長は2回まで出来るので、それを活用しないわけにはいかなかっ…
目を覚ます。身体は温かいのだが、顔だけを冷蔵庫に突っ込んでいるのではないかというように冷たい空気に触れていた。成都から出て4日目になる夜は、テントを張らずにマットの上に寝袋の中に包まって寝ていたのだ。傍から見れば、蓑虫の…