田舎に住みたい、ということは書き続けている。田舎といえば第一次産業。クラークさん曰く、農業、林業、漁業、鉱業が該当する。
林業の現状はどうなのよ?ということで、林業に関する本を読み始めた。その中でおすすめの2冊を紹介する。
日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く 梶山恵司
日本経済新聞出版社
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国家戦略室審議官として民間任用され、林野庁の「森林・林業再生プラン」草案した梶山恵司さんによる一冊。
梶山恵司さんの経歴
2011年11月 富士通総研復職
2009年11月~2011年10月 内閣官房国家戦略室員・内閣審議官(富士通総研退職)
2001年6月 (社)経済同友会出向(2003年5月まで)、規制改革会 議専門委員
1999年4月 (株)富士通総研入社
1990年12月 (株)日興リサーチセンター入社
1981年4月 外務省入省
1982年~1984年 ドイツ・チュービンゲン大学留学(国際経済論)(外務省研修生)
1981年3月 慶応大学大学院修了(独語学)
コンサルタントが考える林業
林業を主にデータから紐解いている。コンサルタントらしい指摘がまとめられている。
日本の林業が衰退した理由に始まり、先進国でも林業が盛んなドイツやオーストリアやニュージランドといった国と比較しながら日本の林業に可能性があることを示唆する。
供給・需要のマネジメントの観点からみた林業が知ることができるので、おすすめする2冊を両方読む予定ならばこちらを先に読むと良い。
日本林業を立て直す―速水林業の挑戦 速水亨
日本経済新聞出版社
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林業を生業としている速水亨の著書。日本林業の最先端を走る方がどのような考えで林業に携わり、どのように林業を捉えているかよく分かる。
先に紹介した梶山さんが考える木材単価と、速水さんが提示する木材単価の違いなどに注目すると、外から見た方と内から見た方の感覚の違いが浮き彫りとなる。
速水さんは言う。
「私たち林業家にとって、「明日」とは5年後のこと、「来年」となれば20年先くらいのことを考えるつもりでなければ勤まらないということだ。」
持続可能な森林を維持すること
上記の2冊の本がどちらも「持続可能な森林の維持」を主張している点は注目に値する。100年先の森を見据えて林業をしていかなければならないのだ。
林業はビジネスであるけれど、その元となる森林の役割はビジネスに留まらない。人や動物が生きていくのに必要なものなのである。
林業の問題点として、持続可能な森づくりをする林業家が、違法伐採や持続可能な森を考えない人に圧迫されることがある。持続可能な森林を形成するためには木を刈ったら植えねばならない。それを考慮しないものは切るだけで良い。
当然切るだけの方が安価である。するとそちらが売れる。そしてしっかりと将来を考えている林業家が苦しくなるのだ。そうやって世界の森林が減り続けていると考えると、この問題は地球規模である。
それはさておき、上記の2冊は林業の現状を知りたい、という方におすすめの本である。
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