人生初の雪山登山である。
冬期でも山小屋が充実し、登山者も多く、初心者向けの八ヶ岳エリアに照準をさだめた。その中でも北八ヶ岳のほうが南に比べて優しいという。雪山経験者のカスガと相談し、今回は北八ヶ岳の東天狗と西天狗を目指すことにした。
今回の趣旨は、雪山がどんなものかを体験すること。
何事もやってみないと分からない、とやはり思ったのは、死ぬほど寒かったから。特にテントの中で過ごす一夜はがくがく震えて過ごした。-10度を下回っていると、こんなに寒いのか・・・
装備が充実していないのが原因なのは百も承知。必要があるか分からないものを買う気は起らなかったので、家にある服や寝袋を持っていった。それで対応しようとしたけれど、寒くて寒くて。
最大の失敗は、寒かったから寝袋を締め切ったこと。寝袋の中で呼吸したため、口から出る蒸気が寝袋の内側を濡らしてしまった。濡れたダウンは保温力が激減。そして、ダウンの内側が凍る。
凍った寝袋の中に入っていても温かいわけがないよね。
そんな一晩を過ごして、ダウンジャケット、ダウンパンツ、ダウンシューズ、目出し帽等々が必要なことに気付いた。スパッツやスコップなんかもいるし、揃えるものがたくさんあり過ぎる。
夜は大変だったけど、昼は天気にめぐまれていた。快晴の天狗岳からは北アルプスが全座美しく連なっている姿を確認できたし、それだけではなく、360度どこもかしこも美しい景色であった。
キリマンジャロ登山に引き続き、相変わらず僕の晴れ男っぷりは健在。僥倖なり。
寒いのは苦手で好きではなく、それ以外の面でも雪山はハードだけれど、魅力は十分だった。今シーズンの残雪期にもう一度くらい経験を積んでもいいかもしれない。
茅野駅から渋の湯まではバスで1時間ほど。片道1100円。
高見石小屋を経由して登ってみた。
東天狗岳と西天狗岳。
ブロック塀を作ってみることに。
こんなん作っているのは僕らだけだった。
大人の雪遊び。
カスガお手製のぺミカン。
ペミカンは、加熱溶解した動物性脂肪に、粉砕した干し肉とドライフルーツなどを混ぜ、密封して固めることで保存性を高めた食品である。毛皮交易の際に携帯保存食として広く利用され、後にロバート・スコットやロアール・アムンセンのような極地探検家の間で高カロリー食品として利用された。適切に包装されたペミカンは、長期間保存することができた。日本においても、大学山岳部などによる長期に及ぶ冬季登山などにおいてよく利用されている。
カレー粉を混ぜてカレーを作る。
一時間以上いためた玉ねぎなどが入っているらしく、甘くておいしいカレーであった。
極寒のテント内で、大吟醸を冷で飲む。痺れる経験。ちなみに紅茶花伝の中身はウイスキーである。
快晴!
東天狗から西天狗へ。
こちらは東天狗岳。標高2646m。
渋の湯へ下り、温泉を満喫する。雪山後の温泉は格別だった。茅野駅で軽く打ち上げをして解散。素敵な二日間をありがとう!
コースタイム
○3月2日
7:00バス茅野駅出発
8:50渋の湯出発
11:05高見石小屋着
11:35高見石小屋出発
12:20小休憩
12:50大休憩
14:10中山峠
14:20黒百合ヒュッテ着
○3月3日
5:30起床
7:40出発
8:40西天狗着
9:05出発
9:20東天狗着
9:45出発
10:25黒百合ヒュッテ着
11:30黒百合ヒュッテ出発
12:30渋の湯着
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