浅田真央ちゃんのソチオリンピックフィギュアのフリーの演技に感動した。その感動は演技に対するものだけでなく、彼女の人生観が具体化していたことにある。
ソチの真央ちゃんの最終的な結果は6位。この結果は残念であったが、世界中に感動をもたらした。それは彼女の挑戦する姿勢が、演技からこれでもかといわんばかりに伝わってきたからだと思う。
真央ちゃんが、もしショートに引き続きフリーで失敗したとしても、もしショートもフリーも大成功でメダルを獲得したとしても、僕らは感動したのではなかろうか。
浅田真央の戦略の失敗:地政学を英国で学んだ
浅田真央の戦略の失敗という記事を読んだ。キム・ヨナ選手を絶賛しているジャーナリストが書いたジャック・ギャラガーの浅田真央に対するコメントを和訳している。
・浅田真央の戦略の失敗
・Mao’s inflexibility hurt medal chances
人生の中では、時として自分自身が自分にとっての「最悪の敵」になることがある。アドバイスを受け入れず、聞きたくないことを聞かないようにして、現実を無視する時が、まさにそのような場合だ。
浅田選手が自身のトレードマークであるトリプルアクセル(3回転半)を成功させようと長年苦労していたことは明らかであったが、そのために戦略を変えるのを拒み、結局はフリーの演技のあとに6位で終わることになってしまった。
もちろんこうなる必然性はどこにもなかった。しかし、浅田選手の頑固さが、ジャンプそのものを成功させるよりも大きな障害となってしまったのだ。
ただ、もし浅田選手が本気で今回のオリンピックで金メダルを取ろうと望んでいたのならば、彼女は数年前の時点で方針を変えるべきであった。
女子フィギュアのSPの演技のあとにメディア専用のバスに乗って宿舎に帰る時に、私は同乗していたスケートの審判の一人に話を聞いてみた。この審判は頭を振りながら「真央はわざわざトリプルアクセルをする必要なんかなかったのにね」と答えてくれた。
これは私の確信であるが、もし浅田選手がオルサー、モロゾフ、もしくはキャロルのようなコーチをつけていれば、彼らはその失敗の直後に浅田選手のパフォーマンスに判断を下し、彼女と長い会談を行ったはずだ。
おそらく彼らは彼女にたいして、「もうトリプルアクセルを安全な形でこなせないんだから、われわれは演技の構成を変えるべきよ。何か新しいことをやって別の方向性を見出すしかないわ。金メダルへ最も近い道はこれよ」と言ったはずだ。
ジャック・ギャラガーさんは「オリンピックで金メダルを取る」という目標に対しての最適な戦略を真央ちゃんが選んでいれば結果は違ったと述べている。しかしそれができなかったのは、真央ちゃんが「アドバイスを受け入れず、聞きたくないことを聞かないようにして、現実を無視したから」だとまとめた。
真央ちゃんがトリプルアクセルを封印して金メダルを取る戦略を考えていないわけがない。聞きたくないことを聞かないようにしたわけではなく、金メダルを取るという目標における戦略の中で、難易度以外の要因があったからに他ならない。
それは彼女自身が何度もインタビューで言っているように、トリプルアクセルを組み込んで金メダルを取りたかったのだ。いわば人生観である。
価値観を体現しているからこそ、注目され、人気があり、多くの人に応援されている。メダルは逃したものの、表現者として素晴らしいこと。
真央ちゃんが真央ちゃんたるゆえんはそこにあるのだ。
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