15世紀から17世紀にわたって大航海時代があった。あの頃はまさしく「冒険」という言葉にふさわしい移動が行われていた。
1953年にエベレストが英国探検隊の登山家エドモンド・ヒラリーとシェルパテンジン・ノルゲイによって初登頂がなされ、地球のほとんどの場所を人類が到達したこととなる。現在で残されている未開の地といえば深海と宇宙だろう。
そういう状況になってからは、冒険とは縛りプレイになった。エベレスト無酸素登頂とか、80歳でエベレスト登頂とか、気球で太平洋横断とか、リヤカーを引いて徒歩で世界一周をしたりとか、サハラ砂漠をラクダで横断したりとか、様々な形で制限をつけて冒険にするのである。
エベレストは酸素ボンベを使ってツアーで行ける時代だし、太平洋横断は飛行機ですればいいし、世界一周だって車と飛行機を使えばいいし、サハラ砂漠もジープで走れる。そこをあえて縛る。より条件を過酷にして挑戦するのだ。
そういった未知の状況を作り出し、わくわくを増やして楽しむ。
僕が行った自転車世界一周は冒険とは思わないけれど、バックパッカーでする世界一周と比べれば冒険的要素は増えており、冒険チックである。冒険を定義づけて、これは冒険であり、それは冒険でないという話がしたいわけではない。旅に冒険的要素を増やすために縛りプレイをするということだ。
そういう意味で、廃品で船を作って世界一周をするという発想に感動した。
アーティストのSwoonさんが始めた冒険企画。写真を見てもらうのが分かりやすい。
楽しそうすぎる。これも1つの冒険と呼んで差し支えがない。
今や冒険とは発想力なのだ。
コメントを残す