どーも。若者政策を応援する会代表の三十路越え侍タカ(@viatortaka)です。jyar
2017年4月9日、愛知県新城市で姜尚中(カンサンジュン)氏による「若者の未来と若者政策について」の講演があった。その司会を僕が引き受けることとなり、聴衆ではない立ち位置で姜尚中さんの話を聞けることになった。
冒頭に相模女子大学教授の松下啓一先生のあいさつ、第一部は若者議会の活動報告として第一期議長の竹下修平氏と第二期議長の村松里恵氏が話をした。そして第二部が姜尚中さんの講演となっていた。
司会進行にあたって各人の話が終わったら適当にコメント付けくわえてね、と言われていたものの、気の利いたコメントができる自信はない。コメントなしで差しさわりなく終えようと思っていた。
しかし姜尚中さんの講演を聞いている内に自分自身の若者議会への気持ちが膨らんでいく。進行が予定より早かったこともあり、コメントを入れてみようかと思い始めた。
内容を整理して話を組み立ててからコメントをしたかったが、姜尚中さんの生の話を聞き逃すわけにも行かず、えいやとコメントを挟んでみる。噛み噛みのメッセージは今回の講演中でもっとも拙いものとなって聞き苦しかっただろうが、良き司会経験を積ませていただいた。
そのときに感じたことを改めて文章にしておこう。
姜さんが何度も口にしていた言葉である原体験。僕自身も自転車世界一周を含め、数多くの原体験から自身の価値観を形成してきた。若者議会の立ち上げのきっかけには竹下修平という男がおり、それは彼が世界新城アライアンス会議での海外の若者との違いという原体験がもとになっている。帰国したのちに彼がユースの会を立ち上げ、その活動が穂積市長の目に止まったことが若者議会発足の原因の1つなのは間違いない。
若者議会の第一気メンバーと第二期メンバーを合わせると40名を超える。そのうち半数が高校生だということは1つの特徴であり、彼らにとって若者議会はまちづくりの原体験である。大人と議論をかわすこと、市長に答申すること、メディアの取材を受けること、そして政策を考えること。
そういった活動をする機会は日常では少ない。だからこそ、その原体験には大いなる価値がある。その経験から派生する考えや行動は新城市の未来に、日本の未来に繋がっていくものだと信じてやまない。
第二期議長の村松里恵さんが、成長という言葉を口にしていた。彼女は若者議会議長として数多くのところで話をしており、16歳にして卓越したプレゼンテーション能力を身に付けた。それはマニフェスト大賞受賞時に、数多くの大人の中でプレゼン大賞を受賞していることがなによりの証左。
僕は若者議会の立ち上げから関わらせてもらい、メンターという立場で1歩引いて若者委員をサポートしてきた。感じていることの1つは、若者委員として1年を過ごしたとき、彼らは化ける。特に高校生は若者議会に関わった当初と比べるとまるで別人といって良いくらいに成長する。若者議会の目的は若者の視点で政策を立案することだが、波及する価値がそこにもあると思う。
そして姜さんが言っていたことに、若者の人格形成等においてイニシエーション(通過儀礼:集団や社会で、正式な成員として承認されること)は大切なことであり、日本社会において通過儀礼が減っていること。それは学校だけでは賄いきれるものではなく、地域社会における理解ある受け入れが必要であること。若者議会は若者の通過儀礼の1つに成りえる可能性を秘めている、と。
僕は若者議会、ないしはそれに準じた取り組みが多くの自治体に普及すると良いと感じている。全国の若者の通過儀礼の1つにしたい。マニフェスト大賞を受賞したことは、それを多くの人が感じているからであろう。その普及に一役買うのが今回の若者政策セミナーの趣旨となっている本。実はこの姜さんの講演は出版記念のイベントであり、今回出版された本に若者議会運営のノウハウがまとめられている。
「自治体若者政策・愛知県新城市の挑戦―どのように若者を集め、その力を引き出したのか (市民力ライブラリー)」
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僕も少しだけ書いた部分があり、後ろの方に名前が載っている。
最後に姜尚中さんとのツーショット写真と姜尚中さんの本を紹介して終わりにしよう。ちなみに姜尚中さんは早稲田大学の先輩であった。
学びの多い時間だった。
ちゃお!
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