「ウェブ社会のゆくえ」著者鈴木謙介が面白かったので紹介

会議やデートや飲み会のときに、目の前の相手がSNSを見始めたらどう思うか。目の前の人を優先するべきなのだろうか。

「ウェブ社会のゆくえ」に解説されているのは、そういった現象がなぜ起こり、どういう側面があるのかということだ。

著者はウェブの情報空間がリアル空間と結びつくことを「他孔化」という。それが生きる世界を大きく変容させ、社会のつながりを揺るがしつつある。他孔化した現実のゆくえを探るための本である。

ソーシャルメディア依存

個人的に特に興味をそそられた話題は、第二章のソーシャルメディアから抜け出せない人たちの話である。

僕の身のまわりでmixiのときもfacebookのときも、退会してアカウントを取り消し、しばらくすると戻ってきたりする友人がいた。だったら退会せずに初めからアカウントを残しておけばいいと思っていた。その方が便利じゃん、と。

しかし「ソーシャルメディアではもはや連絡を取り合うのではなく絶やさずにいることが目的となっている」という記述があり、このニュアンスの違いに気づいてしっくりきた。

mixiやfacebookを使いたくなければ放置しておけばいいじゃん、という僕の考えは、連絡を取り合うときだけ使えばいいという考えである。ソーシャル依存の場合は連絡を絶やさずにいることがSNSの目的であり、mixiやfacebookをやめたら連絡が絶えるわけではないのだ。退会してアカウントを消してはじめて連絡を絶つこととなる。

このあたりのソーシャル依存における心理について本書ではいろいろ書かれている。

引き算の人間関係

もう1つ興味をそそられた話題をあげると、人間関係の変化についてである。

人間関係とは基本的に出会うところから始まる。まず出会い、仲良くなったら連絡先を交換する。そして段々と深い付き合いになっていく。これは足し算の人間関係である。

だが、現在は違う。知り合ったときに連絡先を交換する。そしてその中から深い付き合いに移行できる相手を探して仲良くなる。これは引き算の人間関係である。

引き算が繰り返される関係性の中では相手から「引かれないこと」が大切になり、空気を読む圧力が増える。そういった世界なのだ。

このあたりは微妙な違いではあるが、あてはまるなと思う出来事が思い浮かんだりして面白い。

ソーシャルメディアにおける心理

上記のようなソーシャルメディアにおける心理に興味がある方は「ウェブ社会のゆくえ」を楽しく読めると思う。

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