イメージとは恐ろしいものだ。僕にとってセルビアは戦争のイメージをもつ言葉だった。第一次世界大戦の始まりが「セルビア系青年による暗殺」という歴史の教科書の記述を見たことがその始まりだと思う。どういった情勢で、なぜセルビア系青年が暗殺を試みたのか、などといった背景を考えることもなく、ただ暗記した。セルビアについて他のことを知らないものだから、余計にその情報のみが頭に残った。
次にセルビアに触れたのはユーゴ内戦に関する本を読んだときになる。正確な内容を覚えているわけではなく、以下のイメージが残っていた。ユーゴスラビアのカリスマ大統領チトーが亡くなり、多民族・多宗教であるユーゴ内で独立の動きが活発になったとき、セルビア人が他の民族を抑えつけていた、と。
持っていたセルビアの知識は微少かつ不明瞭であったが、それがセルビアのイメージを作り上げていた。頭に貼りついていたのは、暗い、高圧的、といった負の印象。実際にセルビアに行き、そのイメージが覆されていくことになった。
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セルビアはキリル文字である。
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ブルガリアから街並みの大きな変化はない。
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始めの街を親切に案内してくれた。
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上のおじさんに紹介してもらったレストラン。おすすめを頼んでみたらカレーが出てきた。レベル高い。
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ビールを1杯サービスしてくれた。ありがとう。
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道を教えてくれた渋い親父。
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多くの子供が僕を取り囲んできた中で、始めに気前よく写真を撮らせてくれた少年。
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多くの子は照れて逃げた。
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でも興味津々。
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実は30人くらいいるのだよ。
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自転車に乗りたがる子は多いが、だいたい転倒する。何気に50kgオーバーなので。
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じょじょに打ち解けてゆく。
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連絡先を交換しようとメモメモ。楽しいひとときであった。
これが初日であり、セルビアのイメージが覆されていこうとしていた。
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