高級ホテルに泊まった翌日。朝7時頃にホテルを発ち、日が暮れるまでに113.8km走った。疲れが取れたのと、バンコクで洪水という情報を入手したため早めに行って状況を確認しようと思ったこともあり、この日は頑張った。
風に背中を押してもらい、快適なペースで国境の町ポイペトに昼前に着いた。カンボジアの出国手続きをして、タイへの入国手続きに進む。出入国カードに「タイでの滞在先の住所」という項目を記入する欄がある。
しまった。適当に書くタイの住所をメモってくるの忘れた。ガイドブックを持っていれば、その中の宿の住所でも書いとけばいいんだけど、生憎そんなものは持っていない。
それでも、自転車による陸路の出入国は結構ゆるいことが多く、南米では別に書かずとも大丈夫だった。今回も別になんとかなるだろうとは思ったが、一応気の良さそうなおっさんが係員の列に並び順番を待つ。どこ行くんだ、日本出身か、と気さくに聞かれ、これはいけそうだと感じていると、「で、滞在先はどこだ」と激しく突っ込まれる。適当に言い逃れようとしても、「住所は!」と追及の手をゆるめない。挙句の果てに調べて来い、と。
えーーー?????
どうやって調べろと。
結局見知らぬ人に声をかけ、タイの適当な住所を教えてもらったのだが、それに30分くらいかかった。
はっきり言ってこの制度意味ないでしょ。 だってそもそもその人がそこに行くかなんて分からないし、タイにいる間にいろんなところ移動するはず。記入する住所は一つ。ガイドブックにだって、適当に住所を埋めておくこと、なんて書いてある。無意味!係員の人だってそれをわかっていて、30分くらいかけて戻ってきたら、住所なんてほとんど見ずにスルーだし。どっと疲れを感じた。はぁ。
やや憤慨してビザを見ると11月10日まで、となっている。数えてみると14日間。あれ?????1ヶ月じゃなかったっけ。後でよくよく調べてみると、ビザを取らずにタイへの空路での入国は1ヶ月間、陸路入国は14日間の滞在期間が上限。知らなかった、、、でも、改めて考えてみると、なぜ期間を分けるのかなあ。別に両方1ヶ月でいいでしょ。
国境を跨ぐと右側通行が左側通行にいきなり変わる。車両がクロスするから驚いた。タイは日本と同じ左側車線で、車は右ハンドルが主流。そこから少し歩くと、数多くの店が立ち並ぶ様子が見える。カンボジアとは雰囲気が違うぞと思い、近づいて店を眺めると、カンボジアに比べて品物の種類が数十倍になっている。すごいよ、タイ。
ふらつくこと数分、セブンイレブン発見!思わず自転車を置き、店内に入る。ひんやりした空気が体を纏った。冷房が利いているよ、冷蔵庫で飲み物冷やされているよ、と文明の力に感動する。
早速自転車を走らせてバンコクの方へ向かうと、、、片側2車線に中央分離帯がある!路肩幅も豊か。道の脇を見ても、水没しているものは何一つない。きっと排水設備が全然違うのだろう。カンボジアとの格差に驚くばかりだった。
タイでは道の脇にテントを張れそうなところもちょくちょく見受けられたので、せっかくだから東南アジア初の野営をしてみようと思った。昨日は高級ホテルに泊まったし、経済的な面も考えてのこと。夕暮れ時に屋台が立ち並ぶところがあったので、そこで晩飯を調達して道の脇の草影に入る。100m程道路から離れて四方のうち三方が高い草に囲まれているところにテントを張った。
しかし兎に角暑い。テントの外にいても汗はだらだらと流れる中、テントの中に入ろうものなら蒸し風呂にいるような状態。買ってきたものをテントの外で食べるが、足から登ってくる蟻と空を舞う蝿のコンボに悩まされる。かと言ってテントの中にはとても入れたものではない。汗を絶えず拭いながら、飯を歩き回りながら平らげた。
暑いのは仕方がないとテントの中で横になり、耐える。夜半には気温も下がってきて、なんとか寝られる程度になった。東南アジア初の野営は思った以上に難儀した。
ここがカンボジア側の国境の手前。DEPARTUREで出国手続きをしてからタイ側へ行く。
国境のタイ側の店。カンボジアでは見なかった品物がいっぱい。
タイの幹線道路の様子。舗装状態も非常に良好。
タイ入国後の初めて食べたご飯。ライスヌードルは20バーツ(60円弱)だった。普通に美味しい。
自転車を走らせていると、夕暮れ前にお腹が減った。道の脇に並ぶ屋台をのぞいてみると、、、上はいもむし、下はイナゴを揚げたもの。食べる勇気が出なかった。
炒飯30バーツ(90円弱)。タイ米はパラパラしていて炒飯によく合う。これから何度も食べることになる炒飯は安定して非常にうまい。
飯屋でからんできたすごくテンションが高かったおばちゃん。「I don’t know speak English」を連呼していた。 数十回連呼した後に走って去っていったので何かと思ったら、辞書を持って帰ってきた。僕が炒飯を食べている横で一生懸命辞書を捲っている。
食べている最中に初めて発した言葉は「See you again」。ぷっと吹き出してしまった。それはお別れのときに言う言葉でしょ。もう帰って欲しいってことかいな。再び辞書で長いこと調べた後に発した2言目は「playboy」。そしておばちゃん一人で大爆笑。失礼な、、、
なんだかんだユーモアがあるおばちゃんだった。難を言えば、息がくさかった、、、
夕暮れ前。
夜御飯はこんなんを買ってみた。腸詰っぽい味。
それと右側のスープにした。味はいいのだが、思った以上に辛かった。
売り場のおばさんと子供。
高い草に囲まれて視認性が悪いところにテントを張った。蟻と蚊の多さに悩まされた。
お、ポイペトの国境なつかしいね。
ところでその「テンション高いおばちゃん」って、おじちゃんじゃないか?
タイでは結構会うよ、おじおばちゃん(笑)