本格的な自転車によるサハラ砂漠縦断が始まった。100km毎に街があった今までとは違い、キャンプを余儀なくされる区間。西サハラの最大都市ラーユーンから中間地点のダクラまでの500km強を走り抜ける。情報収集したところ、ラーユーンから200km程のBoujdourに宿があり、食糧も補給出来るようだ。
Boujdourまでならば2日で行くだろう。荷物は少ない方がいいので2日分の食糧を積んでいくのが楽である。ただ、ここで1つ懸念があった。ラーユーンを発つのが2011年12月29日。年末年始でBoujdourの店が閉まっているってことはないよね??
たぶん大丈夫だろう、とタカを括って行くのは簡単。最悪ヒッチハイクをすれば問題はない。でもやっぱり最善は尽くしておくべきだよなあ、と結局ダクラまで行ける最低限の食料を積んだ。仕方がない。
Boujdourに辿り着いたのは12月30日の昼過ぎ。なんてこったい。想像以上に大きな街ではないか。レストラン2~3件に宿1つくらいの規模だと考えていたけれど、それよりもよっぽどでかい。店が閉まっていることなどなく、むしろ賑わっていた。備えあれば憂いなしとは言うけどさ、心配し過ぎだったわけね。
見つけた宿は綺麗で、なんとwifiが飛んでいた。サハラ砂漠の辺境の街でネットが出来るとは驚くばかり。食糧等を補給出来ることが確定して気分良く12月30日を過ごし、2011年の大晦日を迎える。ここで新しい問題が生じた。年越しはどうしたものか。
ネットが繋がる素敵な宿で年を越すのもアリな気がした。大晦日と元旦だし、ゆっくり過ごすのもいいんじゃないのと心が揺れた。ただ、この旅は2012年に終える予定。この旅最後の年越しだと気付いた途端、安易に宿を選べなくなった。考えれば考えるほど「サハラ砂漠で砂にまみれながらテントを張って年を越す」ことが相応しいように思えてきた。間違いない。天が僕に告げている。
天命を授かった僕は、大晦日の31日に快適な宿を飛びだした。2011年が終わろうとする頃に強風が吹き荒れる砂漠の中で、テントこそが我が家だと知ったのだった。
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Boujdourの街。
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鶏を載せた車。
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泊まった宿。70DH(700円弱)。ホットシャワー付、wifiあり。
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2階がレストランになっている。
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部屋では電波がいまいちだったので、受付の横でネット。
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部屋は綺麗だったけど、ゴキブリが出たのが難点。
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翌日の大晦日はお茶を飲んで出発。高々と掲げて注ぐのがモロッコ流。
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街のモニュメント。
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走り出したらサハラの男たちに呼び止められた。
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たこを含めた漁業を生業にしている。
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一皿に持った食事をみんなで貪る。僕も一緒に頂いた。
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たくましく優しい男たち。
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走り出したら自転車の看板が!!走っているのは僕くらいのもんだけどなあ。
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ちょくちょく検問があり、パスポートをチェックされる。
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食糧が補給出来たので充実の食事。美味しいカレーでエネルギーを摂取する。2011年最後の夜。
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砂にまみれて年を越してみた。
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元旦、休憩していると一台のトラックが寄って来た。「問題はないか?大丈夫か?」と。
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何も問題はないと答えたけれど、これを持ってけとくれたパンとみかん。ありがたや。
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風で倒れている標識も工夫次第。
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走る、しかやることがないので、ひたすら漕ぐ。
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元旦からパンクするとは、、、とほほ。
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折角の砂漠なので自分撮りをしておく。
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1月2日のこと。朝ごはんを作っていたら、美しい朝焼けが姿を見せた。
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気分良くテントを畳んで出発しようとしたら、パンクしていた。良いことも悪いことも、今年はいろいろありそうだ。
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海鳥が飛ぶ。
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ラクダの骨だろう。
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2日の夜も充実の夕食。味噌炒め。
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朝方は曇っていることが多い。
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お昼を作っていたら、前方をヤギの群れが通った。
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ダクラへの分岐。ダクラへ行くことは寄り道となるが、寄らねば次のまともな街は500km先となる。
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分岐から40km程でダクラ。
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この先ではウインドサーフィンを楽しむ人々で賑わっていた。風が強いので良い場所なのだろう。
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ダクラに着いたのは日が沈んだ後の19時半くらいだった。
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宿を決め、ご飯を食べ、またたく間に眠りに落ちた。
サハラ砂漠を自転車で走りたくなるきっかけとなった本
サハラ砂漠をラクダで横断しようとした若者がいた。彼の死後に見つかった日記をまとめた本書は、彼の人生への想い・苦悩が素直に記されていた。心をゆさぶる一冊。
サハラに死す―上温湯隆の一生
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