治安の悪い街ロッソと安宿~セネガルとモーリタニア国境

セネガルとの国境の街ロッソに到着したころには日が落ち始めていた。雑踏する街で宿を探している内に日は暮れて薄暗くなった。国境の街というのはどこも嫌な感じがするものだが、ロッソも御多聞に洩れずかなり嫌な感じ。さっさと宿に入りたい局面だった。

1人の男が話しかけてくる。
「宿を探しているんだろ?宿はこっちだよ。」

金目当てなのは間違いないので通常ならば着いてゆかないが、背に腹は代えられないので案内してもらう。連れていかれた宿の親父に部屋の値段を聞くと10000ウギア(3000円弱)とのこと。高い、、、

一応部屋を見せてもらうと綺麗ではあったが、モロッコなら1000円強で泊まれそうな部屋。そんな額は出せないと交渉を開始するも親父は強気で、8000ウギアから値段が下がらない。だったら他のところへ行くよ!と言いたいところだったけど、夜の街を再び徘徊するのは避けたかった。

1500ウギア(400円強)で屋上にキャンプを落としどころにしようと頭の中で整理し、キャンプでするから安くしてくれと聞いてみた。すると向こうの言い値は4000ウギア(1200円弱)。昨日泊まったシャワートイレ付きの個室が4000ウギアだったわけで、その額でキャンプ(シャワーなし)は横暴だろうよ。こちらが下手に出ているのをいいことにむしり取ってやろうという感じだった。

その条件ならば8000ウギア払って部屋に泊まる。けれど8000ウギアは払いたくない。粘り強い交渉の末にキャンプ2500ウギア(約700円)で決着。まあ仕方がない。

なんだかんだいって親父は内心ほくそ笑んでいたのだろう。1人あたりのGDPが120000ウギアのモーリタニアにおいて2500ウギアは大金であり、それが汚い屋上を一晩貸すだけで手に入るのだから。手のひらを返したように優しくなり、汗をかいているならシャワーを貸してやると言ってきた。

綺麗な部屋のシャワーを貸してくれるのかと思いきや、連れていかれたのは廃墟のような建物の真っ暗なシャワー室。ろうそくに火を灯すとゴキブリがいっぱいおり、冷たい水シャワーだった。しかし「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ではないけれど、「浴びるは一時の我慢、浴びぬは一晩の不快」なので、有難くシャワーを浴びる。

実はその間も案内してくれた男は僕を待っていた。もらうべきものを手にしていないからだ。ここで幾らか渡してバイバイしても良かったけれど、英語が話せる好青年だったし夜のロッソを1人で歩いてレストランを探すのが嫌だったので食事に誘った。実際彼に助けられて宿がスムーズに見つかったので、御馳走しても良い気分だった。

ご飯を一緒に食べたときに話は弾み、別れ際に明日は国境を案内するよと言ってきた。案内してもらったらチップを要求されるのかな、と思うのは旅人の性。仲良くなったし最後にお金を請求されたら嫌な別れになると考えてしまう。ご飯を一緒に食べ、連絡先を交換してフェイスブックで繋がろうという会話があった後でも金目的があり得るのか?それとも友人としての善意なのかを確かめたくなり、案内してもらう約束をして別れた。

翌朝合流してモーリタニア側の国境へ。いかがわしい奴らがいっぱいいるけれど、力強く無視。スムーズにモーリタニア出国のスタンプを貰う。セネガルはセネガル川を挟んだ向かい側になるので船で渡らなければならない。1人200ウギア(50円弱)の個人がやっている渡し船と無料のフェリーがある。結構待つこととなったが、無料のフェリーで渡った。

彼はセネガル側まで来て、入国スタンプを貰うまでいろいろ手助けしてくれた。無事に入国スタンプを押してもらって別れのときが来た。お金を請求されるのか、と内心思いつつお礼をいう。握手しながら彼が言ってきた言葉は、、、

「ダカールまで無事に辿りつくことを願っている。」

ほっとした。お金を払うことが嫌というよりは、今まで楽しい時間が金目的であったらがっかりするということ。フェイスブックでまた会おうといってバイバイ。旅を続けてきて、少しは人を見る目が養われたかな。

気分良くセネガルに入国した。

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案内してくれた彼。

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この屋上に泊まるのに700円は高い。

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この宿の親父はがめついよ。

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セネガル川の向こうがセネガル。こちらはモーリタニア。

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自転車を載せているのが無料のフェリーで、奥に見えるのが渡し船。

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常時行きかっている。

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セネガル川へ無事到着。

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円満にお別れ。

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ロッソセネガル。残ったウギアをCFAフランに両替して出発。

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走り始めると畑が出現してびっくり。川をはさんだだけでこんなに違うのか。

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水資源もモーリタニアと比べると豊富な感じがする。

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道路工事中である。国旗を見るにユーロ各国が支援しているようだ。

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土が締まっているので走りやすい。

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標識が逆さなのは御愛嬌。

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舗装されている区間もある。出来たてほやほや。

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これはセネガルのモスクかな。

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道沿いの集落。

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途中、ロバか追いかけっこしていた。動画は以下。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=3lno1GxxFPY&feature=plcp[/youtube]

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セネガル人はモーリタニア人より陽気な感じがする。

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チェブジェはセネガルのご飯。英語だとfish rice。これが美味しくて大好きになった。500CFAフラン(80円弱)。

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レストランの外観。

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貯水塔かな。

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子供達が集まってきた。

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誰も彼もがレンズに顔を近づけてくる。

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セネガルの大学。

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土なのがセネガルっぽい。

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国境から100km程走り、観光地サンルイに到着。人がわんさかいて賑わっていた。







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管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。