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モーリタニア

モーリタニアの治安と危険とアルカイダはマリとニジェールの殺害事件と繋がっている

投稿日:2012年2月24日 更新日:

「フランス人が2人殺されたぞ!」

ヌアティブでお世話になろうとしていたフランス人のベノトのアパートの前で聞いた衝撃の一言。ヌアティブはモロッコ(西サハラ)とモーリタニアの国境から40km程離れた街で、国境からそこまでは彼の車に乗せてもらった。アパートに到着して荷を下ろしているところに彼の知人がやってきて最新ニュースを伝えたのだ。

下ろしている荷の自転車と共に、ベノトの知人に自己紹介をする。自転車で旅をしていてセネガルへ向かうことを伝えると、首都ヌアクショットまでは自転車で行くのはやめておいた方がいいと言われた。まじかよ、やばいならやめておこう、という判断するには早急過ぎるにしても、もしかしてサハラ砂漠縦断を全路自転車で走れないんじゃないか、と動揺したのは事実。2200kmの内のすでに3分の2を走り終えたところで止めたくない。

実際のところフランス人殺害のニュースの概要もよく分からないし(会話がフランス語だったので)、まずは状況を確認する必要がある。ヌアティブの日々はこんな感じで始まり、ビール販売が禁止されているモーリタニアにしてビールが飲み放題の彼の家で、優雅にじっくりと情報収集をさせてもらった。

調べてみると、数日前にニジェールでフランス人が2人殺されたようだ。
French hostages killed during Niger rescue bid
Al Qaeda fighter detail deaths of French hostages

2011年11月にマリで起きた以下のような事件も見つける。
マリ北部で、フランス人2人誘拐される
・外国人1人殺害、3人誘拐 マリの世界遺産の町 レストランから連行

他では、モーリタニア過激派がフランスに聖戦布告なんて記事も。
モーリタニア過激派 フランスに「聖戦」布告

ただこれらはニジェールやマリの話であり、モーリタニアは大丈夫なのではというのが1つの見解。狙われているのはフランス人だからアジア系は大丈夫なのではというもう1つの見解。実際モーリタニアでは2010年以降に重大なテロ事件は起こっていない。外務省の安全情報を抜粋すると
モーリタニアに対する渡航情報(危険情報)発出

(3)
(イ)近年、モーリタニアにおいては、「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」(AQIM)及びこれと関連するイスラム過激組織の活動が活発化した時期がありました。特に2008年には、2007年末に発生したフランス人観光客殺害事件を直接の契機として、長年モーリタニアを経由して実施されてきたパリ・ダカールラリーが中止され、またヌアクショット中心街にあるイスラエル大使館が襲撃される事件及びモーリタニア北西部でのモーリタニア国軍に対する襲撃事件等が発生しました。
(ロ)2009年には、ヌアクショットにおいて米国人殺害事件と仏大使館員襲撃事件が発生し、北西部でNGOのスペイン人メンバー3人が、南部でイタリア人夫妻が誘拐される事件が発生しました。これを受け、政府は対テロ特別部隊を創設し、国境地帯及び国内各所に検問所を設置する等の警備態勢や、対テロ法を強化し、またテロリストに対する身代金の支払いを違法化する等の法的整備を行うとともに、マリ等の隣国との治安協力を緊密化し、2010年からは、隣国マリ領内の「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」の拠点に対する先制攻撃も開始、加えて、軍の航空機による国境地帯の監視や不審車両の追跡も実施し、テロの未然防止に全力を挙げています。
(ハ)こうした措置により、2010年以降は国内での重大なテロ事件は発生していません。他方、「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」は、依然、隣国の拠点からモーリタニアへの侵入を企てており、2010年以降2011年7月までの間に、「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」による軍駐屯地等への襲撃事件が発生しています(いずれもモーリタニア軍が撃退しています)。

最近近隣諸国で起きた事件はモーリタニアでも影響があるのか?モーリタニア滞在歴1年半のベノトに聞いてみると答えはYes。

「サハラ砂漠は繋がっているからモーリタニアも充分危険の範囲内。今はアルカイダと思われる組織の動きが活発だから止めておいた方が無難だと思う。数ヵ月前だったらまだ良かったけどね」と言う。

フランス人が狙われているといっても金目当ての誘拐は十分にあり得る。モロッコでルートを決断したときには以下の誘拐の注意喚起はされていなかった。
アフリカ北西地域:外国人誘拐脅威情報に伴う注意喚起

自転車サハラ砂漠縦断の3分の2を終え、もうひと踏ん張りで走り切れるという状況。ここで断念するのは残念で仕方なかったが止めておいた方が良いと判断。明らかな危険に身をさらしてまでやることではない。

行きたいところが目の前にあるのに行かないことは僕にとって難しい選択だった。人生というのは決断の連続だけれど、迷ったらやる、というのが僕のスタンスだから。やりたいことをやらないリスクほど大きいものはないと考えているし、だからこそ今世界一周の旅に出ているのだ。でも、この旅は命を懸ける旅ではない。ヌアティブからヌアクショットはバスで抜けることにした。

※治安の参考になりそうなサイト
・役立ちそうなアフリカのニュースサイト
→africanews.com
・アフリカの選挙日程
→Calendrier des élections en Afrique

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ビールが飲み放題の家。素敵です。

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街の様子。

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中央の車は脱輪して立往生している。

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マフェというカレーライスのようなものを食べた。300ウギア(100円弱)。

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北斗の拳の世界。

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モロッコのお金。換金する前に撮っておいた。

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スーパーのほとんどのものは輸入されたもので、モロッコよりも値段が高い。日本よりも高いものも多々。

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砂の影響か、空気が灰色。

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至るところでヤギが飯を漁っている。

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その瞳に何を想う。

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食堂の様子。

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チェブジェ。セネガル料理だけれど、美味い。ただ砂がまぎれているんだよねえ。300ウギア(100円弱)。

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砂とゴミの街。

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こちらの家で4泊させてもらった。

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ヌアクショットまでのバス。

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自転車は上に積む。

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途中で休憩。自転車で走っていたらここで一泊したんだろうな。

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一週間かけて走る予定だった500kmを数時間で抜けた。

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-モーリタニア

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