まずはじめに・・・
僕が社長になったわけじゃないよ!!!
ジャスダック市場最年少で上場した社長、家入一真さんの本のタイトル。かわいいおじさんがロゴになっているサーバーレンタルサービスのロリポップや、読んだ本を記録できるサイトのブクログの生みの親。
こんなことやったから成功したんだ!といった感じではなく、「つい最近まで、誰にも打ち明けられずにいた」という過去に重きをおいた、1人の人間の物語。目の前のものから逃げて、立ち向かって、逃げて、立ち向かってと葛藤を繰り返す。
エピローグの中の家入さんの言葉。
逃げることは、決して悪いことじゃない。前に進めなくて立ち止まるくらいなら、全力で後ろ向きに走ればいい。尻尾を巻いて逃げてしまえばいいのだ。
世の中は広い。地球は、途方もなく大きい。どんな人にだって、どこかにきっと、何も恐れることなく、ハッピーに暮らせる場所があるはずだ。前に進まなくたって、逃げたって、生きてさえいれば、きっといつか、そんな場所にたどり着く。逃げることは、決して悪いことじゃない。
貧乏、イジメ、登校拒否、ひきこもり、両親の離婚といった経験から導き出された想い。著者らしさがふんだんに盛り込まれており、引き込まれる。
僕がギョっとしたのは、家入さんがいじめられるきっかけ。中学二年生のときに仲の良かった友達に言った一言は、
「おまえ、チン毛生えとっちゃが」
ここからイジメ、登校拒否、高校中退へと繋がってゆく。彼自身、この言葉を口にしたことや、そのあとの自分の態度について問題があったと言及している。ただそれでも、ささいなことから始まるイジメの恐ろしさが心に引っかかった。
明らかに自分の行動に原因がある場合があれば、そうでない場合もある。ちょっと歯車がくるったところから始まるイジメによって、登校拒否に人間恐怖症と1人の人生が狂ってゆく。なんという脅威。
とまあ話はそれたけれど、よくある社長本とは一線を画している。面白かったなり。
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