僕はきれいになっているのだろうか?
洗濯機とは衣類の汚れを落とすためのもの。中に衣類を放り込むと、それらは水中でもみくちゃにされることで汚れが落ちる。このとき、僕は洗濯機の中にいた。もみくちゃにされているのは衣類ではなく、僕。顔が地上に出た瞬間にがばっと息を吸い込むと、再び水中に呼び戻される。それの繰り返し。僕はきれいになっているのかな。
今回下ったのはナイル川。ナイル川というとエジプトのイメージが強いけれど、源流はビクトリア湖から流れ出ている。ビクトリア湖湖畔の街ジンジャで申し込んだラフティングに参加したのだ。このラフティングはタンザニアから北上を決めた大きな理由の1つ。
雨季が訪れる前の晴れた日に下りたいと頑張って自転車を漕ぎ、辿り着いたのは2012年3月29日。翌30日のラフティングに早速申し込んだ。30日は快晴であり、31日以降から雨が降り続いたのは幸運としか言えない。間一髪のところであった。
このラフティングの何が僕をわくわくさせたのかって?それはグレード5の瀬が幾つもあること。グレード5は未知の領域だった。僕のカヌーの腕ではグレード4がぎりぎりの水準なので、ラフティングという安全な方法で激流具合を味わってみることにしたのだ。この選択は間違いではなかった。行けば分かるさ、とカヌーで突っ込んだら危険な領域。ちなみにグレードとは川の瀬のランクである。
瀬とは「水流の急なところ」を指す。それにはランクがついておりグレード1~6まである。1級から6級ともいう。日本でいうグレード3が世界だとグレード2くらいだったりするので、今回は世界基準での話。
<グレードについて(※僕の主観による説明)>
グレード1:波がちゃぷちゃぷとしているところ。
グレード2:グレード1が多少パワーアップ。ゴー、という流れの音がある。カヌー初心者でも笑って楽しめる感じ。
グレード3:明らかに流れが速く勢いがあり、1~2mくらいの落ち込みがある。川に絶対安全はないけれど、このランクからは危険が伴い始めると考えていい。
グレート4:数mの落ち込みがある。小さな滝なんかもこのレベルに入る。ニュージーランドのモハカ川で経験した。
グレード5:数mの落ち込みが連発する。ニュージーランドで見た12mの滝はこのランクだった。今回のラフティングで体験したのがここ。
グレード6:見た感じでやばい。
カヌーイストに照らし合わせて言うと、カヌー初心者が行けるのがグレード1~2、経験者が3~4、上級者が5~6、ってな感じかな。同じ瀬でもそのときの水量によってランクが全然違ってしまう。日本で平常時にグレード4以上の川はないけれど、台風や大雨での増水時であれば話は別ってこと。僕が日本で下った急流を紹介すると、(グレードは感覚値)
群馬県利根川:グレード2
岐阜県長良川:グレード3マイナス
徳島県吉野川:グレード3
かなあ。どの川ももう一度行きたいと思う素敵な川。ただ、グレードの高い川が良い川ということではない。僕はカヌーにエキサイティングよりツーリングの要素の方を多く求めるので、「グレード5を自力で下れる実力を磨く」といったスキル面での上達を目指してはいない。それでもカヌーイストとして、グレード5がどんなもんかを味わってみたかった。その手段がナイル川ラフティングだったのだ。
ラフトボートが転覆するグレード5の瀬。轟いている水流の中でもみくちゃにされたときに感じたのは、まるで洗濯機の中。恐怖はなく、愉快だった。水中でなければ笑っていただろう。水中にして、笑みくらいは浮かべていたような気がする。
始めにひっくり返ったときにラフトボートに乗り込む練習。僕はカヌーで経験しているので楽勝。
3時過ぎに終わり、ご飯。ビュッフェ形式で取り放題。ビールも飲み放題。お昼はラフトボートの上でビスケットとパイナップルだった。
写真を販売している。良い写真がいっぱいあったけどお金をケチって買わず。30ドルだったかな。
ラフティング1日ツアーは125ドル。ジンジャからの送迎と、キャンプなら2泊、ドミトリーなら1泊無料。
仲良くなったイギリス人のクリス。毎日ビールを御馳走してくれたナイスガイ。
チャパティに野菜を巻いたもの。1500シリング(約50円)。
マトケというバナナをつぶしたものと豆。マトケとポジョとライスがウガンダの主食。
途中で知ったのは、ミックスという頼み方。主食が全部食べられるのだ。この頼み方がおすすめ。魚と合わせて3000シリング(約100円)。
朝はチャパティ巻き、昼は自炊、夜はこのレストラン、というお決まりのパターンで過ごした。
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