ずっと気になっていた本をようやく読むことができた。これから「正義」の話をしよう、である。
本の内容はハーバード大学のJustice(正義)という授業の内容をまとめたもの。正しい行ないについて、哲学者らの意見をふまえながらを考察してゆく。以下のような問いに対してさまざまな角度からアプローチするのだ。
・1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたは1人を殺すべきか?
・前の世代が犯した過ちについて、私たちは償いの義務があるのだろうか?
・金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再配分するのは公正なことだろうか?
哲学者たちが導きだした解は、ときに極論と感じ、ときに正論と感じる。僕にとっての極論は、あなたにとっては正論かもしれないし、その逆もありえるだろう。感性を説明することは難しいことだけど、古今の偉大なる哲学者たちがそれを言葉であらわしており、思考を手助けしてくれる。
今の時代において(どの時代もかもしれないが)、自分なりの哲学を持つことは大切だと思う。己に対する行動指針があることで、瞬間瞬間にもとめられている選択肢をスムーズに選べる。その指針をかたちづくるのに一役買ってくれる本である。
考えることが好きな人には、ぜひ手にとってもらいたい一冊。
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