竹で作った自転車があると聞いていた。名は分かりやすく、バンブーバイク。首都ルサカではバンブーバイクを作っている会社のザンバイク(ZAMBIKES)に出向いた。だってさ、自転車乗りとして見たいじゃない。一目で欲しくなった竹で作られた自転車は、想像以上に美しかった。
素晴らしいねと絶賛していると、対応してくれたピーターが工場見学を勧めてくれる。無料だと言うし、翌日のピーターが工場に出向く時間に合わせて僕も連れていってもらうことにした。
ルサカから車で30分ほど走った場所に工場があり、隣は竹林となっている。そこで採れる竹と、ザンビア北東部で採れる2種類の竹を使って組み上げるようだ。それはフレームの部位によって適切な竹が違うため。1人が丁寧に説明してくれたので、2時間ほどの工場見学は大満足だった。
工場では30人ほど働いており、そのペースはのんびりしている。ザンバイクでは竹フレームではない一般的な自転車の方も作っており、というよりはむしろそちらがメインのようで、バンブーバイクは1日2台の生産。それでも、もしも日本人が労働管理をしたら同じ人数で4台は作るだろう。カイゼン、を始めたらもっともっと差がつくに違いない。今後、競争力をもった相手が表れたとき、どうするのか問われるかも。
工場の場所選定にあたっては失業者が多いその区域を選んだとのこと。彼らの雇用を生み出すだめだ。働いていた人々は和気あいあいとしていて楽しそうであり、過去に仕事がなくて腐っていた人間が今楽しく働けているのは、素晴らしいと感じた。
現地でのフレームの価格は450ドルだったかな(うる覚え)。日本で100,000円ほどで買えるらしい(ZAMBIKES JAPANのHPはこちら )。日本での販売はアライアンス・ファクトリーが独占契約を結んでいる。独占契約とはね、、、僕も販売に是非協力したいと思っただけに残念。やっぱりさ、自分が本当に気にいったものを売りたいじゃん。そのときにこそ、言葉に魂が乗るわけで。僕自身バンブーバイクが欲しいし、試し乗りさせてもらい工場見学させてもらい、非常に気にいったから。バンブーバイクのように自分が嘘偽りなく気にいったものを売る仕事が出来たらいいなと思った。
ピーターによるとアライアンス・ファクトリーの方は一度もザンバイクに訪れたことがないらしいので、一度はスタッフや工場で働く人々に会ったらいいんじゃないかなって思う(2012年5月)。素敵な人ばかり。ピーターもどんな人が日本でバンブーバイクを売っているのか知りたいって言っていたし。
ネット上に、ザンビアをアフリカの中の最貧国と謳ってビジネスをするのってどうなの? という意見が出ているのを見て、それに対する説明をする上でも現地を見ておくことは必要だと思う。僕自身はアフリカの貧困と掛け合わせてバンブーバイクを宣伝することに肯定的でも否定的でもないけれど、確かに上記の記事がいうようにザンビアがアフリカ最貧国かというと、そうではない気がする。
僕が訪れた国はモロッコ、モーリタニア、セネガル、タンザニア、ケニア、ウガンダ、マラウィ、ザンビア、ボツワナ、ナミビア、南アフリカだけど、これらの国の中ではザンビアは最貧国ではないと感じた。それこそ何をもって最貧国というのか分からないが、現地を訪れることなくそう謳っているとしたら違和感を持ってしまうわけで。
ちなみにピーター曰く、2012年5月において、ザンバイクのバンブーバイクが世界で売れた台数は約600台、日本では39台だと言っていた。意外に少ない!?なんて感じたけれど、現状で1日2台生産だったらそんなもんか。僕がフレームを購入して持って帰っていれば40人目だったのかも。街で走っていたら注目の的だよね。
ここからは写真で紹介。
ルサカ中心から歩いて30分くらい。
バンブーバイク。写真だと質感が分かりにくいのよね。
結合部はサイザル麻を使っている。
ここでちょっとしたパーツなら手に入る。
タンデム自転車もあるのか。欲しい。
翌日は工場へ。
ドアの自転車がナイス。映っている黒人がピーター。
工場の様子。
バンブーバイクではない普通の自転車。
フレームに使われる竹。
強度がありそうな種類だ。2種類を使い分けている。
3か月ほどかけてオーブンで水分を飛ばす。
そのあとに溶液に浸けこむ。
コーティングする前。
コーティングした後。
ルサカからロンドンまでバンブーバイクで走るイギリス人用のフレーム。
キャリアももちろん竹。特注である。
ハンドルの前にもキャリア。僕も特注してザンビア→ジャパンをやろうかな。
名前入りでうらやましい。
竹に穴を開ける作業。音楽を聴きながらやっている。
工場の外でフレームにやすりをかけてなめらかにしている人達。
ザンバイクTシャツがアツい。
この人が一番大変そうだった。
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