サハラ砂漠の風向きとモロッコ自転車旅行

サハラ砂漠を自転車で縦断するときは南下することをおすすめする。というのはハルマッタンと呼ばれる風が基本的に北から南に吹いているからだ。強力な追い風の中を気持ち良く進める。1日100kmを超えるパースで走ることが出来たのは背中を押してくれた風のおかげ。

ただ西サハラの中間地点のダクラからモーリタニアとの国境までは勝手が違った。南東から吹きつけてくる風が僕を阻む。「なぜだー!!」と叫びながら真正面に風を受けてペダルを回し続けた。

ダクラから国境までの約350kmは3日で行けると考えた。国境からモーリタニアのヌアティブまでの1日を足した計4日分の食糧を自転車に積み込む。なぜか向かい風だった初日を終えたときはそこまで心配しなかったが、2日目の朝にもまだ南東から風が吹いており、嫌な予感がした。

これまでのサハラ砂漠の道は時速20~27kmで進んでいた。1日5~6時間程漕いで100km~150kmの距離を稼いでいた。それが向かい風だとどうなるか?時速がたったの13kmくらいしか出ないのだ。1日100km進むためには8時間くらい漕がねばならない。そんなに漕ぎたくないし、漕げない。だいたい僕は1日4時間くらいしか漕ぎたくないのだ。ただ食糧が尽きる心配があるので悠長なことは言っておられず、毎日6時間漕いで80kmずつ進んだ。

2日目に着く予定だったガソリンスタンド併設の宿に3日目に到着。当初の予定では3日目に国境だったけれど、疲れから宿での連泊を余議なくされて国境に着いたのは5日目。結局4日の計算だったヌアティブまで6日間かかった。レストランで食事をしてガソリンスタンドで食糧を買い足したので問題はなかったけれど、大変だったの一言。苦行だった。

自転車と風向きは切っても切れない関係にある。その方向如何によってしんどさに天と地のような差があるのだ。今回のような強風地域だと風向きによって速度が2倍違う。そして同じ時間自転車を漕いでいても向かい風の方が1.5倍疲れる。「いえ~い追い風だぜ」と楽々進んでいく感じに対し、漕いでも漕いでも進まないやるせなさと食糧や水の積載量が増えるのに食事が全体的に貧しくなることを比較すると、精神的疲労は4倍にも達する。それを掛け合わせるとしんどさはなんと12倍!!!

もうやってらんないよね。ラクダに癒されるなんて書いたけれど、その効果はラスボス戦で薬草を使っているようなもの。さらにラクダを何度も見ることで限界効用逓減の法則が働き、回復効果は減っていくのよね。何が言いたいかっていうと、頑張ったよ、ってこと。

後日モーリタニアでキャンプ生活1年半のキャンパーと出会ったときの話によると、ここ2週間の風向きはおかしかったらしい。御勘弁を。そんなこんなでなんとか国境まで辿り着いた。

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この看板の先160kmはまじで何もない。

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北部よりも砂が白くなった。

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砂紋が美しい。

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粒子が細かくなったような。

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夕方は横風になることが多く、距離を延ばすために頑張った。

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ところどころに目印がある。

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野生のラクダ。

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3日目に辿り着いたガソリンスタンド。

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子供もいた。

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体が砂にまみれているので、シャワーがまじで気持ちいい。

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ガソリンスタンドに併設の宿は50DH(500円弱)。ホットシャワーあり、wifiなし。

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500m程行ったところに宿がもう一軒。こちらは100DH(1000円弱)。

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なんとwifiが飛んでいた!連泊した日はここでネットをしていた。

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ガソリンスタンド併設のレストランにて食事。

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国境を目指して再び走り出す。スイス人のキャンパーに声をかけられ、バナナとみかんをもらった。感謝。

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鏡を持っていないので後に気付いた事実。ターバンの隙間だけ日焼けしている!

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日陰になる場所がなく、日に晒されながらお昼ご飯を作った。

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遠くに見えるのは砂丘。砂丘こそ砂漠な感じなんだけどなあ。

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お!おーーー!!!!!国境だ!

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車が列を作って翌朝9時に開く国境待ちしている。

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最後のタジン。お世話になった。

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飲むヨーグルト的なもの。いろんな味があって美味しい。

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宿はしょぼかった。これで50DH(500円弱)。シャワーなし、wifiなし。

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朝ごはん。

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おばちゃんに作ってもらい、いざモーリタニアへ。







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管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。