トルコのイスタンブールからヨーロッパに向けて走りだして始めて出会ったサイクリストがロバートだった。トルコの道中ですれ違ったとき、彼は息子のティムと一緒にイスタンブールを目指していた。ドイツ人の彼らは家から走ってきたらしい。19歳の息子と共にサイクリング出来る父親って素敵だなって思った。
「茶でもしないか?」
目の前の茶屋でトルコ特有のカップに注がれたお茶を御馳走になった。地図を広げてお互いが走ってきたルートを説明し合う。今までに走った場所やこれから行く場所を聞かれてドイツへ行くことを伝えると、我が家はいつでもウェルカムだよ、と言ってくれた。
フェイスブックで繋がった。僕が掲載しているユーコン川の写真を見て、昔同様にカヌーで下った経験があるロバートは懐かしいとメッセージをくれたりして、ちょくちょくやり取りをしていた。そういった経緯があったので、実際にロバートが住んでいる街を通ることになったとき、泊まりに行っていい?と聞きやすかった。実際には会っていた時間は1時間くらいだったけれど、それが気にならない気軽さがあった。
勿論ウェルカムさ、と応えてくれたので、僕は友人2人と一緒に彼の家にお世話になることにした。15時を過ぎた頃に彼の家を探し当て、ピンポンを押した。携帯電話が普及した現代でピンポンを押すことは、幼少期を思いだして懐かしい気持ちだった。奥さんを紹介してもらって家にお邪魔させてもらった。
再会の挨拶を終えて荷物を運び込んだ後、早速シャワーを浴びるか聞いてきたロバートは流石に良く分かっている。キャンプ生活を続けて来た僕らが欲しているのはシャワーで、自分たちの臭いが気になっていた。ま、もしかしたら臭ったから聞いてきたのかもしんないけど。
シャワーを浴び終えた僕らに奥さんが聞いてきた一言は、洗濯物があれば洗うわよ、と。いやー、本当によく分かっているなあ。気遣いと優しさに感動してしまう。素晴らしい。
お茶を一緒に飲んでいるときに、今夜は年に一度の近隣パーティーがあるんだ。このタイミングで来るとはラッキーだね、と言われる。僥倖!
パーティーが始まった。アフリカに在住していたお隣さんからいろいろ話を聞く。
皆が料理を持ち寄る。
いただきます。
ご近所パーティーと言えばバーベキューだよね。
さあ、夜の時間が始まるぞ。
踊れ踊れ~。酔いが回っていく。
スイカ割りのようなゲーム。目隠しをしてぐるぐる回り、目標物に棒で触れたらゴール。
奥さんが男性陣の太ももを触っていき、どれが旦那か当てるゲーム。旦那バージョンもあり。みんなくすぐったいのを堪えるのに必死。かなり盛り上がった。
水の中に浮かべられたリンゴを口で咥えるゲーム。
始めてにしてはかなり早かったっぽい。びちょびちょ。
ミッションコンプリート!
こうして夜は更けていった、、、
翌朝の茹で卵。この容器が気に入った。
お別れのとき。
自転車道のスタート地点までロバートが送ってくれた。
そこにあった自転車の看板の真似。
どんどん人が集まって来て、みんなで真似っこ。
たった一度の、ほんの一時間の出会いから始まった。世界は優しさに溢れている。優しさの輪が僕のところで途絶えないように、日々精進したい。
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