遡ること1年半前。アルゼンチン最南端の街ウシュアイアの上野山荘で2人の女性と出会った。「自転車旅をやってみたいな」と言っていた彼女ら。それに対し、「海外ツーリングを始めるならヨーロッパがいいと思うよ」と答えた僕。思い返せばこの会話から今回の再会が生まれたように思う。実際は、1年半後にヨーロッパを一緒にサイクリングするなんて思ってもみなかった。言うは易し行うは難し。彼女らの行動力に驚いた。
日本の裏側といって差し支えがない場所にあるアルゼンチンの小さな町の宿で、僕らは出会った。1日ずれていたら会うことはなかっただろう。南極船探しで仲良くなったものの、一緒にいた日は数えるほど。彼女らはボリビアへ向かいその後日本へ。僕はそれからずっと旅を続けてヨーロッパへ。大多数の人とは1度会っただけで関係が終わる。だが、幾らかの人とは連絡を取り合い顔を合わせる日が来る。彼女らは後者の中でも稀な再会をした。
縁、という言葉が好きだ。縁に加えて会いたいという意思、この2つが重なると関係が深くなる。世界で約70億人の中である人と出会い、お互いがまた会いたいという意思を持つ。すごいことだと思う。それが友人になるということだけど、1度目の出会いが南米で、2度目がヨーロッパ、さらに2度目のヨーロッパは自転車旅を約1ヵ月間一緒にする、というのは僕の出会いの中でも類を見ないもの。
人生で2回しか会っていない友の中で、最も深い関係になった。
以下の写真は2人と出会った世界遺産に指定されているクラクフのもの。
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