チリの汐見荘の海鮮と、日本人宿のメリットデメリット[ビーニャデルマル vina del mar]

チリの首都のサンティアゴより西に150km程行ったところにビーニャという大きな町がある。海沿いに位置しており、魚介の産地。プエルトモンで自転車の旅を一旦終え、自転車をバスに積み、バスで移動。ゆっくりしたかった。

日本人宿の汐見荘というところに泊まって、うまいものを飽きることなく毎日食べた。プエルトモンまでの1ヶ月は日本語を全く話さなかったので日本語に飢えていたこともあり、日本人宿を選んだ。

日本人宿というものには賛否両論あり、せっかく海外にいるのに日本人で集まるのか、という考えもあるけれど、僕はそういう拘りはない。「せっかく」という思考はほぼなくなったように思う。時にはあった方が良いかもだけど、基本的にはそのときにやりたいことをやり、行きたいところに行けば良いんじゃないの、っていう考え方。

そのときの僕は日本語に飢えていたし、日本人の宿というのは安心する。盗難リスクが低い気がするし、文化的なバックグラウンドが同じなので居心地が良い。また、日本で会う日本人より話が合う確率が高い。旅という共通の話題があることはもちろん、生き方が似ているものあるのだろう。

南米まで来る旅人は職を辞めて来ている人が多くを占める。旅がしたいから辞めていて、旅が終わった後にどうするかが決まってない人がほとんど。皆近い境遇。なんで辞めてまで旅に、とか、今後どうするの、不安はないの、とかそういった類の段階はクリアしており、話がすっと核心部に行くのが気持ち良い。

1週間の海外旅行をしていると、外人に「日本人の旅行者は短い期間でせかせかしながら旅行をしている。」と言われる。2年間の旅をしていると、外人に「辞めて来たのか、いいな、すごいな。」と言われる。その外人というのは主に欧米人のことだけど、彼らの旅行期間は1ヶ月から2か月。バカンスの間の旅行なのだ。

本質的には同じである。日本人の多くは1週間しか休みが取れないから1週間の旅行なわけで、彼らは1ヶ月の休みだから1ヵ月の旅行。辞めて、という話になれば、「おお!」ということになるわけだ。それでも1週間と1ヵ月というのは大きな違いで、もし日本で1ヵ月の長期休暇が一般的なら、仕事を辞めて旅行をする長期旅行日本人バックパッカーの数は減ると思う。せっかく辞めたし、また働き始めたら長い旅に出れないから、だったら一気に、ということになるのだ。

1ヶ月の旅に出ようと思ったら、辞める、という選択肢になる日本。働き方が多様化してきて必ずしもそんなことはないのかもしれないが、僕の周りの旅好きの友人の多くはその悩みを持っている。1年に1回1ヶ月の旅が出来たら、仕事と生活にバランスが取れる旅人は増えるだろう。旅人にとっては残念な国日本。とはいっても、それは欧米と比べたらという話で、世界的に見たらもちろん恵まれているのだけれども。

話は逸れたけれど、僕にとって日本人宿は居心地が良いことが多い。海外に来てまで日本人とというけれど、日本で出会う日本人とは種類が違うので面白いのだ。汐見荘に限って言えば、市場で魚を買ってきて皆で調理して食べるということは、刺身もあるし外人とはなかなか出来ないので、食文化が同じ日本人ならではのシェア飯だった。食べて飲んで寝る、というシンプルライフを過ごした。

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貝のワイン蒸しが美味。この日から1週間程滞在したが、毎日4~8品くらい作っていた。とは言っても僕ではなく、お姉さま方が作ってくれた。

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ここで僕は誕生日を迎えた。4月20日。お祝いしてもらえて嬉しかった。誕生日だったけど、皿洗いの仕事は相変わらず僕ともう一人の下っ端のジョーさん。
人の入れ替わりは毎日のようにあったのだけど、なぜかお姉さま方が多く、年上女性と年下の男の子の構図は崩れなかった。

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市場の様子。宿から歩いて30分程。毎朝の日課。
イカが呼んでいるような気がして買ってしまった。2000ペソ(400円)。ここから数日間はイカ祭りが開催された。

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エビ、アワビ、アジ、イカ。捌くのは主に僕が担当したので、ちょっとうまくなった。ここのアジは大きくてうまい!刺身でも、締めても、塩焼きでも、美味しすぎて感動する。巨大あじが1匹1000ペソ(200円)なので毎日買っていた。

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ちらし寿司、アジの塩焼き、イカゲソのから揚げなどなど。毎日が宴。ハッピーライフ。

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貝のだしがたっぶり出たソース。そこらへんのスパゲッティ屋のものよりはよっぽどうまい。素材が良ければ素人でも相当のものが作れる。

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南蛮漬け、サーモンの刺身、塩焼き。米が進む進む、もちろん酒も。うまいもの食べていれば、人は笑顔になる。そんな日々だった。







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3 件のコメント

  • 日本人宿について投稿。

    当初老は積極的に日本人宿を使います。
    目的は情報入手です。
    当英語能力は旅先会話だけで詳細な事は無理。(在職中外国語不必要だった)
    毎回、YH/GHで各国人同士のバイリンガルな英語会話に羨望のまなざし。
    我が郷土力士、元国連事務次長明石康代表は己の向上心のために、秋田出身を秋田人に言わなかったとか。
    (日本人宿に投宿せずに似ている?)
    いずれにしろ、強い信念を持つ方には憧れる。

    南米旅行きっかけについて:
    当初老も南米に行きたく年金受給めどが付き、早期退職し現在実施中。
    死ぬ日まで自由時間があり、やっと欧米人の様な旅が出来た。
    こうなるには、欧米人の様に貯蓄よりは投資の生活習慣まで変更しなければ無理だ。
    日本の耐久財サイクルは約70年、人生と同じ思考を経済循環のため永遠に続けている。
    安価になる岩石の家に住むべきか?

    これから、汐見荘に向かう徘徊人より。

  • サンティアゴに日本人がやってる宿あります!「La Frontera」というところでチリ人の奥様と今年オープンしたらしいです。
    https://lafronterachile.wordpress.com/
    多分ここがサンティアゴ唯一の日本人宿じゃないでしょうか。ご夫婦とも親切で、スペイン語が分からなくても日本語で色々相談できて安心でした。

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    管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。