GDPが豊かさの指標として現実世界にますます適さなくなっている理由・問題点

GDPとは国内総生産のことを指し、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のこと。GDPは原則として市場で取引された財やサービスの生産のみが計上される。基本的には金銭を介したものであり、家事労働やボランティア活動などは計上されない。

GDPとは経済力を表すものであり、豊かさを示すものとして使われている。政治家が使う「成長」という言葉もGDPのことを指しているし、成長すれば豊かさが増していくという意味が込められている。

GDPの問題点

GDPには問題点があるが、それを考慮しても便利な数字だから使われている。

先に書いた家事労働やボランティア活動などの市場の取引にはならないけれど価値のある活動が省かれている。これらもサービスとして金銭を介せばGDPに参入できる付加価値である。

また、自動車の騒音・大気汚染・森林伐採といった公害がGDPを増やすために発生しているとすれば、生活の質という側面から考えて豊かになったとは言えない。

GDPが現実世界にさらにそぐわなくなっている理由

さらにGDPが現実の豊かさと乖離していっている理由は「無料」にある。インターネット登場によって普及した「フリー」という概念は、家事労働やボランティア活動などのような市場の取引にはならないけれど価値のある活動や物を大量に生みだした。

これまでだと高いお金を払わなければ読めなかった文章や動画がインターネット上に無料で公開されている。こういった無料の優良コンテンツがない社会よりはある社会の方が豊かと言える。しかし、これらはGDPには含まれない。

Youtube、ブログ、ツイッター、フェイスブック上のコンテンツの一部に値段がついてやり取りされれればGDPが増える、と考えると、それらが含まれていないGDPの無力さに気付く。

無料という概念がこれからますます広がっていき金銭を介さなくなってくると、さらにGDPと現実社会が乖離する。

GDPに変わる指標は「国民総幸福量」GNHなのか?

ブータンのジグミ・ケサル国王が約2年前に来日して話題になった。2011年11月17日には国会で演説を行っている。

ブータンのジグミ・ケサル国王

「国民総”幸福”量」を重んじるブータン国王が国会で演説 全文

ブータン王国は、国民の心理的幸福などを指標とする「国民総幸福量」(GNH)を重視する国。GDPが現実に合わなくなってきている世の中で、違う指標を大切にする国もある。

「富」や「豊かさ」とは何なのか?

富や豊かさは経済という言葉に依存してきた。それは変わりつつあるし、変わっていくだろう。

世界を旅した僕が思うこととしては、人類は地球を滅ぼす方向に進んでいるのではないかということ。持続可能性「Sustainability サステナビリティ」という言葉があるが、それを富や豊かさの考えに組み込まなければならない。

参考文献

レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる

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