ブログを書いてきた主たる意味とは、僕が無事だと家族友人知人に伝えること。それに付随して、どこへ行きどのような体験をしているのかを発信してきた。それについての心境の変化は以前にも書いた。今回はそのことではなく、インターネットというバーチャルの世界からリアルの世界につながった出来事。
ベトナムにいるときに香港に向かうことをブログに書いた。すると1つのレスがついた。「マナゴのHPから飛んできました。良かったら香港で会いませんか?」と。こちらに断る理由などなく、是非という話なので、香港でご飯を一緒に食べに行くことになった。
僕は携帯を持っていないので待ち合わせにはやや難儀した。予め決めていた場所に行って彼を待つ。一体どんな人なのか、何歳くらいなのか、事前に得た情報はマナゴの友人ということだけ。マナゴは僕の大学のアウトドアサークルの同期なので、大凡近い年齢であるとは思っていた。
香港の中心部で、スーツを着こなす仕事を終えた彼と無事に合流し、初対面のややぎこちない時間を経て、ミシュラン1つ星の粥と麺の店に連れていってもらった。彼は僕を見て、写真とイメージと違う、と言っていた。髭を剃ったからかな?僕も同様になんだかイメージと違うと感じていた。後から考えると、シライシ君という彼の名前から、小学校の同級生だったシライシをイメージとしてもっていたことに気付いたのだ。そりゃ違うに決まっている。それなのになんとなく違和感を持った出だしだった。意味のない先入観は取り払わないと変なことになる。
ご飯を食べながら空気が馴染んでくるにつれて、彼が今の職場で働いている理由、将来こうなりたい、だから数年後にはこうしていたい、といった人生についての話が出た。というよりは僕はそういう話が好きなので尋ねた。彼はしっかりとした軸を持って生きており、また年齢が近かったこともあってか、彼のアツい考えは旅の世界から現実社会の世界に引き戻された。これはいい意味の話で、キャリアとか人生設計など、長く旅を続けているとたいしたことではない気がしてくることは、きっと現実社会ではたいしたことであり、そういう話を聞いて自分を改めて鑑みるきっかけとなった。再び旅の世界に浸かるとまた遠ざかっていくのだけど、たまには現実を見ないとね。
粥も麺もミシュランが1つ星をつけているだけあり、非常に美味しかった。そのときにカメラを修理に出しており、写真がないことが非常に残念である。シライシ君、楽しく有意義な時間をありがとう。今まで地道にブログを書いてきたことがリアルの世界での出会いを生んだ。こういうのは大歓迎である。
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