ザンビアの首都ルサカでの話。
泊まっていた宿に日本人とイギリス人のハーフのジョージという青年がいた。自転車を持っている僕を見かけて彼は言った。
「僕もこれから自転車で旅を始めるんだ。」
話を聞いてみると、北上してコンゴを通りガボンを目指すらしい。日本まで行けたらいいなあ、って。コンゴやガボンといった旅人の間で聞きなれない国名を聞いたので自転車旅の猛者なのかと思ったが、自転車で旅をしたことはなく、最後に自転車に乗ったのはいつだったか、なんて言っている。ガボンを目指す自転車はルサカで買った一万円くらいの中古のもの。
ま・じ・か!?
するとパートナーがいるというではないか。パートナーの彼はオランダ人で、小学校のときの友人らしい。彼から誘われて自転車旅を始めることになったそうな。その彼とルサカで果たした再会は10年ぶり。これはこれですごい。
オランダ人の彼に話を聞くと、彼は南アフリカで一万円の自転車を買ってザンビアまで2年かけて北上してきたとのこと。2年!?南アフリカ→モザンビーク→ジンバブエ→ザンビアというルート。それにしても長くないか??
すると彼の面白い旅のスタイルが見えてきた。現在ルサカに滞在6ヶ月。ジンバブエの首都ハラレの滞在も6ヶ月。モザンピークの首都マプトの滞在も6ヶ月。気に入った都市で半年滞在するのが彼の旅。プログラミングが出来る彼は、その半年間でお金を稼ぐ。
なるほど。稼ぎながら旅を続けているわけだ。場所を選ばずに稼ぐことが出来る人のみに許された旅のスタイル。いいよね。驚いたのが、彼はパソコンを持っていないという。プログラマーにとって商売道具でもあるパソコンを持っていないってどういうことよ。返ってきた答えは「重たいし壊れたらやだし、なにより邪魔」。気持ち良く言いきるねえ。
ネットカフェで仕事は出来るし、宿の人と仲良くなれば貸してもらえるから大丈夫だそうだ。なんと自由な感じ。考え方や感性が突き抜けていて素晴らしい。
そんなわけなので、オランダ人の彼はルサカの宿に半年程滞在していた。その彼とジョージがコンゴへ向けて出発するにあたってサプライズパーティーがあるという。それに参加した僕はまさに驚いた。その場所はなんと、、、
消防署!!!
まじ!?消防署とか使っていいの?経緯を聞いてみると、コーラ一本の賄賂で使わせてくれたらしい。そこらへんのアバウトさはまさにアフリカ。
写真をパシャパシャ撮っていた僕はなぜか職員に呼ばれ、なぜか消防車に乗せてもらう。なぜ僕が選ばれたかは謎だけど、ラッキー!!そんなわけで人生で初めて消防車に乗った。ルサカで最も高い場所から眺めた夕陽は美しかった。
その後にインド料理屋で皆でご飯を食べ、翌日彼らを見送ったのだった。
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