マラウィの食事と治安と安宿と物価とマラウィ人の性格

アフリカで買い物をしようとすると必ず口出しする人がいる。物を売っている人に値段を聞いても、外人を見て集まってきた人が答えることの方が多いくらいだ。この野菜は200であの果物は500で、みたいな。

自転車で通りがかった集落での小さな商店に立ち寄った。自転車の僕は大層目立つ。商店の前で水の値段を聞くと500mlが70クワチャ(21円)だった。コーラ330mlが60クワチャ(18円)であることを考えると高く感じる。マラウィより物価が高いタンザニアで、水1500mlが1000シリング(約50円)、コーラ330mlが600シリング(約30円)だったのだ。

水じゃなくてコーラで喉を潤すか、なんて商店の前で考えていると、例のごとく隣に来た人が口出しをしてきた。

「たったの 70クワチャじゃないか!!」

と。日本円で考えたらそうなんだけど、マラウィの物価で考えたらそんなことないでしょ。水を買って飲む人は少ないわけで。それよりも見ず知らずに人に「たったの~じゃないか」って言われるのが好きではない。アフリカに入ってから頻繁にこのフレーズを使われたので、1つの切り返しを用意していた。

「たったの70クワチャって言うけど、僕にとってはそんなことはない。あなたにとってはたったの70クワチャならば、買ってくれよ。」

毎回使うわけではないが、たまに使っていたフレーズ。今までに数十回試してみたけれど、苦笑いして去っていく人しかいなかった。だが、今回は違った。

「分かった。じゃあ買ってやる。」

まじ!?予想外の展開である。本心で買って欲しいと思っているわけじゃないし、円換算したら21円の話なのだ。戸惑ったけど、本当に買うつもりなのか確かめたくて流れに乗った。すると本当に水をプレゼントしてくれるではないか。自分で言い出したものの、やり切れない感じ。

こうなってしまったら仕方がなく、感謝の心を伝えて頂いた。上記の切り返しを使うことは二度とないだろう。有難し。

翌日、スピード感溢れるマラウィ人サイクリストとすれ違った。彼は1つ先の村まで行き、走って来た道を戻ると言う。僕が自転車を漕ぐペースより彼のそれはずっと速いので、道を戻る際にまた会えるかもね、なんて言って別れた。やはり数時間後に追いつかれ、そこからしばらく一緒に走った。

並走している間に聞いたところによると、約2週間後の5月5日にムズズとンカタベイを往復するレースがあるらしい。それは大統領交代を祝う催しの1つだと言う。そのために今はトレーニングをしているとのこと。

話しながら、彼の目線が僕の自転車のリアキャリアの上に乗せているスペアタイヤにちらちら行くことに気付いた。欲しいのかなと思ったが、お別れのときまで彼がその言葉を口にすることはなかった。アフリカ人にしては珍しい。彼らはは基本的にgivi meの精神だから。

去ってゆく彼の背中を見ていたら心がざわついた。突如、水を買ってもらった昨日の出来事がフラッシュバックし、思わず声が出た。ちょっと待って!と彼を呼びとめる僕がいた。

タイヤを彼に使ってもらいたいという気分になったのだ。急に、である。彼の目線がタイヤにいくことに気付いたときには、あげるという選択肢はなかった。本心では申し訳ないと思いつつ水を買ってもらった罪悪感がそうさせたのか。

タイヤをあげたときの彼の嬉しそうな顔を見ていたら、使われるタイヤも幸せな気がした。これで良かったと思った。

<チティンバ(Chitimba)からンカタベイ(Nkhata Bay)までの写真>


湖沿いの道から一旦離れるため、前方に見える山を登る。標高500mUP。


夕方にサッカーの試合をやっているのを見かける。多くの人が詰め掛けている。


登り道の途中に猿がおった。


橋を支援する日本。


こんにちは、と日本の方に挨拶をして通り過ぎた。


肉焼いているところ。


炭火を売っている。タンザニア、ケニア、ウガンダでも見た光景。


肉なしのメニューはちょいさびしい。100シリング(約30円)。


この人が水を買ってくれたのです。コーラは自費。


再び壊れたダボ穴の修理をお願いした。


タイヤをつけたままで大丈夫だ、というので、それでお願いしたらスポークを焼き切られた。はぁ、、、。こっちのが問題だよ。


10人以上に囲まれるのはいつものこと。だって僕は人気者だから笑


泊まった宿は電気なし。


シャワーなし。バケツを使って洗うのにも慣れた。


水は買わなくても井戸で補給出来ることを知る。


自転車を漕いでいれば一日10ヵ所以上は見かける。


パン屋のレベルは高くない。


タイヤをプレゼントしたサイクリスト。


ガソリンは正規のガソリンスタンドで出まわっているようだ。ちょっと前までは闇マーケットでしか手に入らなかったらしい。混ぜ物をしている質のよくないガソリンの値段は倍以上だったとのこと。


ムズズ(Muzuzu)の街。


後のシートがしっかりしているのは自転車タクシー。


マラウィ初の信号。


砂糖のために行列をつくる人々。

ムズズからはアップダウンを繰り返しながら全体としては標高ダウン。湖沿いの街のンカタベイはもうすぐだ。







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管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。